{ルビ夕立=ゆうだち}あけて空は葡萄酒
{ルビ美人=びじん}が沈む湖沼の水銹
{ルビ記憶=きおく}の底に誰かの日記
{ルビ龍=りゅう}がぬすんだ幼い契り
食えば出さなければならない
出さなければならないが
なかなか出てこない
お腹をさすったり力んだりしても
なかなか出てこない
しゃがんだらドバーッと出てきて
さっとトイレを出ていた若い頃は
....
海で友達と
歩いていたのは 防波堤
うちすてられていたイカリと
突き出た マストと 波の色
君が死ぬとき
流す言葉を集めて
冷たいコップの中で
氷に溶けるのを見ていたい
季節が変わる頃ってのは
何もかもが不安定だ
雨の温度や風の強さ
気に食わないものばかりさ
君が死ぬ ....
はいらいと
まちこがれた今夜も
雨模様ではありますが
はいらいと
月に寄せて 星屑に寄せて
たそがれたひと時を
お楽しみください…
はいらいと はいらいと
....
無口な口を縫いつけましょう
言葉は如何にも無粋ですから
帽子をかぶせた
宇宙がかくれた
はばたきながら
地球は夕暮れた
だから、ね……
蚊がうるさいよ
....
広い庭の一角を使って
家庭菜園を始めた
わからないことが多い
近所の知り合いが農家なので
聞いたりネットで調べたり
家庭菜園を始めて
身体に元気が湧いてくる
やり始めると
....
昨日の夜と新しい朝と
越えてきたいくつものこと
少し通勤時間をずらしたぐらいでは
気分は晴れるものではないけれど
流れる景色に
少しだけしがみついてみる
それは
セピア ....
夏の夕暮れの
そこは片隅
母の白い指のすきまから
転がり落ちた
ひとかけらの氷のゆくえを追った
蝉の声が遠のく
逃げていく蟻の触覚
氷は崩れ、いつか傾く
音もなく
あとかたの水
....
艱難辛苦
代償
無為
面倒くさがればいいんだろうと投げやりに思っても、眠れるかどうかはきりんの首が長くなってしまった偶然と同じくらいきらめいている。眠れませんでした、って日記に書いたとしても、それでもじゃあいつかは寝ている ....
鋼鉄みたいな体を欲しくなった
この華奢な体は脱ぎ捨てて
鋼のボディに変身したくなった
ライフルの弾丸だってはね返し
美しく咲く花は躊躇いなく踏みつぶし
逆らうものはすべて破壊してしまうの ....
むしょうにCUPNOODLE食べたくなって、仕事終わってクルマで帰宅途中にコンビニに立ち寄った。
空いた店に入ると、CUPNOODLE一つだけ買った。直ぐに封を破いて蓋を開けた。そして店内備え付けの ....
海を見ている夜だ
たぶん 目で山と そして
見ている空を否定する 目で
友達を 黒色に感じながら
おれたちがここで踏みとどまって戦う意味はあるのか?
国破れて山河在りというが
海は死ぬし、山も死ぬ
人は死ねば いずれ十掴みの灰に
だが、逃げるのか?
出来ない、そんなこ ....
風や街、ビル、文字、感情はあり、
選ばれたものと、選ばれていないものが
ひと筋の線で隔てられる今日、
たしかに時間も空間も存在し、
ざらざらと触れることさえ出来る
空の自動販売機、乾 ....
お洒落
華美
アピール
朴念仁
残念
とにかく
ナックルボールが投げたかった
そんな子供だった
ナックルボールというのは
縫い目がみえるほどに回転をおさえた球種のことで
不可思議な軌道を描き打者を翻弄する
意味もなく
無闇に ....
グーグルが繰り返し停止しています
読み込めないまま繰り返し
投げつけることもできず
オンオフ オンオフ
アンインストールした
アプリをきみは
原因不明
安物スマートフォン
ピンチ ....
月だって東から昇る
だと言うのに
なんでいつも太陽ばかりなんだろう
太陽がどこからやって来て
太陽がどこへと帰っていく
みんなそれしか興味なくて
月のことなんて興味なくて
なんかアタ ....
雨煙る水曜日の朝、
刻まれた皺につうぅと雨滴が走り
男はしゃがれた声で
さようなら と言った。
脳みそを溶かすような金麦のジュワっとした喉越しに
今日の海を溶かし、流し込む
夏の味だって、まだ梅雨真っ只中だけど
スイカの匂いと塩素のつーんと痺れる感触が瞬時に思い出される
夏、というワード ....
余った皮を
捻りに捻ると
元に戻る勢いで
身体が回転して
空を飛べることが分かった
53歳にしてやっとだ
今ではビデオカメラを
持ちながら
人間ドローンとして
鎌倉上空を
頻繁に往 ....
おれという寸法はおれのお気に入りの仮説の域を出ない
おれがおれの詩に吐き気をかんずることは全くもって正しいといえる
おれは掘ることばかりをかんがえる
この井戸をのぼることを、おれがかんが ....
駅前では 公衆電話が姿を消した
さびしいね
あなたが途切れさせた連絡網
伝言を覚えたあの子が
家族に話さずに旅立っていくよ
改札口はシュレッダー
ぼくたちを他人にして
誰もが無言で通りす ....
いまや国民なんてやってられない。
政治家など投資家の下僕にすぎない。
オリンピックなんて投資する価値なんてない。
IOC バッハになんか投資なんてしてやれない。
パラリンピ ....
毎日、ただ家に帰る
朝起きる。
奥歯に挟まった食い物のかけらを爪で掻き出し吐き捨てる。
ゴミ野郎。
鏡の自分と有意義な会話。
今日使う最後の言葉。
気がついたらここはどこだ?
変える ....
硝子が
黒く空をゆく
映るのは音
変わりゆく音
真昼の霊が幾つかの影を
円く短く
花のかたちに置いてゆく
笑う背中に乗せてゆく
手足の指が
痺 ....
チャイム
シーン
プライベート
アラーム
生きていたときの思いを
思いだしていた 午後に
窓を大阪の電車から見ていたのは
子供の頃と 就職したばかりの頃
誰のことも覚えていない 会社で展示会をした日の会場
トラスを組 ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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