ブルーとピンク
アルミニウム缶に映りこむ
開け放たれた窓際
置かれた甘いパイナップルの缶詰
遠く町のさわぎが耳元を波立たせる
アスファルトとタイヤの関係
微笑む路地 ....
僕の傘
傘見て気付く。
これ、僕のとちゃうわ。
どこかで誰かが僕の傘
ドライバーになってやしないか
どこかで誰かが僕の傘
ビニル傘は見分けづらい
いつかは僕が ....
輪廻の等級を破砕させ並走する
熱の一筋の恥ずべき白光を呷っ
て徐々に薄くなってゆく唇
成り ....
ペポさんは全く悪くないから
ペポさんの味方だから
と会社の人
君はそっとお茶を出してくれた
お客様に問い詰められ
油を絞られ
怒鳴られて
正直やめたくなる
男はやっぱり忍耐
....
自ら檻の中に入って
ビクビクしながら水道から
水滴の落ちる音を数えていた
定規で正確に書いたはずの
直線は曲がって一個の円になった
目から流れる涙には
....
ジョニーは今年の書初めに
「酔狂」と書いた
なんのこっちゃ、
とたずねたら
きみ、
人間は、
ゆかなければいけないんだよ、
とジョニーは言った。
男は、ゆけ。
ゆかなくちゃい ....
指先が離れた瞬間
とてつもなく押し寄せる切なさ
夢のような時間は
切断されるように終わり
また僕は単体になってしまう
消えてしまいたくなる朝がくる
いつまで経っても夢は夢
布団がいつまでも剥がれないから
私は昼まで眠りにつく
このまま消えてしまえよ
うまく歯車にさえなれないなら
そう思いながらも ぐう ....
富士に会いたいと思っていた
ずっと、昔は会っていた
のぼりにいったこともあるくらい
私たちはかなり親密だったと思うのに、
いつのまにか、会えなくなった
会わなくても、遠くからちらりとみる
....
京急線高架の下に
救急車が止まっていた
それだけなら
人通りの多いこの界隈で
不思議なことは
何もないのだが
そこには二人の
警官がいた
警官の後ろ
あしもとに
くの字に曲がった
....
早朝
のろしが上がり
台所は戦場となる
わが子の出陣
しゃもじもて見送り
子供より早く家を出た父は
休戦ラインのそば
陣地を確保せんと
小競り合い
ロープ際に
三脚の城壁が築か ....
まっすぐ投げるのが一番簡単だし
まっすぐ受けるのが一番簡単だって
ついついそう思っているけど
ほんとうのところは
まっすぐ投げるのが一番難しいし
まっすぐ受けるのはなんて難しいんだろ ....
わたしの中に棲む猫は
夜の闇のように黒い
{ルビ天鵞絨=ビロード}の艶やかな毛皮をもっている
そして
悩ましい緑の目をしている
人に媚びたりしない
いつも物陰から{ルビ窺=うかが}うように ....
いつの日も 青空は明るい
紅茶に溶けた 角砂糖
スプーンの渦が 止まる
こんなに悲しいのは なぜだろう
テーブルの光に カレンダーを描く
....
雨が通り過ぎた朝
ちいさな秋が浮かんでいた
ひとひらの紅葉
雨が上がったばかりの空の中
道ばたの水溜りに
ちいさな秋が泣いていた
黄色い紅葉
地に落ちるのなら
土の上に
草の ....
過去に無くした物は返っては来ない
時折、それを拾いたくなるけれど
只管、前へ前へ歩くしかできない僕らは
振り返る事はできるけど、手を伸ばしても届く事は無いだろう
それでも、先にある ....
あんたの笑顔 スキ
あんたの泣き顔 キライ
だから だから
泣かんといてよ
涙なんてもん
見せんといてよ
いつだって 笑っとったやん
だ ....
あなたに
結ばれることの
よきことと美しさを
なにかのために
ではなく
理由をみつけるために
くだらない世間が
一番近しく思えてしまう陳腐さを
蹴飛 ....
ぼくらは話し合う
”しあわせとはなんですか”
”わかっていたら考えたりしません”
”あちらにはなにがみえますか”
”とおいとおいあのころの記憶です”
”あなたには夢がありますか” ....
この類の話に猫がよく似合うのは
僕らには秘密が多いからさ
だって考えてみて
君は大体ずっとあの人達と一緒にいるだろ
言われたことは何でも従うでしょ
どこにいたって呼ばれたら飛 ....
とどのつまりね、
ハードルの高さの問題なんだよ
君はいまでも男の子に
たいそうもてるのかもしれないけれど
いい気になってはいけない
それは君の魅力云々ではなく
要はどれだけちいさな努力でや ....
8月 某日 103号室 郵便受けのメモより
{引用=
前略 ママ
毎週の訪問感謝しています。
一週間分の食事をハナさんに作らせて冷凍して持ってきてくれることも
僕の代わりにし ....
空が落ちるまえに
芝生に背をあずけて
歌いながら
指先から順に
空に飛ばす
歌声に支えられた指先は
映るもののない
落ちくぼんだ河面をかすめ
駆け上がり
低く重い
地面に向けてうな ....
大好きって
それは響きだ
大好きだなんて
叫ばなきゃ良かった
声に出さずに
叫ばなきゃ良かった
声に出して
叫んでいたら
きっと俺は
ここにはいないし ....
羊の群れに飛び込んで
いつかそれは白い雲になり
最後の命を燃やすように
白い線になって消える
青いガラス玉をフローリングに転がして
透明な影に恋をする
きらめきを乗せて
....
プラスティックケースの上に
並んでる、ふたつのせっけん
小さいほうが、お婆さん
大きいほうが、息子さん
「 生まれた時は逆だったのに
わたしに向かってハイハイしてた ....
ご覧ください。
これが新しいケータイです。
これが新しい欲望付きケータイです。
購入いたしますか。
手にお取りください。
欲望を携帯できます。
食欲でもなく、性欲でもなく
排泄欲でも ....
ああ、傷だらけの天使たちよ!
天使のながす涙をボクは見た
愚鈍なボクたちは、
天使がひどく疲れているの知らない
嘆きや不満や愚痴にうんざりしているのを知らない。
だからボクたちはそろ ....
告げるとも言わず
告げぬとも言わず
立ち尽くす老木は
潮風に白くやかれて
ただ待っているかのようです
運命とは渡り鳥でしょうか
暗い海のとぎれるもっと遠くから
糸車を回す母の手のよう ....
繰り返す日々が
遥かの丘で 鐘を鳴らす
繰り返し僕が
明日の声を 代弁する
繰り返し誰かが
今日をまた 終わらせる
ラララ ラ ララ
心に投げ込まれた小石は
いつまでも波紋 ....
5046 5047 5048 5049 5050 5051 5052 5053 5054 5055 5056 5057 5058 5059 5060 5061 5062 5063 5064 5065 5066 5067 5068 5069 5070 5071 5072 5073 5074 5075 5076 5077 5078 5079 5080 5081 5082 5083 5084 5085 5086
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
4.69sec.