やわらかいことばで
伝えようとすると
よけいにかたくなに
なってゆく
ひとは水なんだってさ
そんなことも
夕方にもなればようやく
ひとごこちのつける
その風 ....
空になった麦酒の樽が火傷する位に熱くなってる
アサヒビールも麒麟もサントリーもサッポロも
あっ企業名書いてしまったよ
まったくもってけしからんな
スーパーやドラッグストアやお酒の一般店から ....
ちなんで、もしも、である前に
観察するだけのキャットファイトを
虫の温かみで、あざ笑ってみせよう
高熱のオクターブで赤ペンを溶かして
番犬をレンチン、はっかの匂いがするのだ
葉脈のふ ....
なんかなくしていって
傘の色が透明だと便利だけど
コンビニで買ったりして
適当に置き忘れたりして
なんでもそうかもって
好きだった本とか
場所がないから売ったりして
Kindleで読 ....
小さなポシェットひとつで、あなたは何処へだって行けるんですよ。
もちろんポシェットふたつでも、おそらくポシェットなど持たずとも。
夜明けとともに
星座から手紙が漂着する
卍が印された切手を剥がして
ガスコンロの火でそれを焼く
それから二度寝をしたら
ウラン鉱脈の至る所から水滴を集めてきた子供が雪原で蹲り耳を塞ぎながらア ....
星の刻
ぼくは砂漠のトカゲで
歩き疲れたラクダは銀河を見ていた
水溜まりにはジュラ紀の鬱蒼が
ネアンデルタール人の女の子とも恋をして
{引用=弄ぶ時流のうねり
倦むことなき鍾 ....
そらの光が、しろいのは
せかいの悲しみが、混ざっているから。
夜になれば、小雨が降り
ほおりだされた悲しみが、忘れられている。
陸にうちあげられるつめたい海水よ、
あらそい ....
あさ起きて
星を喰う
流れ星が
喉に支える
腹の子が
早く出せと
騒いでいる
光線が
蒼く
地平を染めて
物事は起こり
終わり続けている
あー
....
その犬は腹に包帯を巻かれていた
包帯は彼の血とその他の体液で汚れていた
犬は包帯の下で傷口が開いているのが想像出来た
朝と言わず日中と言わず夜と言わず
犬は街中を街の周辺をひたすら歩き回っ ....
夜
長女からいきなり言われた。
「お父さん恋愛相談にのってくれない」
私は吃驚してしまった。
彼女はもうすぐ三十歳になる。
「それは難しいかな」
私はそう答えてしまった。
「どうして ....
百よりも承知で
まちがいをした
星や花やきれいな色を
片端から万引き
雛の初恋も
水際の目配せも
みんな無理に抱きつぶした
夜よりも深い穴を開いて
世界からはなにも盗めないと
....
梶原一騎の
相当なファンで
尊敬する人と訊かれれば
梶原一騎です!と堂々と
答えていた中学時代
編集者の片腕折ろうが
それは変わらなかった
一番好きなのは
タイガーマスク
飛 ....
ぽつりぽつりと
降り出した
雨粒のような哀しみ
傘が無いので
避けようもなく
手を翳しても
隙間を抜けて
私をめがけて落ちて来る
それは
とても小さな粒だけど
胸に ....
白い部屋に横たわり
独り時が過ぎるのを
さっきからずっと眺めている
)右足の親指が急につり
)反り返ったまま動かない
無音無言の部屋のなか
時は流砂のように流れていき
私が上げる ....
前を見れば誰かの背中
後方からは抜き去ろうとする者の足音
周りを意識し過ぎれば
自ずからデスレースを走ることになるだろう
胸の中ににぶら下がった心臓は
おまえだけのストップウォッチ
....
絵本に入るように
嘘をついた
幸せな嘘
私は善い人間で
悪い人は出てこない
みんなが幸せで
涙の味を誰も知らない
だめなひと
いとしい
すまなそうにうつむいて
小さく笑う
もういいから
だめでいいから
わかってるから
そんなに小さくなるな
泣きたくなる ....
夏の終わり
暑さだけ残して
太陽が少しずつ
遠くなる
街の中で
暑い暑いと言いながら
人のいなくなった海の面影が
頭の中でしまわれる
毎年同じ
何か忘れ物をしたよ ....
嘘が嫌いなあなたに
真っ暗な夜景
沈まない月とまだ昇らない陽
狭間の時間であなたに染まる
耳から染みて
遠く心臓まで
ひたひたと音のする様な
それは足音・笑い声・瞳
全てはあな ....
すべてのものに歴史が有り
呼応しあって一編の詩を編む
すべてのひとに歴史と生命誌がありときには
愛情の経歴書を携えて空に放たれる
すべての空虚に名前はない
風や雲や雨のようにあかるい ....
光溢れる夏の午後
庭の梅の木が微かに揺れて
三才の僕はその瞬間、
〈じぶんは自分なのだ〉と不意に気付いた
なにものにも替えられ得ない〃この私という存在〃
その認識が僕を稲妻のように打ったのだ ....
頭ばかり大きくなって
光を通れなくなった森の中
迷っても前へ進むつもり
最後の日が来るまでは
花びらで指を切り
その血で蘇る
思い出が膨らんで
誰にも止められない
心臓は忙しく
歯車 ....
朽ちた葉を踏むと
乾いた音がする
傍らに歩くむすこが
聞いて、と
教えてくれる
朽ちた葉を踏むと
風の音がする
今まで気にしなかっただけの
あまりに満ちあふれた
音がする ....
たくさん詩を書いて
たくさん詩を消した
推敲などろくにせず
縋るように投稿した
作品と呼べるものなどなく
とても人様にお届けできるものではなかった
それでも悪くないねと誰かが言ってくれると ....
朝の空気に
ほのかに香る
ひときわ白い花
その淵に佇んでいると
葉の茂み深くから
あの 蜘蛛の糸 の話
耳をすましていると
一本の竿が近づき
上からお釈迦様のことば
「悪いこ ....
ノイズキャンセリングで外耳が荒れる
別に文句は言わないけど 僕は規格に合わない劣等民
そこまで自虐はしないけど
うるさいものもないのに 外音を消したがる
音質などしらないけど ....
その月三度目の土曜、部屋の南側にある薄っぺらい窓の下の壁に、血で書かれた詩があるのを見つけた、そんなものを書いた記憶はなかった、けれどそれは、自分自身が書いたとしか思えないものだった、袖をまくり、 ....
{引用=コオロギ
ぼくという
幼子がいなくなっても
コオロギたち
しばらくは まだ
地球に
いるのですか
音たち
しずかと思われても
時計 ....
121
で、あなたはどうして
あなたの存在を否定しているのですか
私は信じています
122
あの人の心の隙間に繋がりたがって
ゆうなんぎいのいとの
そよとばかりに
....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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