どんな言葉を並べたら
君はそこにいてくれるんだい、
なんて問いかけたって
どんな仕草を繋げたら
君はここにいてくれるんだい、
なんて訊いてみたって
自問自答。
どこにもない答 ....
原 静かさ 月
丸い歩道 男女の子
犯罪者
全てを観ているモノ
安いキャリーバッグの
硬質プラスチックの車輪が
まばらな拍手のようなリズムで
旅行者の孤独を連れて歩いている
バスターミナルは蒸し暑く
分厚い屋根に覆われている
様々な方言や言語が
....
先生とかじゃなくて、
なんて呼んだらいいですか?
光溢れる
今日という日を
歩いていく、人人人
何の目的もなく
何の行先もなく
ただ新しい出逢いを求めて
一回限りの生を燃焼させて
そうだったらいいのになあ
そうだったら素敵なのにな ....
ガリガリの真っ白なマウンテンゴリラは
耳も聞こえないのにウホウホ騒ぎ
麻痺した脳みそで真っ青な空に広がる
ガラスの扉をガンガン叩く
ただ、あるのは己の惨めさだけだ、と
自分の事を殴ってみ ....
「わたしのたわし、タワーにたわわに実ったわ。」
君のたわいないたわごとに、僕はわたわたしたわ。
夏が終わるとき、
風呂桶に浮かんだ西瓜を見ても
もう、それほどときめかない
でも冷やし中華を飾る
一切れの西瓜は不思議と美しい
刻んだハムと胡瓜、
錦糸卵と紅ショウガという
いつもながら ....
静かな境内の
砂利に染みる澄んだ湧き水
花びらを数える歌が聞こえる
落ちた葉を隠した妖精の声
今年の彼岸も飲みに来た
冷たくて厚い枯れない水を
目の前に充満している空気に
植物たちは薬をまぜる
妖精が調合した深い慈愛
人に寿命を与える酸素を
酸化して老化して
知っているけれど
そんなもの怖くないんだ
怖いのは逢えないこと ....
華麗で柔らかな空気のおにぎり
陽の匂いが迷子のように
頬を睫毛をつかもうとする
漂う感覚が美味しいと思った
空から梢から風の隙間から
良かったと声が聞こえた
ありがとうと思った
夜中
外がやけに騒がしい
雨が降りやがる
風が追い討ちをかけてくる
ウルサイ
うるさくて眠れねぇ
台風のヤロー
いい加減おとなしくしねぇと
ただじゃおかねぇぞ
さっさとどっか ....
かゆい、とは
戦うものだ
逃げられやしない
だってかゆい、は
自分だもの
こぐまたちは もう
おとなになって
森をでていった
犠牲のない欲望
なんてあるだろうか?
草がひとすじ
ゆれるのもこわかった
生きていなくても良かった
生まれてきたことは
....
愛する相手もいないくせに
フィロソフィアなんて
本が読みたくなる。
ページのはじめあたりには
著者のモノクロ写真が
あったりもしたりする
最初にあとがきを読む
人名索引を ....
水面と日差しを称え明日の朝ということのない
そこへやってきた羊は喉をみたす 季節に散る色どりは口元について
どこか風に吹かれたうちの
見つけたりない気がして
海底を泳いだ
短い手足がだんだんしびれていく
水圧のせいかな
ちょっと戸惑って
いつかの風船がひっかかる
悲しみにすら触れられない
それじゃあ笑われちまう ....
中学とか高校とかたぶんそのころの女子にありがちな軽度の過食とか若干の拒食とかが未だに抜けない件について。拝啓わたしちゃんいかがお過ごしですか。アラフォーにもなって私はあいかわらずふらふらしています。お ....
平気で奢られるくせに、
平気でソフトクリームを奢らない男。
お前に未来はないと思え。
気がついた。
私の女盛りは今なので、
早くもぎ取って食べてほしいということ。
私は今が食べごろです。
あとは自己責任ですが。
自称詩人を一掃する
絶好のチャンスだ
「午前3時に茅ヶ崎海岸で
自称詩朗読会を行います
人気投票で一番になった
自称詩人には
自称詩集出版の権利が与えられます」
血眼になって
集結 ....
雨を待っていた空は、
虚ろな木の洞が幼児のように見つめている。
誰かが通り過ぎた{ルビ導=しるべ}の道を、
誰かがまた轍として辿っていく。
赤子のように、空は祈っただろうか。
それと ....
木の葉が揺れて、ささやく時、
お前には嵐のような心が似合うのだろう。
遠くで、音と響きとが聞こえる。
恋歌のようにはかなく、仄暗く、
星々の瞬く{ルビ海空=そら}に 街は落ちてゆく、
....
さりげなさの青に染められて、
ひばりは空をゆく
かたわらを通りすぎてゆく風……
ひばりが想うとき、
なだらかな雲が追いかけては、
追う──
赤い月。夜の雲間を照ら ....
それは夢
花のように鍵盤を
ピアノから摘み取る夢
フロアを埋め尽くす白と黒
インプロヴィゼーションなお花畑
ケセラセラな作曲家はご満悦で
偶然は神様の御告げと信じてる
でも絶対
....
踏みあった影はうねりを繰りかえし
大蛇のようにわたしを睨めている
これが雑踏という生物だ
身を縮めて隠れるほかない
だが一歩たりとも動かぬように
語ることを好まなかった父は
静かな ....
他の人生はない
次の人生もない
分かり切ったことだからあえて口にせず
「もしも」や「仮に」の世界を言葉にしたのだろうか
詩を書き始めた頃には多かった直喩から
あえて隠喩を多くしようと心掛けた ....
「行く」を「ゆく」と読んだ春。
僕は生まれ育った町を後にした。
私には、いちばんきれいだったころがない。
女として充実したしあわせが女をきれいにさせるのだと私はしんじてる。
女として充実したしあわせをあじわうチャンスのようなものはあったのかもしれないが
いず ....
秋の雨はゆっくりと
空を滑って降りてくる
気付かないうちに
あなたの名前
一瞬ですべて記憶する
秋の夜はスポンジケーキ
初恋のようにやわらかく
眠れない涙で溶けてしまいそう
小さな ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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