スカートをはいてからおかしくなってしまった
縁側から外宇宙へ向かう道は
あの子の膝にあたまをのせるだけだったのに
まちがいだらけだって言葉に足がすくんだわたしに
日傘が少し傾いた
入り切 ....
月が見ゑぬ 濡れ羽が広がつてゐる
爪櫛の如く 敷き詰められた 羽根が広がつて
一条の光すら無く 啼くや恋しき {ルビ鴦=おしどり}の{ルビ吟=こえ}を
ぴいりぴりりと 唄つてゐる
此処は獄 ....
道だから
途中凸があったし凹もあった
緩やかな登り坂
同じく緩やかな下り坂
勿論
急な登りと下りの坂もあったさ
いつまでも
どこまでも
平坦な道なったらいつの間にか
嫌気が差した ....
祭り当日
「へい!お嬢さんおおきに、またね~」
「よ!お客さんお客さん、これ、どうです?安くしとくよ~」
?「ん、‥なんだ、タコか‥‥ いくらだ? 」
?「えっ タ、タコじ ....
静寂が平和の象徴にならない
何か焦らされているようだ
一日ただ祈って懺悔して感謝して
動かずにいる私には
することがありそうなのに
何にも見えないのだ
人間でいたい
今日もそう呟 ....
飴色のグラスみたいな陽だまりが廊下の奥に落ちていた、天井に埋め込まれた空調が立てる微かな稼働音は何故だか宇宙船を連想させた、俺は廊下に並べられたパイプ椅子に腰かけていた、それは五脚あったが座ってい ....
人を傷つけても欲しいものは
その後で自分を傷つけるから
ペンキ塗り立てのベンチみたいに
そっと離れるしかないんだ
今まで気づかないくらいに
愛や幸せを犠牲に生きて来た
誰かのせいにしたくは ....
十月十日して 二日酔いで 産まれた
万能鋏 偽り有り 切れない 親子の情
男女の縁 仮面の己
白髪1本黒く出来ぬのが 己の実力
円空仏に 微笑み 返し
いさぎよく 富士山 喜・ ....
たくさんの花に埋もれて
あなたは静かに眠っている
これから
遠く遠くへ旅立つあなたに
長い手紙を書いたから
旅の途中で読んでみてよ
ガタゴト揺れる電車の中で
いい時間潰しにはなるよ
....
人の世界では
何者かであらねばならない
そして僕は
何者でもない
先生
僕は
患者ではない
信者ではない
生徒ではない
担当ではない
愚民ではない
先に生 ....
ありがとうは命のダイエット
お互い孤独な日々を重ねることで
命が肥大してしまいました
お互いに足りないものを補い合う
そのたびごとのありがとうは
孤独ででっぷり太った命を軽くする
やがて命 ....
「死にたい」
が
唇から零れ落ちる夜は
時間の粘度も高くなり
生きたまま
全身の血が失われていきます
苛立ちすら
霧散する無力感
【本当は】
【死にたくないけど】
【もう】 ....
日常が狂わないように
ひとりでも君を愛せる
連続ドラマよりも多い朝
空腹がごちそうを探して
心に付箋をつけるから
僕等の未来は羽根で飛べる
間違っていてもきっと誘うよ
幸せはいつも休めな ....
僕は晴れ男にはなれないけど、晴れ間男くらいにならなれるかも。
君が悲しんで泣いてたら、ほんの一瞬くらいなら笑顔に出来るかも。
水と風が揺れていて
どうしても出かけた
話さないか
話さない
憩いの
日差しより離れて
今日と言う日が
昨日の続編で明日の予告編だとし
ても
脚本は先が読めないし
台本は先が読めてしまう
その表紙は綺麗じゃなくなってるし
捲ってきた頁は
汗と涙
鼻水さえも垂れてい ....
もしインターネットに出会ってなかったら
詩を書いてなかった
と
私はそう思う
私はけして詩を愛してなんかいないと思う
ただ強く自分にこだわっていたいだけ
私は有名と呼ばれる詩人の有 ....
母さん??
と
私が呼ぶと
文節のない文字を
あなたはつぶやく
失ってしまったね
と
私は
悲しいことだけど
自然なことかもしれないね
あなたの
あと何年かで
そこ ....
馨しいもの 此岸の破邪の 弓矢に似て
その瞳 映る銀河に 命なく
その耳は 己が愛の歌を 弾き奏で
その鼻筋は 谷間の百合より 透き通る
その舌は 我が名を 囁きこそすれ
その眼差 確かに我 ....
声と声が木霊する街角で
チョークを引っ張り
路上に描かれていく線と線
子供はガッタンゴトンと身を揺らし
列車はゆっくり出発する
世界が微睡む午睡時、
すべては無垢に浸されて
....
あわてん坊の 切手 舐めただけで いっちゃた~
おしくらまんじゅう 川柳 ひりだす
抜け目ない おみくじ すってんころりん
全ての 点と線 手下にした曲線 退化の快心 やっちまった~
....
二つ卵に割れて流れるに身を任せる
十日前の新月だった
流れは巌に砕けあたりの身をちりばめる
風の囁きをきいた
蓮の葉につか ....
青、
樹間に揺れ
白い巨鳥、
羽ばたいて
僕は行く
天に呑まれ
光の矢、光の矢!
蒼穹は割れ
漆黒の宇宙が唸っている
夏に頭を齧られて縮んだ身長が
夢をロケットみたいに飛ばすよ
裸足で走れたら砂の中から君を探して
オリンピックでメダルを貰う
自分との戦いがいちばん辛いのに
いつまで我慢をするのかな
君にふ ....
これからは歌をうたおう
小さな声で歌をうたおう
大きな声で歌をうたおう
悲しい歌をうたおう
喜びの歌をうたおう
愛しい歌をうたおう
楽しい歌をうたおう
怒って歌をうたおう ....
しかし最後に眺め観る青い海は明瞭であった
水平線の奥に点となる。岩場が光でチラついて
浮標であろうがやたら気にかかる揺蕩いなのだ。
不意にぐっとへこんだうねりから風の音が停るのは
首に鎖を ....
小雨つづく六月、小さな
悲しみが路傍に立っている
嘘をつかれて、嘘を信じたのは
あなたの涙があまりに寂しげで
それが一番うそっぽいから
しずかに自死しようと歌った
私は私の ....
これは瀆神に非ず 篤信の祈りなり。
愛に憧れたさる娘が、
傾倒と幻想の末に見いだした
祈りの散文である。
故にこの書に法則は無く 拘束も無く
また侮辱を受けるに値しない。
ダビ ....
あじさい柄の、
日傘が咲いています。
梅雨の間の、
晴れの日の、
左目が痛みます。
ピアスを開けた時に
世界が見えると思った
痛くて痒くて重たいのに
僅かな可能性が揺れていた
誰かの真似をして来ただけで
変われるような気がしたから
歴史や運命を投げた穴に
光を通して明る ....
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