終わりが見えている
絶望的な恋
聞けない声を思い出しながら
忙しくても
疲れていても
あなたに会いたい
朝晩、冷えてきたから
余計に恋しい
さみしい
バカみたいにいい歳し ....
ください、と言えなくて
くれませんか、と聞いてしまった
人々の影は長く伸びているが
わたしに重なるものはひとつもない
灰色の街道沿いの
深く暗い井戸の底、
白く円かな女の顔が
微細に揺れ動きながら
切れ長の目を閉じ浮かんでいる
死んでしまった死んでしまった!
わたしは戦慄のうちそう悟り
隣で無表情に ....
こんばんは
スローモーション
派手な歌も
踊りもいらないよ
ひと回り大きな
コートみたいに
優しい言葉で
包まれたくても
雨粒と音
その間に挟む
ネオンの色が
瞳と重なる ....
第1楽章 夢と情熱
まだ本当の恋を知らない若者は
ときに言いようのない恐れ
不安にさいなまれる
恋人との出会いー
若者の夢と情熱が
恋人の旋律、動機を創り
その姿を次第にはっきり ....
ジジイは
ただでさえ鬱陶しいのに
鬱でしかも自称詩人のジジイは
家族にとって
梅雨時のカビぐらい迷惑な存在です
どうしようもなくなったら
カビキラーを食事に混ぜるという
手がないでも ....
空に釘を打って
クリスマスリースを掛けた
あなたはとても遠いから
早めに作ったんだ
宇宙から見えるように
クリスマスホーリーの妖精と
君の名を歌いながら
もし
太陽が燃え尽きてしまったら
月が代わってくれるのかな
いい加減
夜ばかりの照明役には厭きているだろう
ここは昼に回って精一杯輝いてくれないかな
たとえ
太陽が燃え尽きてしま ....
ぼくらが見ているのは鏡に映ったかのような仮想現実だ
それは一見現実かのような様相を呈するがあくまでも現実ではない
ただ厄介なのはその仮想現実が
ぼくらの現実とぴたりと寸分違わず重なってしまうこと ....
飛んでいる矢は静止していることに
時熟できる者は決してゼノンのパラドックスが
あながち間違いではないことに気づく者であり
現在は常に過去であることを知る者である
それは己を時間化することに ....
その命、もっと気楽に使ってみれば?
ちゃちなボールペンにでもなったつもりでさ。
眩しい
イチョウの葉が、金色に
雨のように舞って、舞って
そのなかに入れずに ただ
見惚れていた から 憧れて
手を伸ばす
いったいなんなのでしょうか
金色に降りしきるイチョウの ....
ここではない
どこかへ
行きたかった
明確な意思など
持たないままで
小銭はジュースが
買える程度で
心臓をひとつ
預けてみよう
赤じゃなくなって
色褪せた
白い糸を ....
美人とは言えなかったが、けして不美人でもなかった。
宙ぶらりんな女のこだったが、この世界にはその宙ぶらりんがたくさんいるものだ。
体型や顔の美醜は人それぞれの好みであって、国や地域の違い、時代の流 ....
教室で見ていた後ろ姿に
胸騒ぎに襲われていた
あのころ あの人に
バスを待つ僅かな時間にも
足音に心が揺れた
季節は入れ替わり
出会いの春 別れの ....
年に何度か行く梨園
近づくに連れ甘い良い香り
食べ放題だからといっても
そんなに食べられるわけではない
精々多くても五個くらい
大きく育っている梨
木々から強い生命力を感じる
....
おばあちゃんうんこ坊やはうんちしてこよっとと言ったのに
やっぱりおしっこにしたっちと言いながら帰ってきました
うんこ坊やはうんちをしようとするおばあちゃんうんこ坊やと
おしっこをするおばあちゃん ....
うどんの右端を箸でつまんだ
と言い張る人がおり
私はうどんの左端をつまんだ
と言い張る人がおり
うどんに右も左もないと
言い張る人もおり
みんな一様にうどんを食ってる
風景画のように澄んだ風景のなかに、ゆれて。
りんご王女が顔を赤くするから、すこしうつむき──
ぼくは窓のそとを王女が眺めるままに、
王女の髪と景色とを見ていたんだ。
水彩画のように ....
雨に湿って緑色に光る苔の絨毯
落ち葉が油絵のように重なる
木の子の妖精が
森を覆う木の下で
光に包まれた種を撒く
落ち葉の下から
木の根から
苔の中から
可愛い傘を ....
細く可憐な姿で立つ撫子
見るものすべてを
優しい心に変えて
花びらは切なく開いて
髪飾りにどうぞと誘う
細く長い茎を手にするとき
妖精の言葉が聞こえてきた
....
日本猿として
初めて宇宙に旅立つ予定の
粗相タウン創業者が
「おまえ、いらない」と
クビ切られたからと言って
来年の朝ドラ「半分、ぶさいく」の
ヒロインに決まっている
我らブス好きにとっ ....
秋月の夜の樹々のざわめき
風の卵たちが孵化しはじめ
餌を求めている誕生の産声
雛たちはまだそよ風で
樹々から養分をもらい
ゆるゆる葉は枯れ雛は
みるみる成長しながら
嵐への導火線を ....
積み上げたものがパーになっても大丈夫。
いつかチョキで勝って、すべて取り戻せるよ。
海に浮かんだ
満月は臨月
その膨らみを
我が身に重ねて
呼ばれてもいない
暗闇の中で
下着をはみ出す
肉を震わせた
逞しくなれよと
言われながら
大きくなったのは
随分前 ....
森は金魚鉢
木漏れ日のガラス越しに
紅葉がゆらゆら泳ぐ
幸せは昔掴むことの出来る玉だった。
それは時間が経つと色褪せ、
ついには砂つぶになってしまい
指の隙間からこぼれ落ちるようになった。
それは最初気づかないほど僅かで。
しかも気付いた時に ....
親の死に目に会えない
って言うけど
現実
臨終の場に立ち会うのって
困難だよ
ドラマみたいな訳にはいかないさ
俺の父親は八十過ぎて
夜に風呂場で脳溢血で倒れてしまった
頑固 ....
そこには縁の欠けた器があり、中にはなにも注がれてはいない、埃が厚く積もるほどに長く食卓に捨て置かれたそれは、詩を持たぬものの心で膿のようになって生きている詩情を思わせる、わかるか、回路を持たぬもの ....
アルバイト先の男子トイレで
チーフが手を洗わないで
出て行こうとしたので呼び止めたら
あぁ、おれのちんこキレイだから
手を洗ってからおしっこするからね
汚れた手でさぁ
大事なちんこ触る ....
755 756 757 758 759 760 761 762 763 764 765 766 767 768 769 770 771 772 773 774 775 776 777 778 779 780 781 782 783 784 785 786 787 788 789 790 791 792 793 794 795
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
3.1sec.