じっと海中を見つめ
掴み上げるその指先から
海があふれ
魚が泳いでいく
じっと海中を見つめ
掴みかかるその魚の輪郭に
無数の影が拡がる
走っていく
指先が輪郭に触れ ....
タピオカは新型コロナウィルスを憎んでいる
店主はもっと憎んでいる
険悪な雰囲気にミルクティーがお茶を濁すも
カップには汗が滴っている
東京から西へ1000キロ
夜の雨で桜は冷たい
すぐ ....
春ひと回り ぐおんぐおんと胸に降りて来る
きっと世界中の人がいなくなって
私 一人ぼっちになったとしても
四季の小枝から息吹を唸らせて 生きていける
群青から降りて来た 淡 ....
本能だけで生きている
あられもない自分のこと以外知る由もない
けれど真ん中に込み上げる淋しさについて
幾度も躓く
単細胞は一つであるということ以外何も持たない
【自分でいる、自分がある! ....
そういえば
五つのころ
映画館の向かいの
お好み焼きが食べられなかった
大きすぎて
そういえば
五つのころ
デパート屋上の
ひーろーショーで
おお泣きしてしまいました
....
春雨が降る水曜日の午後、
刻まれた皺につうぅと雨滴が走り
男はしゃがれた声で
さようなら と言った。
こぬか こぬか
かぞえられぬ あめ
霧と 外套と 手土産と
目の やり場の 無い いらだち
無限など 永遠など
言葉に 化かしてみても
俺も 焼かれ 灰にされる
....
椿の葉に隠れて
雨宿りしてる小鳥たち
空が綺麗になるのを待っている
雨が街を洗濯する
手の届かないところを
綺麗にしてくれる
空を洗って
電信柱を洗って
屋根を洗って
山の木 ....
静かな春の森
やわらかな光
風と踊る花たち
森に満ちる日差しが
海のように揺り籠のように
眠る妖精をつつむ
夢を見てるのね遠い春の夢を
閉じた瞳から閉じた唇から
やさしい記憶が ....
声にならない声と
涙にならない震えを
背中から大丈夫だよと言う
喧嘩の言葉と笑い声が
行ったり来たりしながら
やがて去っていく
公園の芝生は
訪れる人々の声を
すべてうけとめる ....
ご承知の通り
プラズマンの必殺技は
プラズマクラスターだが
シャープとは違い
三密では
効果が発揮出来ないところを
悪の組織
デスコロナに突かれ
逆にクラスターを
発生させてしまった ....
雨の音
しとしと
ぽつぽつ
少しだけ
落ち込んでいた心が浮き上がる
雨の音
しとしと
ぽつぽつ
今だけは
あなたに心をあげる
雨が
木の幹を濡らしていく
緑の木立は微かに揺れて
時の狭間に佇んでいる
この四月馬鹿の一日に
優しく優しく照り映えながら
雨は
間断なく降り続け
やがて
街を静かに濡らしていく ....
《なんてこたあ ないんだよ》
翼をたたんだカラスがうそぶく
電柱の上に ぽつつりとまつて
さうやつて 世の中をみおろしてさ
ほら ちよいと
武蔵の絵みたいな
構図ぢやな ....
魔法をかけたのはあなた
とかないのがわたし
繋いだ両手を離しても
鎖を引くように走るから
僕はひとりにはならなかった
何かを背負った人の宿命が
頬に当たる風で産毛を洗い
色褪せる前に揺れていて
君の存在が過去になるくらい
地平線を ....
季節がみんなを わたしを
いつものように喜ばせ始めているときに
こんなに
この空気が みんなをわたしを
脅かしにきているなんて
春の匂いを嗅ぐ度
どうにも
こうにも
わからなく ....
何を書けばいいのかわからなくなった後に
語り出すのはどんなことだろう
わたしは 自分に素直になる
YouTubeの検索履歴
いつもならスワイプしてしまう Twitterのタイムライン
い ....
空が騒がしい午後
肌で感じる空気が重い
空だって泣きたい時はある
道路に水滴の跡が見えた時
頭のてっぺんで感じる空の悲しみ
この世の悲しみをすべて感じられ ....
どうだっていい奴が死んでいく
どうでもよくない奴も死んでいく
もうどうだっていいよね、って
つぶやくそばから次々と死んでいく
世界は
どうだっていいものであふれていているから
....
休日なので買い物に出かけると
あちこちで春の賑わいと花が咲いている
なんだか笑ってしまうけど
日差しは暖かく風はまだ少し冷たい
東京は雪だという
テレビをつければコロナウ ....
帰り道
キラキラと
きれいな
灯りに
誘われて
扉を開けたら
おねえちゃん
「ヨクキタアルネ」と
おねえちゃん
ニコニコ笑顔の
おにいちゃん
コロ、コロ、コロ、コロ
コロコロナ ....
ミミズさんがね
僕をくすぐって
もう起きてもいいよって
暖かくて優しい
お母さんのような
土に抱かれていたんだ
ほら並んだ僕達を見てよ
向こうの一番背が高いのは
早起きの妖精さ ....
いつからだろう
勿忘草が庭に溢れて
目を閉じれば
目蓋に咲く
いつからだろう
冬と春のあいだに
優しい感謝が
よこたわる
忘れないで
忘れないよ
白い息が刺繍糸のように
....
陽は西の国へ帰る
月が別れを惜しんで
黄昏に手を振る
静かな夜の夢が
凍ったように綺麗な
妖精の池に
浮かんでは消えて
遠い日の高い空を
二人で指さした
あの笑い声が
水面を揺らし ....
無理して
硬いものから
尖ったものまで
皿にあるすべてを
のみこんでいた
ある時
喉を通らなくなった
我慢をやめよう
選ぶこと忘れている
いったい何を欲しいのか
勇気を奮い立た ....
外へ 外へと
言葉が拡散してゆくとき
内へ 内へと
深く問うものがある
あの日の歌が回遊してくる
おなじ言葉に
あらたな意味を帯びて
今はただ
あらゆる方向を指し示す
矢印た ....
今年は桜前線、
という言葉をあまり聞かない。
桜の散るころには、
すべてが終わってしまっているのだろう。
そんなことをなんとなく感じながら、
世の中すべてのことが厭わしくなってしまって ....
目を覚ますと同時に
空気にふたつの穴を開ける
昨日の続きとはまた違う
宝物を見つけた気分で
世界を僕の顔に引き寄せる
例えようもないものほど
簡単なマフラーで巻いて
たまに落ちて来る煩 ....
いい加減迷信が疎ましくなった当たりからか、お腹に切り傷が開いてあって、両端のないミミズが絶え間なくこぼれていくのがわかった。このしようのない破れ目の為に僕は縫い針か、全く反対によく切れるナイフさえ手中 ....
663 664 665 666 667 668 669 670 671 672 673 674 675 676 677 678 679 680 681 682 683 684 685 686 687 688 689 690 691 692 693 694 695 696 697 698 699 700 701 702 703
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
2.8sec.