青褪めて膿んだ昨日はクローゼットの右奥の隅で見事なまでに腐食した、捨てた言葉が弾帯のように連なってそのそばに転がっている、俺は聖書を読んでいた、大型電化店のセールのチラシを眺めるみたいに…激しい雨 ....
図書館で君は少し死んでいる
少し死んだ体で雑誌を読み本を選ぶ
本は死んでいるから
本を欲する君も少しだけ死ぬ
僕も図書館では少し死ぬ
少し死んだ体で本を借りるとき
僕たちこんな死んだ部分で ....
{ルビ終曲=Coda}
あの樣な アミノ酸
内科醫の樣な {ルビ猫=Katze}
やあ、スキタイの菌絲類
鱈腹
彼女(たち)は
だった
....
巨人になって
谷を飛び越すことがある
足裏に地上の凸凹を感じながら
足首に絡む電線や
田んぼのぬかるみを楽しんだり
街を念入りに踏み潰す
そんな時、人は
わずかな寒気を感じて振り返り
....
折り重なっていく哀しみが
心の記憶の麻痺を誘う
夜な夜な闇の奥で呻いては
心の涙を溢れさせ
いったい、何があったのだろう?
実感は薄れ
過去の断片が浮かんで沈んで
時は個別的な死 ....
雨が降ると
アナウンサーが
深刻な顔をして
しゃべってる
(陽水みたいだな)
「命を守る行動を取って下さい」
これが
今一番嫌いだ
何故なら偽善の臭いが
プンプン漂うから ....
軒下の燕が巣に籠もる
予め決められたとおりに事は運ばれる
近くで眺める遠い風景には歩も進まない
変わるという不安には耐えているという不粋な雲行き
そろそろ飛び立てよ
上空から ....
終電の吊り革に手首を入れてしまえば刑は執行される。
僕らの手首は絞首刑により、その電車はきっと彼処行き。
渓流を下ると川幅は急流に狭くなる
浅瀬から水を撥ねた石には硬骨の節がある
隠れ鰻のように蛇行を繰り返し
河原に辿り着いたのは強固な意思に違いない
嘆く陰翳の底暗さの中に一点の灯りを見出した ....
過ごす時間に一つ一つ、ふせんを挟んで名前をつけて、たまに見返さないと思い出せない記憶の塊、あなたは、わたしのことを愛せていたのかなわたしは、あなたのことを愛していたのかな 教えてくれるかな、証明の数式 ....
風呂上がり三千世界に生まれたからには一度は不良の顔もしてるでそ
水面に顔を寄せていくと
無数の鯉が浮かび上がってくる
餌をくれると勘違いしているのか
ぱくぱくと開け閉めする口が異様である
指でも突っ込んでやろうか
でも吸い付かれたら気持ち悪いな
上空の ....
「詩人になれたら死んでもいい」
と、みかちゃんが言った
「あたしは詩人になれなかったら死ぬ」と言い返した
あんなにあたしたちがなりたかった「詩人」て
なんだったんだろう
私も彼女も
自 ....
鶏の手羽みたいな女が
高いところにずっとぶら下がっている
肌は青いペンキを塗ったように真っ青で
裸足の爪まで青紫をしている
表情は暗くて見えない
垂れた乳房の横に穴が空いていて
そこから音 ....
記憶体、
ざっく ザックリと 切り開かれます
映像群、
ぽっか ポッカリと 映し出されます
汽笛、
鳴ります 遠い国
流れる流れる追いつけない
洋上の青 浴びる太陽
溶け合 ....
私は語れない
立派な悲しみでないから
物語にならない幸せ
幸せにつなげられない景色
毎日繰り返し使い古した
囁きが増えてざわめきになり意味は消える
現実と夢では
リセットされるだけあ ....
どろんこ遊び ご~ろごろ
どんぐりのようで どんぐりでないような
土星の環 ペイントした腕時計 いつ見ても
9時15分 動かない 壊れちゃったかな
森に分け入る 夢の成る実を探しに
....
雨の音はかなしい
くらい雲からおちてきて
無数のものが
無数暗がりへ
途切れることがない
雨の音は
かなしい
雨になりたい
部屋の片隅に
壊れてしまった時がいくつか
転がっている
それらは この夜に
透明な襞を寄せてゆく
やがて その襞は
包んでゆく
君の記憶を あるいは予感を
あるいは 記憶と予感 ....
学校へ行きたくなかったからさ
たいした学歴ないんじゃなくて
たまたま家が裕福じゃなくて
すこぶる貧乏だったから
学歴ないんじゃなくて
頭の出来が悪くて
勉強についていけなかったから ....
今朝のニュースにも殺人事件があった
大学生の男が大学生の女を待ち伏せて刃物で刺し殺した
テレビは情報を垂れ流している
俺はそれを眺めながら
卵かけご飯を食べている
結婚して三十年がた ....
朝は
夜の間に届けられた
天球からの言語を
地球向けに翻訳する
神の不在を嘆くよりは
コロナ禍の方が切実だ
マリア・マッキィが歌うよ
大人の恋の歌
これから俺はどこへ
流れつくんだろ ....
「これはこうだからこうしなきゃいけない」
そんなもんに
これっぽっちも興味はねえんだわ
決まり事をなぞってどんなもんが出来る?
ほら、ご立派な講釈垂れてる、おまえ
日本車みたいな味も素っ ....
琥珀色のぬらりとした
リボンのようなハエトリ紙を
白い壁の間借りした部屋に垂らす
夕焼けに光るそれはまるで
蜜をたらふく蓄えた大樹のようにみえて、
懐かしい実家の情景を誘って ....
欲しい時にない
焼き豚するときとか
あった気がした場所探しても
見つからないから忘れてた
長いタコ糸
自販機の灯りをたよりに
蛙の鳴声の
隙間をぬって
脱げそうなサンダルで
....
髪を切った
君のくれたヘアピンが付けられなくなった
服を変えた
ポケットに手を突っ込む癖が無くなった
口を塞いだ
好きだったあの歌が歌えなくなった
少しづつ
透明になっていくのが分かって ....
{引用=*}
時間もその都度仮面を変える
あなたの役どころに呼応して
悲劇には悲劇の
喜劇には喜劇の
だけど時折場違いな仮面
ピエロの場面に憂いの真顔とか
隠した心を見透かすように
....
ハニー株式会社は先月発表した次世代恋愛
マシンiLoveを25日に発売する。
交際モードも従来の真剣交際、グループ交
際、援助交際に、演技交際が加わり、確実に
終了できるエンド交際モードも ....
継ぎ接ぎ かぎ針 母の姿 あれは、
吐き出した溜息を逃がさぬうちのに、叩き潰して文様と致す。
描かれた賽の目が私をもあなたをも転がしていきます
うつつに沿って斜め、眺め、
手の中にしまわ ....
おずおず手繰ろうとした楕円のような温みは、そのやわらかな縁取りをいたずらにみだしてしまう指先で、わずかにほころび、くずれ、わすれもののケチャップのようにてのひらのうえで台無しになってしまう ....
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