仕事帰りの車が
ライトをつけて県道を走る
朝の通勤時とはちがい
どことなく
開放感がただよっている
やっと終わったぞ
そんな声が聞こえてきそうだ
みんなの心の高まりを
動力として
....
花見に誰を呼ぼうが
大したこっちゃねえだろ
ここぞとばかりに非難している奴は
どうかしているぜ
だって花見のためにわざわざ東京まで
出掛けるなんて
面倒臭いったらないもん
逆に迷惑ってい ....
冬の始まり秋の忘れ物
真っ赤な紅葉が
地面に寝そべり
手袋と間違われて
拾われる
掌に乗せる小さな芸術
手を温めるには
物足りないけど
目を休めるには
十分すぎる
....
鼻すすりながら、屋台ラーメン、身にしみる。
店主のおっちゃんの養子になりたい程、寒い夜。
草原をずっと、ずっと裸足で駈けていく……
いつかそんな夢を見ていたことがあった。
僕の周りでは、見知らない音楽が鳴り響いて、その音符たちに囲まれて、
今まで誰も考えつかなかった{ルビ旋律=メロデ ....
あらかじめ赦された裏切りを
ゆるせなかったのは私
錠前を下ろされたドアの内側に
想いを閉じ込め
潜り抜けて
羽化する幼虫を
みんな潰し
化石するサナギのうたを
うたった
....
秋空に浮かぶ雲のよう
どこに行き着くのかわからない
枯れ枝倒して道決める
北へ
南へ
東へ
西へ
風と加減と運が決める
どこに行き着いても構わないから
....
まだ幼かった頃には
確かに別世界への入り口だった
あの古い橋 よく
行ったり来たりして遊んだっけ
今の背丈で眺めてみると
なんて小さくて短い橋
なんて細くて切な ....
雨季、冷たいだけの
椅子に腰
かけて
朝方の蝉が穏やかに
絶滅していく様子を
眺めていました
手を伸ばす
伸ばす手が
その手が
範囲
何も守れない
窓があってよか ....
羽ばたきたい 羽ばたきたいの
せっかく翼 いただいたのに
歌いたい 歌いたいのよ
せっかくカナリアなのだから
わたし いつでも籠の中
綺麗だからと 籠の中
....
何もなかったと思うその場所に
横たわってる小さな虫歯が
少しの不安でぐらつくような
明日をまたいでどこへ行くのか
街は代謝する人は感謝する
この胸の中をバスが通るたび
眩しく光るラ ....
連投はいいのか?という疑問符を付けておきます。
箱庭という園遊会に誘われたのは何かの間違いだろうと思うからです。
案の定大きな柘植の隙間からこちらを覗う黒い瞳が見えてきた。
いや、あれは光を ....
「快晴だ。空は海は、街も自由に、妖しく、
オパールの中に閉じ込めた景色
、なのにいつも時間を気にしているのは変だろう。」
ということで車を奔らせてみるのはいつものことだが、対向車から見え ....
古びた洋館のベッドの上で私は眠り続けた。
眠りの中で右腕を伸ばそうともがいていたが動かない。
記憶の中でトイレに行きたかったのだがそれも出来ない。
意識が朦朧としていてそれ以外は何も ....
頭と顔なんて
首の上に乗っていればいいんだよ
そんな風に思える歳になったのかな
女の人の事だけど
胸がふくらんでいて
お尻がバレーボールのようで
そっちばかり目がもってかれてし ....
)男の人ってお尻にも毛が生えてるんだよねー、たけしさん、知ってた?
)なんでお前、そんなこと知ってんだよ
)えっ、やだあ、このどスケベ!
……〇🏳️〇/
通りすがりのあの人の
後ろ姿になに思う
通りすがりのあの人に
恋してしまう今日もある
通りすがりのあの人のこと
想像するのは
通りすがりのあの人の ....
天井から悪口が聴こえる
部屋の壁に人の眼がひそんでいて
たえず見られている
などと口にした
彼女の精神は破綻している
のかな
比べて
彼はその経済が破綻しかけていた
....
「あたしの母はね
父方の祖母といろいろあったらしいの
あたしが反抗するといつも
かあさんとばあちゃんは他人だけど
あんたとばあちゃんは
血が繋がってるから、怖いって言うの」
「そ ....
少年負い易く楽成り難し
一寸の口陰軽んずべからず
少年は傷を負い易く
楽しく成り難い
SNS数行の陰口を
軽くみるものではない
頭蓋骨の中で絨毯爆撃は繰り返され、その衝撃で俺の脳漿は四方八方を跳ね回り、幾つもの白昼夢が同時に展開された、それは不思議なほど幸せな光景ばかりで…俺はきっと薬物中毒患者のように目を見開いていただろ ....
あなたを知りたいと望み
偽りのボクが生まれた
真実は常に残酷で
手に余るエゴに身悶えた
いずれ忘れて薄れゆくと
まるで意味のない慰めに縋ることで己を保った
未だ棄て切れぬ情念に ....
風の内緒話し
鳥の告白
雲の散歩道
白い花は雪の匂い
怖いほど空が近い
妖精の羽音が聞こえる
どれだけ登れば逢えるだろう
頂上に咲く雪の結晶
エーデルワイスの優しい瞳
....
男子はサッカーで
女子はソフトボールが
今日の体育だ
サッカーボールが
よそ見していた顔に当たる
ソフトボールを拾いに
男子の方にやって来た
普段は眼鏡っ子の君の
コンタクトを ....
冬の晴れた黄昏の海
彼の足元に波が打ち寄せる
私は背中に耳をあてる
このまま背中に溶けてしまいたい
おんぶされて見る景色は
夕日の味がした
並んで飛ぶかもめが聞く
「ついてく ....
薄暗い
漠然と広がった
空間のなか
台形の
ノッペリとした
大人の背丈半分程の
鉛色の工作機械が
等間隔で何台も
一列に並べられている
大きな金属音があちこちから
互いに呼応す ....
仕事終わりに 君と駅で待ち合わせ
駅の椅子に腰かけて携帯を開くと、電車に揺られているであろう君から
「疲れた。今すぐ甘いものが食べたい気分」
と連絡
考えるより先に身体が動いて ....
ぼくの庭の死者たちがつぶやいている
《今年は雨が少ない……不作かも》
祖父かそれとも伯父か、まだ顔がある
死者たちはざわめく葉影のささやき
裸足で庭を歩けば確かに土は乾いていて
限られた ....
お気に入りのマフラー
手編みのマフラー
私を過去へと繋ぐ
私をいまへと繋ぐ
きっと未来にはあなたと繋いでくれる
思い出のマフラー
あたたかい
もうすぐ寒くなる
誓おうとして言いかけた
言葉を持ったまま
迷っている君が
好きだよ
いつまでも
言い終えないで
それがわたしの
永遠
732 733 734 735 736 737 738 739 740 741 742 743 744 745 746 747 748 749 750 751 752 753 754 755 756 757 758 759 760 761 762 763 764 765 766 767 768 769 770 771 772
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