ひとつかいがらが埋葬されています
母のように、いつか凪ぐために
――このみちが海の底で、あることを問う
ときの鼓動を聴いて
その場限りの感嘆が ひゅるとつきぬ ....
夥しい死体が積まれた
薬局の自動ドア
まだ自動の部分は生きているらしい
ムカつく気分がいくらかマシになる
生きてない程度で偉そうな顔すんじゃねえ
動いてるだけでも気休めになる
お互いに ....
ティンカーベル。ノーフューチャー。
もっともっとルーザー。
800ボルトの戒厳令。町は空っぽ。
怒涛をもたらす真夜中の。真夜中の。
真夜中のノーフューチャー。
ティンカーベル。死刑サ ....
町の図書館で本を借りた
七月十四日が返却期日で
「ありがとうございます。」と
職員の人は言った
清潔な紺のブラウス
白いエプロンの若い女性に
お礼を言うのは
ただで本を借りた僕の方だろう ....
空は灰色、
街行く私の背は屈み
あてどなくさ迷いながら
灰色空から雨、ポツリ
ポツリポツリと降って来て
視界はかすみ歩は鈍り
(今ごろ森では紫陽花の
青白く光る群落が
ゆらんゆらん ....
赤い空の下で
燃えたのは何だろう
触れたくても
触れられずにいた
夢の腫れ上がったものが
夕陽なんだと思う
心臓が外側に付いたみたいに
坂道ができるわけじゃないし
こんな目 ....
自分の住んでいる街の全てを
知っているわけではない
街歩きして
良い店に出逢ったり
懐かしい同級生に逢ったり
懐かしさばかり
目につくけれど
街は年々変化している
新たな発 ....
兎角
私の発声には混濁が付き物だった
息を吸って吐いて
脳みその奥深くをぐるぐるとかき混ぜる作業だった
マスクをした状態で
咳やくしゃみをした時の
飛沫が飛ぶ様子を
特殊なカメラで ....
括れはなめらかにうねりながら喘いでいる
双丘が白く輝きながらゆるやかなスロープをのぼりつめ かすかな声をもらして 一瞬 プラチナ色に燃えあがったあと 潮がひくようにゆっくりと荒い息づいがきえてゆ ....
理性的に生きている人なんて
地球上にはいない
自分とおなじように
欲望は果てしなく
ひたすら楽観的な野蛮人ばかり
小さな液晶のまどから
ひっきりなしに
逃避アルゴリズムを
見つけ出 ....
凜
手袋
吐く息
オリオン座
過去形の歩き方で温い無音の影になって朝を待っている。
きみが手を振ったら発光するみたいに約束を喉に沈めた春、表に出さない感情を分かり合わない、脆く引き摺るわたしの曇った声を憶えている。
....
詩を書いていた午後は
遠い街に出かけた そして
絵を描いていた 午後は
でも 朝の景色を抱きしめながら
カフェでコーヒーを飲んでいたのだ
否定していた でも 何もすることもなかった朝は
か ....
何処かの公衆トイレで誰かの悲鳴が聞こえても
即座に立ち上がりその悲鳴の方角に駆け出せるほど
科学は万能じゃなくて
わたしはナイーブでもないんだ
情報は火炎放射機で焼き払え
地球は宇宙で転 ....
空を見ろ!
鳥か、飛行機か
いや、スーパーボランティアの
おじいちゃんだ!
彼なら行方不明者を
朝ふらっと探しに行って
あっさり見つけて
戻って来るに違いないぞ!
やったあ!みんな喜べ ....
吐き出されたノイズ
掃き出されるノイズ
不要論
段ボールに分けるのは
君の仕事
社会に毒を零す
世界に波は立たぬ
憎しみをマイクに
閉塞空間とイヤホン
君の世界
浮上するの ....
最初は真面目にインターネットサーフィン始めたのにさ
いつの間にかアダルトサイトに夢中になっている
男とオンナのアレするところ動画で見たくなって
ひとりよがりの世界で果てる
一人前の男だった ....
正々堂々
正面突破
敗
乾杯
建前と本音の分裂がこの奇妙な矛盾を生んだ
建前は対外重視の屈従外交に殉ずる
本音は俺らすげ~の示威行為に耽る
実際に凄ければいいのだが
凄くないんだ~
が、凄いのは僕個人であった
....
宿題、テスト勉強、模試対策・・・
一つ一つがつながっているようで
一つ一つが断絶しているようで
何を言っても
時は待ってくれる気配などなく
誰に嘆いても
最後には自分で背負うしかな ....
笹の葉そよぐ天の川
雨はなまじろい未練を透き写し
パクチー乗っけた汁ビーフンに
そぼ降る孤独を吹き流し
野良猫たちは
星を待ってわらわら揺れる
残り汁に冷や飯をぶち込んだら
締め ....
どんな景色が好み?
オレなら
キミが望む所に
連れて行けるよ
星明かりの草原でも
花咲き誇る丘でも
どこへだって
連れて行けるよ
昼下がり
いつもの場所
いつもの時間で
....
みっつのぼくは
へりぽくたーにのって
みなみのしまにいったよ
そこは
サラマンダーのおともだちが
したをぺろぺろしてあるいてて
おとなたちはみんな
はにわのようなめをしてるから
....
少年と少女
青年と恋人
おじちゃんとおばちゃん
今
世界のいたる場所から聴こえる
くちづけの音に
....
そこから見れば
快晴にしか見えないのだろうが
ここから見れば
ひとしきり土砂降りのような悪夢
手渡しておくべきだった
吹き荒れる直後の懺悔も
ほどなく形式的な表層に漂着
代案 ....
まがいものの愛かこれは
それでもいいや
ちょうだい
それだけでも
十分足しになる
空腹な僕は
なんでもがっついて
ホント
品がないにも
ほどがある
だけど
どこの誰に何を ....
美貌
ナイスバディ
表情
幾ら?
あなたを愛した瞬間に
なにかが変わる
音がした
淀みやしない想い抱き
眠れぬ夜を
愛のせいにして
このまま私を離さずに
一秒たりとも
全てのドアを開け放して
あなたが ....
舟を漕いで
午後に漂おう
夏の光が
足の指先に
届くほんの少し前
レースのカーテンが
時間を揺らすよ
忘れたものは
何かしら
思い出した声は
誰かしら
大切な ....
悲しいことしか思い出さないとか
馬鹿じゃね?
腐り始めた頭を軽くポンと叩いて
心地よい絵ハガキを
懐から取り出す
灯台が見える入り江で
水兵が煙草を吸ってる
女を待っているのか
....
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