暗い空を
赤いランプを点滅させて
飛行機が飛んでいる
私はそれを地上の片隅で見ている
空をゆく機械鳥
乗客やパイロット
キャビンアテンダント
あんなところにも人がいて
呼吸をしたりして ....
朝が待ち遠しいですか
朝が待ち遠しいですか
コーヒーを飲みすぎましたか
それとも昼寝をしすぎましたか
枕を裏返しましたか
どんな枕がお好みですか
どんな悲鳴がお好みですか
夜には夜の鳥が ....
ドアスコープから外を覗くと、そこには未来。
だとすれば部屋を振り向くと、そこには過去。
なるようになればいいさ
ずっと思ってたことを言った
僕はひどく酔っ払っていて
それが聞き取れない
なんだか自分の言葉は
あんまりに嘘がないので
ちゃんとしてる時じゃないと
理解す ....
冬の光のように暖かいひと。
私の心のページをめくる。
本当の穏やかさに気づかせてくれたひと。
この思いだけで人生に道筋を立てられたら
どんなに素敵だろう。
聖らかで
透明で
希望 ....
ヨラさんは小児麻痺だった
ヨラさんはよく笑った
ヨラさんはそのたび涎を机に垂らした
ヨラさんは頭が良くてクラスでいつも1番だった
僕はヨラさんを笑わせるのが好きだった
僕はヨラさんの涎を ....
妻の嫁入り道具の箪笥の引き出しの奥には
昭和がひっそりと息をしていました
アルバムです
学生時代の集合写真
独身時代のスナップ写真
社員旅行の写真
私の知らない男性と二人で写っていた写 ....
歌手のYさんに似てるって
言われる度に思う
ボクは違法コピーなのかも
相手が有名なだけで終身刑
考え方が課長に似てるって
言われる度に思う
ボクは違法コピーなのかも
相手が有能なだけ ....
毎日数時間の眠りを睡眠と言います
死んでからの眠りを永眠と言います
寝入る瞬間は意識がないのは同じです
眠ている間も意識がないのは同じです
怖がることはありません
悔いることもありません
....
けして、色づく
ことのない実りを空が
見下ろしひとつ残らずあおく
透かして終うから
こころ細く磨りへらして研がれた
ひとみは
ぶあつい掌に覆われて、あめが
しずかに、雪に ....
ごめんなさい
逝くという日に
逝く瞬間に
手も握らずに
ほんとうに
ごめんなさい
狭い部屋に
何人いただろうか
逝った瞬間に天井を見上げ
探したよ
どこにいるだろうかと ....
治ることない
そんなこと
誰もが知ってる
墓地を埋め立てる音が
波音のように
寄せては返す
ここは去らねばならぬ
治らないなら
意地を張るのはよそう
昨夜
月夜に
....
ふたたび目覚めたときには
世界は様変わりしているだろう
おまえは目を見開いて
そのひとつひとつを心ゆくまで確かめることだろう
進化の過程に
われわれは必要ない
疑似餌を食らった ....
遠くの森のザワメキが
木霊するよな透空に
白雲一つ漂って
微睡みの午後に呑まれいく
遠い遠い感覚が
辺りを静かに支配して
わたしはぼんやり日溜まりで
胡座をかいて座っている
....
美しい寝顔に何を置こうか
鼻の高さに届く影を
閉じ込めるまで近くに行き
寝息を感じるだけで
輪郭の間を泳ぐ空気を拾う
この世界の限界ほど
目の前にある青い瞼が散り
....
*
青空ではなく あおそら と
くちびるに纏わる
透けた胎児 月のように
発芽を奥ゆかしくも留め置いた
――エバの種
見上げる大気の透過した青
見下ろす海の反射した青
....
まあ
このくらいで
いいでしょう
すべては過ぎ去るもの
衰え朽ちてゆくもの
明日は在るかどうかはわからない
ならば空になれ
鳥になり海を渡れ
繰り返し繰り返す過ちを忘れ去り ....
最後尾の車両の
最後尾の補助席に座り
乗務員室の窓から見える景色は
猛スピードで更新される
乗務員室にいる車掌は
言わずもがな運転しないが
駅に着くたびに外に出て
小さな動作をしながら
....
自由夫奈伊流自由夫奈伊流
如何尓毛斯久尓毛儂尓毛汝尓毛
如何程尓大人成流刀毛腮出弖尓而
山椒魚尓成良禮奴
自由夫奈伊流奈路於刀流
路於刀流路於刀流己尓言布刀流内波
尚自由夫奈伊 ....
熱狂する人々
風船が飛んで空にあたる
紙吹雪のむこう
遠くの人の目の中をみていた
パレードがはじまるよ 全部捨ててこっちにおいでよ
ここでふたり 立ちすくんでいよう
崩れる時が一番美しいも ....
みつからないところで寝ています
小學校に上がるか上がらない頃でした
ある日の黄昏時
お須賀ばあちゃんは便所で倒れてしまいました
凄い音がしたので
孫の私が見に行くと
お須賀ばあちゃんは横倒しになっていて
小刻みに体が震え ....
御存命でしょうか
なんて言われたらあなたはどうします
餌が鳩を縛るまま
衰退は止められなかった、と
御存命でしょうねたぶん
ただ、絵筆に描く人が見あたらない
それが哀しいのです
....
その墓はアフリカ大陸が視える小高い丘にある
だけど墓地ではない あるのはその墓だけ
その墓には埋葬された彼の名前も
1894.5.27に生まれたことも
1961.7.1に亡くなったことも彫 ....
車の走る音も消え去る夜
終わりのないテレビは
コマーシャルが流れ続ける
今は砂の嵐がやってくることもなく
平べったい音が妙に落ち着く
明日のことを考える ....
こなごなに割れた硝子片の
うえをあるいた
つま先立ちの空はおちて
抱卵する胸を
さらしてかえらない言葉だけ
ひろいあつめている
やわらかな化粧と
乳くさい部屋と猫足
揃えられた ....
自室のドアノブに炬燵の電気コードを縛り付けていた
そのコードを自分の首に巻き付けて全体重をかけていた
第一の発見者は彼の祖母であったらしい
祖母は一階の居間で炬燵に入りながらテレビを見ていた ....
どてらカボチャが降って来る
滝のように降って来る
頭をぶるんぶるん振り回しても
俺の脳は考えない、感じない
どてらカボチャはオンオン鳴く
夜陰を軋ませ鳴き続ける
俺は独り、立ち尽くす
....
とあるモノは
朝昼晩
毎日休みなく
働いて
社会に貢献している
モノはすごい
休みなく
役割を全うし
丈夫で
文句は言わない
日本の労働観には
モノ至上主義が
根底 ....
誰かのせいにしてみました
僕がこんなに嘆いてるのはお前のせいだと
僕の心は極限まで悲鳴を上げています
ふと心の底から完璧に煩いが消えました
あれ?誰も悪くないやん
僕が勝 ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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