花が絶えたら 私は思う
私は幾日 生きたかしらと
北風が灯を消すように
闇が私を連れてった
雨が花びら流すように
夜が私を連れてった
こうして街の橋げたの
隅で花売る娘の ....
太陽の光を浴びて花は育つもの
私は時に太陽であり
時に花であった
そこにはいつもあなたが居た
雲に覆われようとも
夜が訪れようとも怖くはない
いつだってあなたを感じていられ ....
息継ぎすらも億劫に
地面を舐めつつ峠道
引き摺る軀が萎れ果て
あちこち腐臭を振り撒く前に
とっとと消えてしまいてぇ
泡がぱちんと弾けるように
花がぼたぼた散るように
....
金木犀の
金木犀の
花の陰が
心にはらり、落ちてゆく
この道は
この道は
いつに辿ってきたのでしょう
金木犀の
金木犀の
花の香は
昔にかよう
消えかけた
面影一つ ....
今
遠いところで
君がさびしい
僕はここにいるけど
君と一緒にいる
って百万回想う
一回でも君に届け
前頭葉の破損した
黄緑色の花
その雫に映る機械都市
無音で作動する化学工場
時計仕掛けの月明かりと点滅する電燈に
反射し黒光りしているコンクリートの河
立ち並ぶ病的に白い蛍光の列
点々と ....
イメージするたびに
少しずつおまえが遠くなってゆく
大きなヘッドフォンのゆるさは少しも変わらないのに
霞んでゆくような映像のぶれが切ない
ベッドの下を掃除していると
おまえの口紅 ....
豪雨の中
傘を持った私がいる
まるで鉛を
持たされたように
内側まで濡れた傘
アスファルトに削られる天辺
落下する雨粒
白ぼける視界
染み込 ....
いつの間にか知らない人が
座っていた
「どちらさまですか」
と言いながら
焼きたてのスコーンを差し出して
わたしも座った
誰でもいいのだ
もうすぐお湯が沸く
生きてみた
一月のめでたさが溶けても
二月の雪が温まっても
三月の雛が川に流れても
ときどき白い布をめくった先の安らかだったあなたを思います
生きてみた
四月の花が散っても
五月 ....
こんなゴミだらけの街にいても
きみの瞳は穢れない
穢れきったぼくを
やさしく叱ってくれる
きみの見上げる空には
罪なんてない
いつも重い荷物を運ぶきみは
....
僕は生きている
その事自体が罪なのか
道造は二十四歳で逝った
中也は三十歳で逝った
祐三も同い歳で逝ってしまったよ
だのに
僕は未だに生きている
罪の上塗り
恥の掻き捨て
僕が愛し損 ....
詩を書くあなたは
言葉に恋をすることは
自由ですが
言葉と交際することは
禁止です
愛していることを
愛していると書いては
いけません
愛している以上に
愛を言葉で綴らなけれ ....
キミとボクの関係は
コイじゃないって思ってたよ
でもただのトモじゃないこともわかってた
最近気づいたのは
キミへの深いアイ
でもそれは恋愛の「愛」じゃなくて
アイな ....
全てが終わってしまうことを望んで
そのときには
私は消えたい。
すべてから
友の記憶
愛する者の記憶
全ての物の記憶からですら消えていきたい
町の外灯が
命 ....
旅をつづけるほどに
私たちの旗は透明になり
時折見いだす標にしるされた言葉も
少なく 暗示的になっていった
元気かと聞かれて 元気だと返す余裕はある
そうでもしなきゃ 死にそうなまま寂しくなる 時の流れだと
このままでいいのか そう言われても
大切なものはここにある そう言える
でも決めつけ ....
手を繋いだらと
俺は思う
あんな年老いた老女を、と
何もかも枯れた土地で、ほそくたたずむ
逃げようと思った事はない
この地平の何処かに、まだ残されているものがあるのならと
いつ ....
足の指をじっとみる
ひざをかかえて
じっとみる
なんてふぞろいで
なんてぶさいくで
なんてぶきっちょで
頭をそろえて
ひろげてみても
またぞろっとよりそう
なんのために
お ....
いつも留守のあいだに
ぼくのポストにたてかけられている
回覧板には
いくつもの恋の終わりがのっていて
ぼくはその欄を見るのがとても楽しみ
恋は突然に始まり
ある日うそのように終わってし ....
人に抉られ続けた跡が 消えてはいない山
絞り尽くされた木の幹に乗り上げた足は
痛みもなく山を登る
のぺりとなだれる空の底をかきこわそうと
枝は剥き出しになって待つ
白い石はない
肩にかかっ ....
夜空にむけて交差するサーチライト
眩しいビームを浴び、汚れて落ちる雪
つめたい降下物の吹き積もる
大雪原の収容所に「声」はない
化学合成された香料の匂いと
いくつかの薬剤を染ませた謎めい ....
あたたかい寝まきです
でも
あたたかいふとんです
おかあさん
頭のほうが寒くて
しんとします
眠ったとたん 朝でした
お昼を食べたら
もう夕ごはん
ふしぎです ....
半角がどうしてもかなに変換されない
ということのために、私はいったいここ何日ぼうにふっているのだろう
家でできる仕事です 誰でも簡単にできるお仕事
いえいえ、パソコンの知識なんか、なくても大事
....
いつもよりも少しだけ
人の話に耳を傾けてみたら
少しだけ
人の温もりを
知るようになりました
いつもよりも少しだけ
花を見つめていたら
少しだけ
永遠というものを
考えるようにな ....
行け その細い径を通って
白銀の雨のふる 森のなか
あたらしい宝物の絡み合う蔓植物の
つまらない詩句の鎖を見て来い。
案外つまらない
つまらないものなのだ
それゆえに ....
役立たずの時間。
全世界共通の言葉はない。
肌に触れた言葉はない。
聞け!というが、
言葉は記号だ。
描かれたものは景色だ。
小さな本屋の窓を拭く。
片手間に淹れ ....
流星 流星
おまえのしっぽを
わたしの窓辺にたらしておくれ
そうして
わたしを月までつれてって
ロケットやUFOより
おまえのしっぽがお気に入り
蒼い 蒼い
おまえのしっぽ ....
国道66号を通って
東から西へ抜けるんだ
日付変更線を通って
君を迎えに行くんだ
誰かの悪夢の様な
まっきいろのキャディラック・カブリオレ
豹柄のシート
ステレオからはエイティロック ....
私は殺人鬼だ
自分で自分を殺そうとする
どうしてか分からない
ふとした衝動が私を襲う
ナイフでその手を切れと
私はその指令に抗おうとする
だが時 ....
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