或る奈良の公園で
わたし見てしまったんです
箱の中から出られない
まだ小さな小さな
小さな子猫4匹
ドロドロに ドロドロに
溶けていました
瞳の痕跡
顔 ....
大切にしていた、
とてもお気に入りだった、
食器が割れました
パリンと音を立てて
それっきり何の役にも
立たなくなりました
そればかりか
その破片たちは、
わたしの手に傷をつけ ....
大河ドラマ「花神」の中で
『人の一生には命の長短に関わらず
必ず人生の春夏秋冬がある』
と吉田松陰に言わせる場面があった
確かに松陰や高杉晋作は
三十歳を前に亡くなっているが
激動の人 ....
首里城って
5回も焼けてんだ
んじゃ、そんなに
嘆き悲しむこともないんじゃねえ⤴️
だって5回だぜ、5回!
火災保険入ってたりさ
地元土建屋も
「なんか大きな仕事ないかね?」とかさ
....
未来から
遠い遠い過去の木霊
確かに響いてくるのなら
私たちはもはや何処にも属さず
あらゆるものに優しく開かれ
柔らかに終わりを待てばよい
)あまたの感傷を一つの確信に変え
ふる ....
遅い初雪が降った朝
地面は乾き
空は薄雲に覆われて
空気は張り詰めている
刈り残された秋明菊の平たい葉が
上を向いて受け止めている
クリスマスローズの広い葉も
とける事を忘れた雪 ....
朝目覚めて何もせず
ベッドからソファへと身を移す
時計は6時を指している
街はまだ微睡の中
幹線道路から離れた住宅地のせいか
車の音も人の声も聴こえてはこない
漸く鳥たちが目を覚まし囀 ....
月から流れる光が
砂時計のように
ゆっくりと
時には早く
街に降りそそぐ
誰もいない
暗い部屋の窓にも
月の光が温もりを照らす
街灯のない道に
小さな花が咲いている
月 ....
指の骨をポキッと鳴らし、さぁ僕は男になるぞ!
左の小指だけ鳴らなかったんで、やっぱりやめます!
海は大きな口を開けてるけど
吐き出せずにいる心を見せて
行ったり来たりする波のように
永遠の中をこだまするもの
近づいて見えすぎる現実や
遠去かり見えにくくなる未来を
真ん中で教える距 ....
内なる外が押し寄せる
外なる内が押し寄せる
誰もいない、繋がりはない
白い空間奥まる深夜
圧迫され窒息する
深みへ奈落へ落ちてゆく
)揺れ震える肉の魂
)ぬらりと赤い舌に呑み込 ....
簡単に吐ける言葉たちが
ありとあらゆるところに
飛び交っている
いとも簡単に実現されることなんて
知る由もなく、その言葉たちは
屋上にいる彼女の背中を押した
遺書も残さなかった
....
お陽さまの彼方に また
お陽さま
何処かの星のお陽さま
そのまた彼方に
お陽さま
照らしている 何処かの
水の星を
土の星を
岩の星を
ガスの ....
この星に現れた人間
現れて営んでいる今日も
乾いた唇に時々水をくれて
今日もやっと営んで やがて終わる
寒い日には被って
温い(ぬるい)日には剥いで(ぬいで) ....
雲の切れ間から
青が光って覗いている
俺はくたびれ脱力して
道端に腰掛けている
)わけの分からない宣伝カーが
)ゆっくりと通り過ぎて行く
ひんやりとうねる空気
傾きかけた太陽
....
きみたちとぼくが
笑顔でしかつながってないのは
もうわかってるだろ?
握手に置き換えられる何かを
交わし合ってる間だけ
社会が発生する
寝言で使い合うお互いの柔らかさ
すり減るた ....
ジュブナイルジュブナイル
どうにもこうにもわしにもあんたにも
いくらおとなになってもエラでちゃって
サンショウウオにもなれへん
ジュブナイルなロートル
ロートルロートルてじぶんで ....
夜 窓に至る暗がりに
幾つかの鉄柱が立っていて
ここからは月の檻です
と言う
長い長い髪の毛が四本
自分が髪の毛だと知らぬまま
夜に絡み
そよいでいた
....
パクる、パクる
ひたすらパクる
名の知れたもんでも
平気でパクる
どうせ誰も
まともに読んでない
いや、読んでたとしても
自称詩人というバカ相手だから
分かりっこない
半日経てば跡形 ....
掴んだものがぼやけてしまって
咲かないまま枯れた
もうすぐ夜がやってきて
僕らの時を奪っていく
枯れたそれを 握ったまま
干上がりかけた沢の縁
山椒魚は怒るまい
ペンケのダムもパンケの家も
知らずに不幸と泣くだろか
ただ生きるのみの今世に
祖父の語つた魚に逢へずとも
謳歌せよと、
忘れられ、た、 ....
木立の合間から
空の青が覗いている
木立の緑は裏光り
鳥達の群れが過っていく
ああ全くそれなのに
この美しい光の午後、
俺は陰気な郵便脚夫のように
街から街へと急がねばならない
何 ....
青菜摘みの乙女の墓は、ただの土くれの土饅頭で、その骨さえも焼かれなかったかもしれない。青菜摘みの乙女の墓は、ただの透明な空隙で、訪れる者さえもやがていなくなった。青菜摘みの乙女は、霊に囚われたまま死 ....
少し長めのマフラーを
砂漠の上で
引きずり汚した
誰かの踵だったかも
知れない
何かの予兆なのかも
知れない
ぐるりと見渡す
景色の中に
あなたを置いて
行ってもい ....
朝日がゆっくりと
木々の枝と葉を
一つ一つ
赤く染めて昇る
朝露を浴びて
赤く透き通る光が
野原の宝石箱から
もれて広がる
冬苺の妖精が
雪のような
白い羽根を広げて
....
書き損じた天気図の余白に
僕らは昨夜見た偽物の夢を書き続ける
筆圧があまりに強いものだから
明日見る予定の夢まで記してしまう
つけ放したラジオから聞こえる
ネジが酸化していく音
そ ....
幸福の定義はない
と言うのが一般論でしょうか
人生と言う個人個人の歴史
その
一人一人の幸福のレベルゲージに
相違が生じるからでしょう
生まれた家
育った環境に違いがあるのですか ....
天窓にひとり
夕日に火葬されてひとり
赤とんぼひとり
馬鹿な詩人なら
まるで自分のようだと
同情を誘うような
ありふれた言葉を書くだろう
ただただ
救えない
絶えゆく命を ....
出會い飽く草木
やあ、ターナーの{ルビ霧月=Brumaire}よ
星
光の馬鈴薯
ジャイナの戒め
肉揉まれ 窒素を厭う
校正の{ルビ時化者達= ....
今日も郵便受けによけいなチラシが差し込んであるのだが、あの赤いジャージ姿の少女なんだと思えば許してしまう。
かってに裏庭から入り込んできて、一度文句を言ってやろうと車の座席から飛び出そうとして止 ....
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