天空を白雲が流れていく
非常な速度で陽を受けて
地上では彼岸花が鮮やかに
赤く揺れて咲いている
一輪、二輪、三輪と
用水路沿いに咲いている
人々は歩いていく
いつもと変わらず ....
タネ・ホカホカの空のした、
キーウィ・バードの本屋さん。
カウリの{ルビ洞=うろ}にお店をひらいて、
なにを売るの? なにを売るの?
売りきれのない、森の本。
木の葉でできたページをめ ....
頑張って冗談を言うから笑ってよ。
右上5番の銀歯、僕に見つかっちゃいなよ。
お供えの花を供えても、
同じことです。
強い風の日には。
同じ時間という、
事象はありません。
自分が周っていなくても、
地球は周っている。
白い塩をまきましょう。
....
いつか消える
いつか消える
そのいつかが果てしなく
遠いと思われて
早く消えたい
と うたってみた
月日は流れ
そのいつかが
もうすぐそこにまで
迫っていると感じる時
....
窓ガラスを伝う雨
樹木は滲み油絵のよう
秘密を漏らすまいと
ずぶ濡れで走り続けた
若き日のあなた
尖った顎
靴の中の砂粒を取る間も惜しみ
聞えない声を聴くために
人々から遠ざかり
た ....
地面で眠る古い足
死なない兵隊に花束を
積み上げる双葉の
匂いに酔っている
花束がどうしても見つからず
ガソリンに指を浸している
うるせえ、亡霊
うるせえ、亡霊
うるせ ....
君がやりたいこと、君が一生懸命になってる間。
「なんて小さいこと考えて」って思ってるでしょ、あたしのこと。
ごめん本当は君のそんなことあたしだってどうだっていいの。
でも君のこと好きなの。
....
涙で
インクが
滲んでゆきます
もつれた線が
解けてゆきます
意味は半透明になり
影を失ってゆきます
それは
生まれたての
原始の海のようにも見え
ワタシの心を癒してく ....
彫師に言う
如来の背に似合うわ
金色の花が手渡され
じっと見つめる
ノミを持つ手に
妖精が祈りを込める
インドの夏はゆっくり終わる
薬師草はまだ咲いたばかり
遠い過去から白檀が ....
幽霊が棲む庭に咲き
星にハシゴを架ける
ここを昇って行きなさい
泡になって消えていく
石鹸の香りを残して
夏の終わりも知らずに
魚眼レンズの雨が降る
街中で恋人を探すように
....
平安の赤い月
占いの香り
暦奏の笛の音
恐れの答は天に任せ
密奏のしらべの夜
月食の通り過ぎし都
この国の季節は四つ
春夏秋冬
なんで春が一番なんだ
一月の時点で冬なんだから
冬春夏秋でいいんじゃないの
冬春夏秋
読みづらいな
話は飛ぶけど
地球に巨大な隕石近づいて ....
緑陰を行くとき
ざわめきになぶられ
足音すら影に吸い込まれ
山野の骸になり
骨を雨風に晒して
いつのまにか
苔生していく
もう
誰にも
祈られない
石仏の膝もとで
やがて ....
私の欲しい物はお金を差しだしても買えない
ならこの命を差し出せば手に入れられるだろうか
天国へのパスポートを2つ手に入れれば
もう寂しくはない
ドライヤーを
胸に当てて溶かす
チョコレートは
ひとかけらの夢だ
木琴みたいに
外れてく板が
魂と逃げて
迷子になると
甘さを忘れて
痛みを知った
目覚めた時には
ど ....
燃え盛る炎のなかで
薄れ行く記憶のなかで
ただ言葉だけが
虚しく放り出された
「俺の自称詩、パクりやがって・・・」
誰にも読まれずに
インターネットの片隅に
ひっそりと眠り続ける ....
一日の終わり、日めくりカレンダーをビリッと。
その紙を正方形に整えて、今日は今日の鶴を折る。
ビルとビルの間に
空が四角にくり貫かれている
青だ、真っ青な青
向かいの串カツ屋は今日も元気に営業している
提灯が赤、黄、赤、黄、
呼び込みの兄ちゃんが一人
風が吹いている、大きな ....
郵便受けの側に男が立っていた
誰なのか聞くと
まぼろしです、と言う
最近のまぼろしは良く出来たもんだ
そう感心しながら
差し出された朝刊の尋ね人欄を見る
今日も僕は
行方知れずら ....
世の中に無駄なものは
ひとつもないと賢者は言う
でも果たしてそうだろうか
ひとは自分を否定されたとき
言い訳をする
心配心に摩り替えて
媚びすら売る
それが自己肯定の逃げ口上であり
....
産まれてから死ぬまでの
間をいっしょうと言うらしい
死んでからふたたび産まれるまでの間を
何と呼べばいいだろう
棺のなかで花に埋もれながら
蓋に釘を打たれた日
そこから始まる舟の旅 ....
西の畑で長靴を履いて
耕運機を回した
小型の テーラーっていうやつだ
なんでテーラーなんていうのか
ぼくは知らない
テーラーで
でこぼこの畑を行き来した
空は丸く
雲を塗り伸ばし
....
しばらくして
テレビを消した
部屋を満たしていた効果音とボケとツッコミが
少し開けた窓から外に流れ出すと
誰かが掃除機をかけているのがわかる
静かで
ひとりだ
冷蔵庫には
鯵の南蛮 ....
天国がもしあるのなら
誰がその場所へ行けるのだろう
新しい歌を歌う
それはもうすでに何度か聞いた歌だ
でも新しい歌を歌う
繰り返しでもある 陳腐でもある
でもそれはすでに新しい歌だ
生き返り 死に返る 僕たちの人生の中
陳腐な歌こそ 新しい ....
ススキの群れ達
月に手を振って
もうすぐ帰るよ
もうじき行くよ
となりどうしで
指きりげんまん
光を集める尾花
野辺に聞こえる
朝露の落ちる音
....
古いブラインドは
折れて錆びて
破れた網戸が友達
治療はいらない
同じ痛みを知っているから
窓辺の縁側は温かいね
アムステルダムの妖精の想い出
第2話「レンブラントの家」
オイルの匂い
薄暗い灯り
キャンバスには
可愛い笑顔
神よまだです
まだ完成していません
愛する人を持って行かない ....
肌に触れる
優しい言葉たちが
毛穴を隠して
美しくなる
ふっくらとした
幸せな頬で
受け止める
思いが輝くから
魔法の粉を
指先で舐めて
どこにも
売っていない
新 ....
762 763 764 765 766 767 768 769 770 771 772 773 774 775 776 777 778 779 780 781 782 783 784 785 786 787 788 789 790 791 792 793 794 795 796 797 798 799 800 801 802
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