紙飛行機じゃ重そうだから、かみひこーきを飛ばそう。
ひらがなを覚えた頃の、あの、とてつもなく軽い心で。
山寺の宵
庭と向き合い
和尚とふたり並んで
座禅を組む
拍子木が鳴る
鎮まり返った境内
前方の山が霞んでいき
ひっそりと夜の帳が下りる
庭風がなで
蚊が飛んでくる
一匹目 ....
部屋
職場
部屋
職場
部屋
職場
部屋
職場
部屋
職場
部屋
買い出し
部屋
職場
部屋
…
終わったテレビが砂嵐になっても
続いている物語
今日ごはんを噛みました
敗北者の味がしました
必要なのは
それでいいと言ってくれるひと
それとも
それ ....
ひょっ
ひょっと
くいっくいっ
ひょっ
ひょっと
くいっくいっ
縁を歩いている
縁と言っても樽の縁であり
樽と言ってもただの樽ではない
縁の幅は一尺ほどもあろうか
それ ....
十月の夜の空
星が見えない
昼間なら何の拘りなく空を見上げられるのに
夜になるとそれが出来ない
怖くなってしまうのだ
未確認飛行物体の放つ強烈な光にうたれ
そのまま自分の存在が ....
さよならの船出を、彼女は待っていた。
美しく水がゆれるなら、心はにごって、
晴れることなく気もちは空とつながってゆく……
ただ、さよならの船出だけを。
そうね。ため息がひとつこぼれても、 ....
やすらかな、静けさと麗しさのかたよりのなかで、
彼はそっと目をしばたいたの。
そうして楽器を叩く。
若い彼は楽器をたたく。
塔のそとでは風がながれ、
落ち葉をはこんでゆく。
湖にしず ....
僕たちはどこまでもすれ違い憎みあう存在さ。
秋桜があんなに純粋なのは、きみのせいかい?
難しい学問やあらゆる教養が退屈を紛らわせるもの似すぎないのはしってる。
....
薄暗い
漠然と広がった
空間のなか
台形の
ノッペリとした
大人の背丈半分程の
鉛色の工作機械が
等間隔で何台も
一列に並べられている
大きな金属音があちこちから
互いに呼応す ....
今の私はネガティブで
未来のことなど描けない
ポケットにナイフを忍ばせて
自分の喉をかき切る覚悟
骨を拾って欲しいとも思わない
この世にさよならしたいだけ
命あるもの生きようとする
....
怒鳴られるくらいなら
死んだ方がマシだと
余裕のない思考が支配する
恐ろしくて足がすくむほど
彼のことが怖い
死んでしまえば
もう怒鳴られない
もう怒られない
極端な思考が支配する ....
長い旅路を運転するとき
車内でハードロックを鳴らす
音楽が傷を負うその瞬間に
ハンドルの中心がわずかにぶれる
音楽が上昇を始めるその速度で
車輪は倦むことなく道路を蹴り続ける
ハードロック ....
電話の音がしている
誰にも取られない電話の音が
留守電にもならないで
コードも抜かれないで
ただ伝播するものを拾っては鳴いて
何処かのくじらのように
きっと君はいつだって化石になれたん ....
「地面にぽっかりと」
地面にぽっかり穴が空く
空がおちてきて穴に吸い込まれてしまう
緑色のなだらかな傾斜を目で歩く
すると 山麓は蒸発してしまう
自由と自分と詩魂と
それは
....
互いに響き合う言霊が
空洞に満ち
虚空へ光を放つ
生きていることで
続いていくのだ
終わらないループ
終わらない物語たち
こころが言葉を昇華する
そして言葉がこころへ昇華する
そのな ....
長い夢を見ていたようだ
白い陽が
ハイウェイの彼方へ落ちてゆく
言葉がひとつ ふたつ
淡く発されては消えてゆく
別離の色彩が
こんなにも静かでやさしいことに
少しとまどいながら
....
言葉は溶けて風の中
吹き荒れる嵐にかき消され
誰の元にも届かない
溶けた言葉を拾い集めて
意味ある言葉にしようとしても
それは、無駄な努力というもので
時間だけが無慈悲に過ぎる
何も伝わ ....
私には
過去の記録と記憶を自由に塗り変えて
新たなストリーを嵌め込み
捏造してしまう癖がある
私は1955年2月17日に生年月日が設定されていた
これについて私は納得していない
なぜな ....
今度、年金が入ったら
自転車を買うつもりだ
レイチェルというメーカの
26インチのマウンテンバイクが
ずっと前から欲しかった
今、働いていないので
運動不足だから
....
「かけない手紙を」
かけない手紙を
くもにしたためたい
くもはながれながれてあの街へ
読めない本で
眠りたい
夢見の国はほろんで咲いて
さみしい人と
さかなになりたい
海 ....
働かなくてもいい
そう思うと
安堵する自分がいる
人に迷惑をかけない為には
完全に仕事を休まないようにするしかない
でも今の自分にはそれが出来ない
人間の集合想念に背中を突かれて
膝を折 ....
生きながらえた最新の俺はとてもやさしい
包まずに捨てたはずのガムが
靴の裏で俺と一体になった
グリーンデイを聴き流すように青春は
十代の特権ではないと
プラスチックケースに入った亡霊
明日 ....
落ちる白壁、この真夜中
沈黙の充満、物という物
剥き出しに在り
全てが均一に在るという
無機の死の奈落
無言の虚無の生々しい告知
そうして俺はこの胸に広がりゆく空洞を抱え
物質と ....
東の空に陽が昇り
小鳥が鳴き騒ぐという
小さな物語を知ったとき
「鳥の朝」という意味が生まれ……
中天に陽があって
猫が居眠りをするいう
呑気な物語を知ったとき
「眠る猫」という意味 ....
今宵も煩い、阿呆の集団は
炭酸で誤魔化すゴミ箱です。
飲めない砂糖、嗅いだんだ?
そう、繰り返す君は細々と階段下り。
それはブドウ糖の味しかしないだろう?
と噛んでるそれは薬ではないかね ....
ラジオの音は好きな音楽よりも投げやりでよくて
だからラジオの中で眠ることにしてる
住んだことのない場所の局がいい
まるで想像出来ない道の交通情報を聞いて
馬鹿じゃねえかとひとりで笑ってる
ね ....
一筆書きのように
書いてみようポエム
入力し始めてすぐに
行きつ戻りつポエム
削除・修正・改行
勢いで書いてみても
落ち着かないな
上手い完成を願う心は
できるだけ完璧を祈 ....
{引用=ネズミ}
ネズミが死んでいる
毛並みもきれいなまま
麻酔が効いたかのように横たわり
玄関先のコンクリートの上
雨に濡れて隠すものもない
死んだネズミは可愛らしく
人に害など決して ....
「課長、ここはもう」
「いや、スジを通せ
ここで曲げたら
お前の口元は
ずっと曲がったままだぞ」
「でも、リスクが高いと思います」
「明日に架けるスジだ
明日に向かってスジれ ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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