Opus Primum
鳥籠に春が、春が鳥のゐない鳥籠に。
(三好達治『Enfance finie』)
Ⅰ 初めに鳥籠があった。
Ⅱ 鳥籠は「鳥あれ」と言った。すると、鳥があった ....
出オチネタバレですが、
いや、ただの
「《素人に毛が生えた》ていど」
って文字を読むとき
み間違えたってだけのことなんだけどね
どこの毛?
とか
どんな顔の美人?
とか
....
こうしてまたいちにちを閉じる儀式のようにして
あなたは舌の掃除にとりかかる
洗面所の蛍光灯のしろいひかり
鏡のなかの素のじぶん
おもいきり長く舌を伸ばそうとするけれど
悪魔の舌ほどは長くない ....
善いと思うことが
全て善いとは限らない
と言っているこれは
悪である
と言う私は善だろうか
・
宇宙や
自然にしてみれば
悪や善も無いが
人間にはそのルールが必要だ
しかし ....
目に知る
いくつかの思いを そして
木が生えた
見る 公園に
イスラエルを思うのだ
見る 景色に
生きた日々を
許しあった時を
戦争を知らない世代の大統 ....
いいか、この街は空の鮮やかなことを知っていたら。いま、支離滅裂に開いた口を塞ぐ。その仕草も全部あまい。それではまいにち同じことを繰り返して。いつかはハツカネズミの供色で。たぶん海のひかりは愛情だった ....
こよりのヒラヒラをいっしょにもって、カシャカシャ、クモの足みたいなところがすきでお母さんとしゃがんでその橙を眺めた。
無常のすき間にある一瞬の灯、みえなくなっても終わりではないこと
傷から炎をぽと ....
いたたたい
いたたたい
石が焼ける臭いがした
八月
原爆ドームや資料館
鼓動が早くなる
平和の鐘を鳴らすと
ずっと胸に響く
夕暮れドームの見える河原で
言葉にならない気持ちを
何度も何度も巡らせていた
薄暗 ....
街の通り花壇周りの草むしりするおばさん達、
ぽつぽつと明かり橙に灯る小さな美容室、
青いバット握り締め素振り繰り返す少年、
サイレース貰いに早朝のバスに乗り込む私、
この街の営みの傍らに殺 ....
失った何かを
思い出せない
魂は
宇宙の前からあったもので
宇宙の果てを超えるよ
・
魂って何?
いのちですよ
いのちって何?
あなたです
この世に一つのいのち
・
....
可愛いそにさんの分子時計は
停止する日時を予め設定されている
そにさんの胸にぽっかりひらいたやわらかい窓は
重力に晒されなかった不定形の唇
ヒトの内部で心だけカンブリア紀を生きのびた証
....
愛している
世界が
変わっても
変わらない
愛を
氷を入れた
麦茶を
一口 二口
その人を思い
信じながら味わう
・
世界と
他人と
自分とに
向き合ってきたから
今の自分がある
・
生物のなかで
ヒトが一番 ....
壱
観察し続ける人々は、思いのままに生きていない面、人々から変わっていると言われてしまう。
じっと観察し続けていれば、この世に変わっていないものはなに一つないと気づかされるであろう。
....
○「生きるということ」
厳寒の日も
猛暑の日も
大雨の日も
大風の日も
命あるものは耐えて生きていかなければならない
天気は変えられないから
自分で工夫して生きていかなければならない
....
気に喰わない人がいたら距離を取る
それがまともな大人とあった
距離を取れなかったら?
気に喰わない人が
親だったら、教師だったら、上司だったら
それがまともな大人です
まともじ ....
恋は甘いかい
恋は苦いかい
恋は切ないかい
恋は酸っぱいかい
時々わからなくなって
わかろうとするけれど
胸の鼓動が邪魔をする
熱波が一時のものならば
裏切りの言葉も簡単だ
....
ゼロから、生まれて
赤子に、なって
子どもに、なって
大人に、なって
一緒に、なって
子どもが、できて
気がつくと、そのうち
子どもの方が、大きくなって
それでも、働いて
働 ....
魑魅魍魎の叫びのように鳴る
アラーム画面をタップ
眠りたい自分から
夢を孕んだ自分が剥がれ落ちた
脳がスヌーズを頼ることを確認し
束の間の静寂に身を委ねた
いつの間にか夢に包まれて ....
うっすら
光跡となり
響く声の貴女 、
あゝ 遠い記憶の
滑り台から滑り降り来て
またきっとあえるから
そう言葉ふるわせ
私を見上げ いった人 。
恐ろしい程美しく見えるよ
人も 街も
浄らかな命を生きるとき
人は本当の意味で輝く
なんて有り難いんだろう
なんて素敵なんだろう
なんてうれしいんだろう
信仰によって
私達は強 ....
からだだけが覚えている水田の記憶は
ずっと底のほうに沈んでしまっていて
どうしてわたしはこの庭に棲んでいるのか
どのようにして生まれ 辿りついたのか
わからない おしえてくれる親兄弟もいない
....
○「オリンピック私考」
メダルまで渡さなくてもいいのではないかと思う
そういう時代はもう終わったという気がする
オリンピックは
参加することや参加できたことに意義ありだ
参加者全員の健闘をた ....
藪の中の蜘蛛の巣に撒かれた水玉の数珠が
懐中電灯に煌めきを返す
片言な星座のものではない美しい生の声で
今にあなたもこうなってしまうよと
鯨の血管は軽トラックならゆっくりくぐり抜けられたと ....
この白い画面から
各々の人たちが夏の思い出に何色が入ってるかを見ている
あたりまえに過ごすこと 羨望で願望しかなかったこと
夏の思い出はすきじゃない
病棟へ出入りするぶ厚い自動ドアが、こど ....
ブランデンブルク門を見上げる
パリ広場でギターをかかえている老人は
天国への階段を弾いている
逆さ十字の腕章をつけた
ドイツ軍兵士のコスプレで
ビールをラッパ飲みしている青年に
好奇の ....
今日は天気の良い日曜日
渓を訪れる釣り人は多く
ボウズが続出し
挨拶をすると
水量も少なく
入渓者が多くて駄目ですな
異口同音のこたえが返ってくる
釣れないので{ルビ納竿=のうかん}する ....
毎週振り絞って
長距離マラソン
ゴールの週末
約束も忘れて
眠りを貪る
目覚めても疲労感
スマホは通知だらけ
防災無線からのメロディ
今日の終わりを告げる
日曜日
街を行く人々は 疲れた顔もあるけれど
晴れた日の隅田川 交わる航跡が爽やかで
素晴らしい朝だから 足取りも軽やかに歩こう
自分を一つ好きになれるかな
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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