松嶋慶子

「猫は 所詮畜生なんやから」

生前の祖父の口癖
餌は
人間が食べ終わったあとの身一つ残されていない 骨
そして 鍋底にわずかに残された味噌汁 をかけた冷ご飯
鰹節など、ま ....
夕闇の
あの色が好きです
切なさをひとつぶ
いとおしさを一粒
弄んでは
つぶすたびに
広がってゆく葡萄色

甘いあまいのは
街の匂い
あなたとはぐれた
秋の匂い

五 ....
遠くから馬車の音
おと
むかえがくる
くる
電柱のちかくに
わたしは濡れた
    沈黙した
強い雨だ
    わたしは
    わたしの名前を知っていた
だが忘れた
 旅人のよ ....
風が来て
傘を川に遊ばせ
緑の拍手をする



突然の雨に
水鳥さえ流され
夏は終わる



けがれあるものも
なきものも
小さな痛みを呼ぶ



 ....
果てが薄闇にかすむ一本道
日が昇れば
僕は人を殺しに出かけていく

私が売るものは
身体ではなく情報なのよ

凛とした横顔
足首の清々しい青
彼女はコールガール
僕のたった一人の ....
見失ったものを

取り返す

ことはできない




見失う前に

守る方法は

この世には無いから


 ....
人々が漏らす{ルビ溜息=ためいき}で 
街の輪郭が{ルビ歪=ゆが}む土曜日の夜 

場末の Bar の片隅で 
翼の生えたアダムとイブの人形は壁に{ルビ凭=もた}れ 
虚ろな瞳で古時計をみつ ....
入道雲の夏をして
暑い{ルビ思い出=おもいで}した後に
夕焼け空の秋をして
心も揺れる紅葉する

冷たい雪の冬をする
寒い{ルビ思い出=おもいで}する前に
赤いトンボの秋をして
心も揺 ....
あなたが優しく息を吸い
ふい と息の根を止めた時
私は とても幸福でした


流れる雲は川面に映り
青い空を魚は流れる
錯覚しておいで
この手の平の陽に
飛ぶ魚よ 飛ぶ鳥のように
 ....
嵐がきているから
だから今日は傘をもっていってね、と私はいう
ひどくまっとうないいぶん、たぶんね
なのに、あなたはそれも拒む

「嵐じゃあ、傘は何の役にも立たないよ
嵐の日には、嵐にあえば ....
どうあがいても 結局この悪循環から 抜け出すことは できなくて

日々のルーチンワークの合間に 見えない悲鳴を撒き散らすことを
僕はまた 初めてしまう


抜け出す手立てが ゼロなのかと  ....
人は通る事ない道だけど標識があるんだ
錆付いていて何を標しているか分からないが・・・
寧ろ、分かろうともしないままに
僕は進んだ

左右に揺さぶれらながも必死に縋り付く
皮製の手 ....
 茜空が僕達を照らしてる
 きれいなオレンジ色に映るボールを
 投げては受け
 受けては投げ
 
 弟と家の前の路地で
 夜の帳が降りるまで
 キャッチボールをしていた

 やがて味 ....
  

不思議な人が
一億個の不可思議を抱え
目の前でにっこり笑った

さて
僕は何から始めようか



おはよう おはよう
僕は君にとっての
不可思議のひとつでいい

 ....
渋茶と一緒に供する三時のおやつ

羊羹が出てくるとなんとなく胸が痛んだ

歯の裏に引っ付いてくる粘着性
苦みを感じてしまう程の甘さ
綿々と続く伝統の重さ
洋菓子が醸し出す空気たっぷり ....
たすけをよべばいいのか
なにをしたらいいのか
ただただいまは
目の前の血と肉のかたまりが
さっきまで笑っていたあの人だと
思いたくないだけなのに
      生まれ故郷の空からながれてきた
         いとおしい猫背の千切れ雲
    まさしく透明な四次元の放物線もまた
       こうしたかぜとひかりのなかで
   あの最果て ....
ちらちらと
かすかに揺れる

闇に放たれた
一点の命
赤い夕日の下
小さな鳥が、地に落ちる
ただの一声も上げず

白い朝日の下
小さな蝶が、飛び立つ
その羽に光を受けて

命は消えて、また生まれゆく
それは切れることのない鎖

みん ....
しがうまれたころから
ぼくらのことばはこきゃくだいいち
あまごいしてあめがふらなければ
ぼくらはころされてきたのだから
いちばんゆうめいなひとのなまえくらいしってくれなきゃ
おまじ ....
懲りずにまたお昼寝をしてしまったので
また哀しい

夢を見ていたことも
一人の時は泣いてもいいけど

二人の時は笑ってね

わたしは笑顔で君をおかしていって

君はわたしなしではいられなくって

そして最後は夜の夜中に

君から電話をくれないか
何時か刺されて死ぬ気がしてならない

僕の脳味噌は寂しさで
実際の活動力を更に半減させて
お世辞にも美しいとは言えないあの子を
加藤ローサにして見せて直ぐに眠りに堕ちた

鷲掴みにした乳 ....
朝の光が差し込んで
僕は夜の海から掬われる
灯台の灯に照らされて
船はいつか僕を見つけるだろう

遠く鐘の音が聞こえ
近く電車の軋む音もする
遥かより陽は昇り
影が僕の背中から着いてく ....
気が付けば
今日の昼はとてもさむい

一羽の黒い鳥が
窓の外で縮こまっているのが見える

「じゃあ、これが最後だね。」

携帯の奥、
凍るような一言

中々出ない一言を振 ....
ぼくは洋式便所より
和式便所のほうが踏ん張れていい
和式便所よりぼっとん便所のほうが
うんこの残臭がなくていい
つまり詩というものがこわくてたまらない
書かなくても良いのに書けなくても良いの ....
アタマniくるアタマniくると言いながら頭突き

ネコ頭巾ちゃんが
黒頭巾に見える日は
トサカに来ているから
ヘッドハンターをぶん殴る
風来坊の
銀さんは
掏摸だったというのに
人切 ....
きりきりと張られた
暗い夜道

向かう音のない雨
片側だけで 聴く耳
もうひとつの行方 

舗道を流れる
外灯の明りに
寄りすがり
つぶてに 落とされた 蛾

パタパタと 動か ....
祖父が亡くなってからずいぶんの時が経つ
お骨になった祖父は白く そしてもろかった

まだ暖かい祖父の骨を私たちは火ばしでついばむ
生きている者を火ばしで持ち上げたりしないすなわち
祖父は名実 ....
いつしか子どもたちは
走り方を忘れていった
いつしか大人たちも
走らせ方を忘れていった

走ることの大切さよりも
走ることの危険さが
叫ばれるようになった
走ることによって
強くなっ ....
自由詩
タイトル 投稿者 Point 日付
畜生松嶋慶子8*06/9/18 3:12
葡萄色のRin K35*06/9/18 1:43
石の記憶黒川排除 (...206/9/18 1:32
ノート(36Y.9・20)[group]木立 悟406/9/18 0:47
ナイトウォーカー藤原有絵6*06/9/18 0:43
【 見失ったもの 】豊嶋祐匠2*06/9/18 0:31
堕天使達の夜 服部 剛11*06/9/17 23:50
紅葉するぽえむ君9*06/9/17 23:50
幸福な九月千月 話子18*06/9/17 23:50
嵐の日ワンダー006/9/17 23:17
脱走ウデラコウ2*06/9/17 22:45
道標海月4*06/9/17 22:32
キャッチボール山崎 風雅806/9/17 22:07
無量大数[group]AB(なかほ...706/9/17 22:06
*羊羹の裏*かおる8*06/9/17 20:56
襤褸切れ梔子106/9/17 20:26
初秋信天翁206/9/17 20:18
姉山右京006/9/17 17:22
美しい世界206/9/17 17:15
ことしいちばんさみしかったことイダヅカマコ...5*06/9/17 16:55
日曜松本 涼306/9/17 16:20
薬物の如くジョーンズ206/9/17 15:59
処女膜虹村 凌0*06/9/17 14:59
35、希望 【きぼう】[group]雨宮 之人1*06/9/17 14:19
窓の外の鳥月山一天606/9/17 12:51
うんこうんこうんこうんこうんこうんこうんこうんこうんこうんこ ...土田1+*06/9/17 11:42
敬老の日あおば5*06/9/17 9:38
背中の背中に潤う寝息砂木13*06/9/17 8:36
白の質量uminek...13*06/9/17 7:27
走り方を忘れた子どもたちぽえむ君12*06/9/17 7:18

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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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