濡れたアスファルト、
黒光りしながら
ゆらゆら揺れ
今日は雨、
胸奥が
酷く切なく軋み
遠い記憶の余韻が響きます
*
あれは小学二年のこと
休み時間の騎馬戦で
後頭部を切 ....
怒りより大きな声で否定され
なすすべもなく下を向く
地面に穴がひらくのを
夢みるように待っている
罪が同じだと歓びも同じなのかな
酔っ払ってもひとり月見上げ
翼の折れたカラ ....
充溢していた時とは
自分が消えてなくっているとき
思えば大体そんなものだった
そんな風に出来上がった世界に
生まれて生きていつか死んでいく
そのことに絶対的な反感を持ってもいいですか
....
黄色く禍々しい風が吹き荒び
声も歌も奪っていった
蜜も繋がりも消え失せた
外を歩くときは全ての感覚器を布で覆わねばならなかった
そんな中、ある者達は動画や写真をネットに晒し
いいねを ....
生活費を入れてくれないのはざらで
生きるために必死に貯めたお金を使っては
その場しのぎをしてきた過去
今でもその癖が抜けなくて
最低限のものしか買わない、買えない
経済を回すのはお金持ちの仕 ....
降りやまない雨の朝
喘息の咳で目が覚める
珍しいことではないけれど
ひゅーひゅーという呼吸音が
息苦しさを物語る
空しく酸素を求めてあえいでは
金魚みたいだと自嘲する
大人になれば自 ....
天下国家を語っている女の部屋(ごみ屋敷)
とかいうことになっていませんか
新しい言葉どんどん増えてくの
楽しいね
楽しいかい
そして誰もわからない
メタ言語はさらに ....
夏は遥か彼方に消えて
砂浜は落ち着いた風が吹く
そう言えばと
思い出したように話し出す
波音が消えたかのように静か
あなたは思い出話をする
ゆっくり愛が深まった
秋から冬へ向 ....
頭でしか書けない詩人と
やたら命を叫ぶ詩人とが
一緒に荒野に佇んで
灰色に濁った空を見上げても
世界は何も変らない
世界は何も変らない
世界は何も変らない
世界は何も変らない
....
猫は嘘を知らない
犬だって知らない
なぜならば
彼らには物語がないから
あるがままよりももっと狭く小さい
生きていく大切さだけを知っている
そのことが美しい
けれど悲しい
彼ら ....
君は言う
私はそれ、嫌いです
爪の中で土の粒が膨らんでくる
十日前に切ったあと
爪があるなんて忘れてた
なんか言った?
なにか聞こえたような気がした
目の前にいる人は
僕になん ....
風が吹いた
風の音
どうして聞こえるのだろう
声がした
雨
誰かが泣いているのか
物語は生み出され
事象は表され
そして言葉は過ぎるもの
どうして物語はこんなにも長くなってし ....
学校嫌いの子供達の集合思念は小さな渦を作ることがある
生まれては消え消えては生まれるその渦は、ちょっとしたはずみに寄り集まって一つの大きな渦となる
子供達の思いが強いほど、渦の中心気圧は下 ....
風にたむろした 光を
手掴みしたら 雪になる
今年の正月は 暮れやすかった
そんな 冬でした
秋が落とした 請求書は
来春払えたら と傷口へ手紙します
離散したのです
笑 ....
遠くで鐘が鳴っている
ひんやり切ない秋の日に
何処までも高い青空に
追いかけても追いかけても
決して追いつけないあの場所で
(金木犀の花が軌道を舞い
秋の大気が生まれるところ)
....
病と闘うあなたが
病院の廊下を歩き
自らの動悸が乱れた時
どんな思いが過ぎったろう?
お母さんが見舞いに訪れ
病室を去った後
頬に涙の伝うあなたは
窓外の青い空をみつめ、呟いた
....
夢でしか会えないひとが
夢の中でいつもの場所にいて
そこであたりまえのように
暮らしていた
秋の夜の眠り際に
夢であることを知ってしまった
浮腫んだ面で地べた這いずり
頭から水をブッ被る
野良犬の要領で水分を振り飛ばし
苦しい顔に化粧水をまぶす
やり場の無い暴力を散ずるために
善人のふりした土方をしばく
従順なふりしたモー ....
自分の根っこを見つめる
すべての人間への憎悪なのか
すべての人間への深い愛なのか
それらはとても似ている
そういう考えは空想家のすること
憎み愛するのが人間だ
現実家は迷いながら仕方なく生 ....
一番愚かなことは
放課後の中で学んだ
一番美しいもののことは
禁忌の中で学んだ
一番罪深いものは
日常に転がっていた
一番悲しいものは
自室の本棚で震えていた
引戸の滑りが駄目にな ....
奇麗に格好良く
誰からも好かれて生きて過ごせたら
最高かな?
でもそれってかなり贅沢
じゃないかな
贅沢の極みかも
身なり身だしなみ
言葉使い
吐く息はいつも爽やかに
颯爽と行動 ....
台風の熱波が収まって
扇風機を押し入れに
仕舞い込み
エアコンに
カバーをかけて
ガスストーブを
セットする
なんて面倒なんだろう
夏の終わりの大仕事
一度下 ....
時々、
頭の中のどこかを
交換してもらいたくなる
人格などいらない
フォーマットされていい
ぼくはあんまり、惨めだ、
吐瀉物に
綺麗な薔薇が咲きそうだ
自分由来の
不幸ばかり ....
あー、おじいちゃんだめだめ
立ったら危ないよ
転けて骨折れたら大変!
あー、おばあちゃんだめだめ
お餅食べたら危ないよ
喉に詰めたら息できない!
あー、おじいちゃんだめだめ ....
「マルヤマさん」
分際をしると、少しだけ銀河が親しげな顔をするけれど
帳簿を間違えたら、マルヤマさんの不幸が大幅に緩和された。
「耳たぶの裏」
一つか二つ隠し事をしたい。で ....
お釈迦様の弟子
おびんずるさんは
体の悪いところを撫でると
治してくれるという
寺の外陣へ
人々が押し寄せ触ってゆく
老いた仏像の
頭は光り
肩は丸くなり
袈裟は擦れても
坐っ ....
ぼくたちには
かたちのちがう
セイゴ
、が
ある。
ふつうに およぐには
とても ふつごうな
トゲだ。
なぜ
こんな
ややこしいものが
うまれたときから
あ ....
痛みを持たない笑顔から
毒も疫病もない広場へと
脈打つ雫が落ちて来て
紙の上には無い言葉を晒す
今は誰からも忘れ去られた
早死にの国から群れは来て
陽に焼けた影の落 ....
寒い、寒い
冬は嫌いだ
暑い、暑い
夏は好きだ
季節は廻って終わりがない
人の命は限られている
命の躍動
死の静寂
廻る季節を越えていく
いつか地球が自転をやめて
命が絶えるそ ....
悲しみも苦しみも
気がついてみれば
ほとんど無くしてしまい
乾いた砂漠に
一人つくねんと
立っている男にすぎない
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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