深夜
歯ぎしりの隙間で生まれた妖精が
空気清浄機に吸い込まれた
朝
部屋全域に稀釈されたそれは
朝の炊事により換気される
昼
空気中の排気ガスは
確実に基準値を下回っている
....
ガラス細工の星
流れて落ちれば
きっと割れて
水平線に欠片が散って
夜光虫になる
動じることなく
宇宙の季節に
身を任せて
夜空に光の花びらが
降り積もる
永遠に変わらぬ
....
一つ季節を越えて
一年歳を重ねて
一人旅を始めたのが
昨日のことのよう
夢の中で夢だと分かって
覚めないでと願った日々
色はあせて
日に焼けて
気づかないうちに
すこしづつ
....
陽に透ける長い黒髪に
ウエディングドレスのような
白いジャスミンを編んで飾る
この香りがどうかあの人に
とどきますようにと
ジャスミンの茎を軽く噛んで
目を閉じて祈る
桃色の ....
掴めなかった糸なら
そっと肩に置いて
誰かに気づいて貰いたい
優しく振り払うよりも
その指先で空を縫うように
いつかの傷口を庇えるから
針を持たないで出会えたら良い
大の字になった糸屑は ....
嗅覚は、愛を見つけてくれた。
嗅ぐことは共同社会感情につながった。
嗅覚は、五感の女王であった。
しかし、彼女には笑いが足りなかった。
理性は、嗅覚からの超越を求めた。
....
今日の昼はランチパックのたまごを食ってしまった。
反骨心の欠片もない、従順な青年になってしまった。
社会は変化を望む
自分もそうで
でも、望まなくても変わっちまうよなあ
まあいいと思って
やるしかないと
気づいたらここまで来ていて
また気づいたら
こうして書いたことも忘れ ....
暗いと不平を言うばかりの人がいる
それを聞くにたえられずに
手探りで明かりをつけた人の目は
視力を失っていた
眩しい光は嫌いだ
たえられない
と言って
暗い部屋に籠る人
その心 ....
この世での光は消えてのち
また射す光、止めどなく
覚悟せよ
全ては〃進化〃の時流に乗り
大地が割れる感触を
肉に刻んて進み行く
この世に在る限り
この世での光は消え去って
....
ニュージーランド、アイルランド、ポーランド、フィンランド
すべてのランドが良い所ならいいなあ
世界中の船乗りがそう思っているころ、光雄も例外ではなかった
光雄は数えで十五歳
まだ ....
純白に燃えて光る
おとめ座のスピカ
真珠のイヤリング
砂浜に片方埋めて
打ち寄せる涙で
あなたの愛を確かめる
どんなに好きでも
言葉も泡になる
青白く光る涙
波が眠る桜貝を
夜空に ....
屋根よりもずっと
高いヒマラヤスギ
私が生まれるずっと前から
この街が出来る前から
あなたはずっと生きてきて
誰よりも何でも知ってる
すべてを見ていたのね
綺麗な緑色の松葉の恋人
もう ....
青空が太陽を包み
誰にも気付かれないように
内緒で降るひな菊の種
フェリシアの魔法で
夢から覚めて
青い花びらが
空を大地に咲かせる
遥かな海のように
波の中で泳ぎ
風に揺れ ....
歩き疲れてベッドに横になった
からだがスライムみたいに
ひらべったくのびて
平面と化していく
目も鼻も
どこにいったかわからない
耳だけはラジオの音をひろう
手も足もシーツの端から
ゆ ....
40分で三度 視界に入る
その意味は何 と問う
対向車の刹那 の四桁
思考の覚悟は 一旦停止
物質界と天の 境目がぼやけて 透けて 入って来る
「1001」ダーツか手 ....
コロナウイルスに感染して苦しむ人に
インフルエンザウイルスを投与して
身体のなかで
ウイルスの覇権争いをさせたなら
コロナの辛さを
インフルエンザで忘れる的な形で
撃退出来たりするのではな ....
愛の楽譜を開くと
休符まで飛び出すように
決まりのない唄を歌い出す
何かが始まった気がする時は
新しい飲み物を選んで
それが美しいかどうかさえ
自分と一緒に窓へ映した
何にも染まる前の私 ....
欲しかった
黒の楽茶碗が一万円
形良く 手に馴染みそう
オークションの画像を
あちこちから見入る
さあ 開始
値がカチカチ
一万五千円 一万八千円 二万円
「まだ上げられますか?」 ....
四つ葉のクローバーが2と2の間でくるくる回って、
+としても×としても、答えは4で変わらなかった。
そんな幸運を、四つ葉のクローバーは私に見せていた。
星に鍵を掛けた夜から
自分の光が見つけやすくなる
群青に飛び込むような体が
世界に色を映し明るくして
私が回れば三回転半
地球が戻って来る約束する
いつも出会いは過去の中の未来
先のこと ....
マスコミや知識人や評論家も含めて、既に染まっている
コロナという呼び方をコビッド19(日本風アレンジをしてもいいけど)と
呼べないことが根っこにあることに気づいてもらうことが、
最初にやるべき今 ....
庭の白薔薇をねぢ切ったら血が出た。そのような音が出た。こころのままになぞるピヤノの鍵からは、やはりうつくしい音が出るのだが、それはこのように歪んでしまう。天上のしらべからは遠く、さりとて地 ....
un pastiche, encore
きみが書く手紙の文字は読もうとすると揮発してしまう
ありきたりの半島とありふれた海峡
街を寸断する運河や暗渠 について ....
羽の落ちた三日月は
爪の残骸を集めた太陽です
あなたの知らない発条は
あなたが知らぬ間に爆発し
夢で見た場所まで
血みどろの感傷を運ぶのです
わたしたちが
....
あたし、一番好きなお菓子
チョココロナ
ねじれたとんがり頭のパンに
一杯につまった
チョコクリーム
時には頭から齧ったり
時にはお尻のチョコクリームから舐めたり
学校帰りの食卓に二個載っ ....
何も言わなくてもいいの
あなたがしてくれたこと
忘れることなどできない
とても幸せな時を歩いてきた
風が埃をはらって
雨が行く先を洗って
太陽が遠く見守っていた
心配しないでいいの
怖 ....
元日に歌番組見て笑った男が
2月発症して傷害で拘束
3月には物言わぬ骸に
嬉しげに報じる記者と
嘲り溜飲を下げる視聴者らが
彼に支払う対価は幾らだ
2月節分の豆を撒き
3月雛祭り ....
悲しい色をした
涙を雨でうすめたような
白い白いため息が
空に昇っていく
銀河に棲む妖精が
ひとつひとつ集めて
星に変えて並べていく
果てしない宇宙に
天の川が流れていく
キ ....
君は澄んだ目をしてる
さっきまで泣いていたと
逢う時はいつも言ってたね
生まれてから今日まで
辛いことばかりだったね
でも泣くたびに濾過されて
あの悲しい鼓動も
切れそうな息も
....
753 754 755 756 757 758 759 760 761 762 763 764 765 766 767 768 769 770 771 772 773 774 775 776 777 778 779 780 781 782 783 784 785 786 787 788 789 790 791 792 793
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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