呼べる距離まできている
足跡
紐で縛って
すべて部品に分ける
部品をうめこんだ耳で
わたしを呼んで
この眠りが深いと教えて
見た事がないと言う顔をする
経験
脚で引き ....
袋があって、それは不思議に光っている
袋の中に光がある
頼りない光だけれど、そっと触れると暖かい
袋は何の変哲もないありふれたものだけれど、
中からこぼれる光が袋をこの世にひとつしかな ....
?.
朝風呂が好きだった
その朝もおまえは
俺たちの小さな家の小さな風呂に
窮屈そうに仰向けになって
顔を沈めて
水の中で
目は見開いて
くちびるが
SEE YOU って
....
あたししか居ない部屋が寂しくて
だから誰かと居るわけでもないのに
あなた何を考えているの?
金魚の水槽はコポコポと水音を立てながら
月から取ってきた水晶玉みたいに
ぼんやりしていた
少しも嬉しくないのだ、という顔をして
柔らかく笑う君が
この手の中に入ってしまえば良いと思った
誰も
許さなかったけれど
喉の奥が鳴って
もっとずっと奥が痛む
そういう ....
春、生命を孕んだ風が吹く
母は児の明日を願って
俺はいずれ来る明日を待望
雪解けの音に耳を澄まし
花の香に夢を預ける
明日は来ないと知っていました
夏、生命を孕んだ風が吹く ....
スケッチをするのにも飽きてしまって
ずっと前とずっと先のことを見つめてみたんだ
どこから来たのかどこへ行くのか
捕まえたと思ったことばは
僕の手の中ですぐに輝きをなくす
子ども ....
一
観葉樹が、かぜに揺れて、嬉しそうに笑いかける。
笑いは葉脈のなかに溶けて、
世界は無言劇に浸る。
映像のように流れる無言の織物。
かぜが、喜劇に飽きるまで、永遠を飽きる ....
マリーゴールドと
マーガレットの区別がつかない
ツバキとツツジを間違えて
笑われてしまう
アヤメとカキツバタにいたっては
はなっから諦観の境地で
でもそれはちょうど
パスカルとサルトルを ....
今日あなたが
やりたいことをできたのは
昨日あなたが
やりたいことをできたから
今日あなたが
やりたいことをできたなら
明日もあなたは
やりたいことができるでしょう
やりたいこ ....
手のひらに虫の息
丸い黒曜石の瞳は虚ろ
彼の本分は
飛ぶ事ではなく
鳴ききる事だからか
若草色の翅脈を透かした羽は
すり切れる事もなく
黒い前胸に刻まれた金糸も鮮やかに
腹の手風琴も今 ....
う
ろ
こ
雲
空が
いっぴきのさかな
だったら
夕陽に
こんがり焼けて
う ....
頭の上に
鳥が卵を落としていった
やがて卵は孵り
駅が産まれた
列車が到着しても
人のざわめきもない
さびしい駅だった
かすかに潮の香りのする
海沿いの駅だった
その重さで首 ....
いしきとまる裏通りの星にふれ
かぜにひかりながら
まきあがった燐屑のポケット
スペースから既に世界は切り取られ
創傷な気圧はとても静かな私をうけいれた
しばらくの沈黙 またたき彩 ....
昨日のこと。
夕暮れる空をくじらは泳いで
大きなくじらのそばには
半分ほどの大きさのくじらがいます。
小さなくじらは泳ぐのが苦手なので
大きなくじらよりも先に
尾が橙色に染まってしまいます ....
土曜日の夜に
私はバスタブに埋まって
静けさを呼吸に溶かしながら
手で水を掴む
この場所では
二人、愛情を深め合うことも
彼を、浴槽に沈めることも
で ....
落ち葉の中に
紛れ込んだスズメは
保護色の枯葉を
ホームグラウンドとして
はしやぎ回つてゐる
いくら喚いても
掻き鳴らされる
落ち葉の
大仰な音には
自分の声すら聞 ....
犠牲の人生でない
喜びの人生です。
利己の上の利他です。
土台がしっかりとして
自分を持っていることです。
人に流されない
テレビを見ない
頭を洗脳されない
安易な道を通らない
....
であえたことが なによりも しあわせだった
はなれた きみのては しずかに ふるえていた
どんな わがままさえも ゆるせたはずなのに
わかれのことばは いつも せつない
いつかまた きみに あ ....
僕は犬です、わんわん
しがない犬です
一度主人を失いました
僕はもう仔犬ではなかったから
僕は犬です、わんわん
しがない犬です
先日野良の一員になり
金属に怯えるようになりました
....
雲ひとつない秋晴れの中
海に向かって歩き始めた
理由はない
心地よい秋風が
海から吹いてきて
正面に向かっていくかのように
歩いていった
理由は必要ない
海は輝いていた
きら ....
廃嫡された俺の仔の
手に手をかさねる手は
白い
白い
しろい
貴方達の愛情は伝わっていますか?
拒絶された俺の心に
愛に欲をもとめる恋は
冷たい
....
未だ、全く汚れなき綺麗な魂
一点の曇りもない空のように広い心
それが、純粋な魂
知らなくて良かったものを知っていく子供
知っていても嘘をつく大人
可能性があれば信じ続ける子供
可能性があっ ....
雨上がりの交差点で
僕は何を 捜し求めたのだろう?
今夜 僕は 君のいない部屋で
寂しさだけを抱きしめ 眠りにつく
なぜ僕は あの時
あんなコト ....
女にふられたので、
好きで好きでたまらない女にふられたので、
砂漠へ行って死のうと、
そのままとかげとかハゲワシだとかに、
食われてしまおうと、
十月の運動会で俺は考えた。
町内会のかけっ ....
コンクリートの塀に
一匹の蝶が来て留る
この目の覚める艶やかさは
一体どこから来たのだ
これがこの世の反映だなんて
私は信じない
むしろこれは世にないものだ
....
君が聖人君子なら
わたしを掃いて捨ててほしい
ずっと石になる夢をみている
もの言わぬうちに
いっさいがっさい見限ってほしい
愚かな路頭の上で
....
ぼくの母さんは世界の果てで
アイスクリンを売っている
センサスによれば国道999号の平均交通量は
過去最高の1万台に達したらしい
世も末だねと母さんは顔をしかめるだろう
これほど ....
当たり前の衣食住
当たり前であろうと
みんな必死だね
嘘みたいなセレブたち
嘘みたいであろうと
みんな必死だね
ヤクザ役の役者たち
ヤクザ風であろうと
みんな必死だね
....
風とは
速さでもなく
強さでもなく
遠さです
風を思うとは
遥かの遠くを思うのです
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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