桜が大きくなったよ!と笑ってた
花屋の花がこっちを見てと微笑んで
店員は口を糸で引っ張られて笑顔で
ただそれを茫然と視界に入れて
空はただただ衒ってさ
独り、ただただ脚を動かす
他人よ ....
海底99メーターの孤独
エヴェレスト単独登攀の孤独
子供が離れた孤独と
爺ちゃん婆ちゃんのいない孤独
不安に怯えても孤独と融和しようぜ
もう子供じゃないんだから
もし好きなことがあ ....
私の中に降る雨は
永遠に枯れることを覚えず
汚したものは数知れず
許したものは僅かなれど
愛してしまうのだろうか?
私も人となって
愛していくのだろうか?
春の訪れるに任せ
私の足 ....
夜が明けたばかりの街を弔う指先には小さな形而上学が安らいでいる。早朝からキーボードを叩いている私には国道のねじれる音すら聞こえない。しばらくして私は朝の道を歩き始める。そこには散歩の感傷よりもスポーツ ....
{引用=その命を持ち上げた
紙風船の重さ
だった
睦月
午後3時の淡い光
風の休む
駅の
ホームの隅で
ベンチの上
眼を閉じ
空を仰ぐ
翼の両端を胸に
祈る
重ね ....
「少し、お時間をいただけませんか」
そう言って翁は腰を下ろしたまま、見上げている
なにもない時に滑り落りた砂を 固めただけのトンネルに、
置いていかれた心地で。
―― ぽたりと漏らした
....
そこにあったことなどないことを忘れそうに満ちる野花
水底にねをはる陽の匂いをそこねることなく永遠の死を生き続ける置物に
なによりもそこに似合う置き場のない静けさとして
....
一億年後
人がいなくなって
空が青く澄んでいます
ロボットだけの地上になって
考古学者もいないので
地下のことは
また秘密になってしまった
ようです
静かで ....
やわらかな求肥みたいなことばにくるんでみせたって
きみが最悪なことには変わりがないよ
僕のことを思ってるって、
それはきみのことを思っているの間違いだろう
そんな使い古された手をまだ使うの
....
音の滴、斑点となって飛び跳ね
郷愁、遠い深みから到来する
胸掴む憧れ、未知から溢れ出し
遡行する魂、源頭の水流を浴びる
振動する大地 、脈打つ心臓
終わることのない命
終 ....
しんとしたしずけさにつつまれていた
が
ときにゆれうごく
おおきくささえをうしないくずれてしまい
そうになる
かたむき
うつろい
みうしなう
も
いずれはまた
しんとしたしずけさに ....
たゆみない息吹に、おそれの、手のひらを翳せば、ひくひくと、なみうつ水晶の静脈。つづいて、間もなく、青が、光の葬送を連れてやってくる。はいだして来たばかりの、空の、欠片を綴りあわせ、ふたたび、まっさらの ....
野のはな風に
ゆれている
空は空ではぎましょう
消しゴムみたいな風に
ゆれている
うすでの雲となりましょう
ヒキガエル
皮手袋
紺
発光体
1
疑心暗鬼の檻の中に心を放り込みます
心がワンワン叫んでいるのを確認しましょう
2
後悔でたらたら冷や汗をかきましょう
そして後悔が空転するまで永遠に反芻します
3
絶望感で着 ....
森の痛む肋膜は
記憶とともにアンモナイトだ
春をこじらせ
また
すみれ草を踏む
学校から盗んできた椅子は
そして 今も部屋にある
それを自転車にのせて走った日
何も考えていなかった 僕は
元ビルマ
現ミャンマーで
なにごとかが起きている
しかし、ミャンマーと言っても
ミャン坊マー坊天気予報の
ミャンマーディーゼルぐらいしか
思いつかないのだ
だからといって
何も言わない ....
口元から読経がながれる
もの言わず燃えたぎる焼き場にて
圧倒的なあの世が降りてくる
惜別をぶち抜く感情のほとばしり
わなわなと肩が共鳴する後ろ姿
人目を払いのけ崩れ落ちる黒影
命に ....
行くあても無く歩行する
真っ青な夜に靡く草原を
やがて月の照る浜辺に出る
遠く漁り火が燃えていて
忘却された団欒のようだ
月光がつくる海の道が伸び
僕は何処までも歩いていく
....
東日本大震災を
スピルバーグが映画化したら
プライベートライアンの
ノルマンディー上陸作戦みたいに
銃撃戦で脳髄飛び散るみたいにリアルに
描写するだろうから
逃げ遅れて泣き叫びながら
津 ....
冬の終わりに桜が咲くように、ぼくの終わりにもきっと何かがはじまる。
それを見れないことは少し寂しいけれど、未来を見れないから持てた希望や、綺麗と思った世界や、笑えた日があった。
冬が終わって春 ....
かちゃり。
ネジを回す。
ドビュッシーの月の光。
オルゴールを買った時
隣には母が居て
父が運転する車に乗って
鳴らしながら帰っていった
みんな笑っていた
あれから何年も経った ....
語られないのは
はじめての恋
いつかの歌姫
めくるめく夜
ルビーが腫れてく
くちづけだから
ランプも恥じらい
いつしか消える
ルシアン・ベアってお酒をひとくち
痴情のもつれもた ....
長く短い人生、時には誰かを失望させる事も
永遠じゃないって気づいた時から
いつ捨ててもいい筈なのに
山の端を渡る雲みたいな始まり
予感が春一番と一緒に枯れ葉を巻き上げて
窓にコトコト音を ....
レスポンスが大きくても
満たされない承認欲求多々
レスポンスがなくても
満たされる承認欲求多々
時間差でやってくるレスポンス
いつかのどこかの承認欲求が
満たされることもざらに ....
買いにいったんだ
買いたいモノがあったから
買いたくて仕方がなかったから
どうだろう
どうなってんだろう
買いたいものを見た瞬間
それは色褪せ始めていて
それでもやはり買わずには ....
「見せモノじゃない!」
理解できる
共通言語をもっていたとしたら
彼らだって
そう言いたい日があるんじゃないのかな
親子連れやカップルたちの
笑顔を咲かせるために
せっせと一芸を ....
台所で支度をしていたら
アルファベットたちが
まな板の端っこを
ふらふらと歩いてきた
みんな
疲れきっているように見える
あ
誰かが落っこちた
また
落ちた
あ
あ
次から次へ ....
雨
暗
不安
冷
現実?
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