ここにひと{ルビ欠片=かけら}の記憶が落ちていた
天候にもよるが
ふいにキラキラとうつくしく光りだすから
この一片には
よほどの幸せとそれに彩られた日々があるにちがいない
と思われた ....
拡大する意識に
思考が浮遊し始める
感情の奥底に根を張りながら
わたしは別にあなたでもよかった
あなたがわたしのうちに体験されてから
あなたは別にわたしでもよかった
わたしがあなた ....
法則
{引用=山で
イノシシとリスが
談笑している
団栗と
木の実は
こっそりと交換される}
航海
{引用=海は平面を
船乗りに諭しつづける
地球の丸み ....
日暮れ前
誰も彼もが瞑り合掌し
高く掲げた花
賜りものか捧げものか
《2020年7月26日》
今日も僕は詩を書く
抱えているイタミを
癒すために
詩を書くということは
祈ることと似ている
読んだ人が
少しだけでも
元気になればいいと
読んだ人が
少しだけでも
勇気を ....
春はあけぼの
夏は夜
と謳った人が昔居るけれど
確かに
そうやって
自分の好きなものを
実際に
真剣に
数え ....
この部屋にも窓はある
背丈より少し高い壁にひとつ
開けるとカラカラと風
視界の遥か上を通過する
気持ちいいでしょ と声が聞こえ
ると 口、
涎が落ち、水脈になり、
萎れた花に
手が伸び ....
誰も家にいない
ファンタグレープを一人で飲む
日記なんて書かない
太陽
汚れたレースのカーテン
台所の床で裸
扇風機
団地の正午
その子は、誰も想 ....
振り返ると 脚本家は匂い無しのセリフ並べ
うわの空で現実を見る 格好だけする
ほくろの白い 白狐 稲荷のしたたかさ
楽になる秘訣 何もしないこと
戸籍上ケセラセラは 松尾芭蕉だったか ....
thé
aîrli
këb
lànke
twê
weärŝ
weä
tmoàn
sìn
acloŝ
édr
öömwé
ä ....
「隊長、彼の処分は?」
「ウルトラだ」
「解りました」
「諸星くん、キミの処分が決まった」
「そうですか」
「ウルトラだ、地球に行ってくれ」
「そんな!」
「体力勝負のところだ、しか ....
一生使いきれないくらい
お金を持ったら
値段のあるものすべてが
無料に見えるんだろうな
一生使いきれないくらい
お金を持ったら
値段のないものすべてが
有料に見えるんだろうな
....
夜中に大声張り上げて
叫びそうになる
それこそまさに人の遠吠え
ブンブン回したくなるような
俺の雄叫び
何処までも飛んでいけ
男は
男って生き物は
始末が悪いぜ
股間に重 ....
ぶっこわれたたなごころ
ぶっこわれたたなごころ
荒くれ者の堕天使と
ふにくをくらうバクの群れ
ぶっこわれたいちじくの
ぶっこわれたがための
処女懐胎
赤く爛れたぐじゅぐじゅの ....
水たまりだらけのいちにちを
病院のベッドから眺めている
何冊めかの本をてにとり
2日めも暮れなずんでゆく
痙攣していたてあしが痛みから解放され
滞っていたからだの中の運河がなが ....
{引用=首}
なだらかな午後
ただそれ自体の円みと感性で
転がって
吸血する問いとなり
落下する 分裂の暗い谷へ
隠匿されていた
真っ赤な夜が溢れても
目交いすらなく
過る夜鷹に ....
一日にふたつ詩をスマホに打ち込んでネットに投稿しても
何も変わらない
何も起こらない
何もスタートしない
この寂しさ
この空しさ
このやりきれなさ
は
嵩ましをするばかりだ
....
答えにたどり着く気がして
川沿いをひたすら歩く
午後九時
一瞬雲の切れ間に輝いた二等星
願うことから始まる絶望が
いつでもおいでと笑っている
仲間は裏切者だった
でもそれでいいじ ....
テレワークをやりながら
30年前働き始めた頃のことを思う
そう言えば
パソコンが一人一台はおろか
部署に数台しかなくて
報告書も図面も
鉛筆ナメナメ(嘘、シャーペン)
手書きでやって ....
あいのうたをうたおうだなんて、馬鹿なヤツら
真っ白なカミを見て 目を閉じてから、カッコウでも鳴いてくれ
定型文、
指で摘んでさ、ほっぺた 抓っちまいな
夢であれば 居たく 無いだろう
砂漠の ....
現実的になれば
絶望がまた
首をもたげてくるけど
時には
享楽に耽る自分を
許したり
時には
娯楽に興じて自分を
宥めたりしながら
ここまでやってきた
頼りないとか
いい加減だと ....
夢の中の家から
神田神保町への通路があったなら もちろんあるわけもないけれど
毎日サブカル系の書店にゆくだろうな 1970年代のSFマガジンが1冊200円だった
渋谷道玄坂百軒店のSAV ....
何だか辺りの空気に魚の腐敗した匂いがする。
私の気のせいかもしれないが、身体中の毛穴から茸が生えて来そうな気分だ。
じめついている
全ては雨のせいだ
この国の雨季を象徴している雨だ
....
ふたたび
夏への自由が
窓辺で翼をひろげはじめた
欲しいのは何
疾走感
浮遊感
誘われ
委ねゆこう
痛みの暗い罅を
抱いたままでも
夏への自由が
窓辺で白 ....
何もかも全然なっていないなと思う
みんな自分よりずっと立派にやっているよ
ぼくが彼らの何を知っているというのか
彼らの生活と考えと家庭事情の何を知っているというのか
ぼくは本当にこのま ....
憧れは遥か遠く、朝霞の中、船はゆくよ。
島国のはずれ、それともよその国。
いろはに数えた八つの島。
沖のかもめは歌うだろ。
あの島目指せと歌うだろ。
なんでそんなに悲しげ ....
祭りの日の夜、賑わいの中で浴衣が揺れている。
蒸し風呂の中での会話のように言葉はくぐもり、
汗は流れ、肉体は肉体の中で直立している。
虚しさは寂しさを無限に超越してゆく。
男 ....
たよりは
いちまいの
いかだ
もじがながれていく
いちまいの
はがながれて
いく
ことばのかわ
りはなく
ながされて
よりそうは
かのように
いかだのうえ
....
梅雨は終わり
夏がやってきた
海開きの日
夏本番がきたことを表して
陽射しを強く感じる
静かだった砂浜
賑やかになり楽しそう
この日を待っていた
海の家は
夏にしかない
....
夢の中で、
歌うことも笑うことも靴を履くことも忘れる。
夢の後で、
体の中に風が吹いているのを感じる。
窓の外、
静かな空に煙をくゆらす。
振り返ると、
空っぽの住処。
....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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