茜の風に肩を撫でられ
少し頬染め
薄紅色に髪が笑う
少女の儚い夢のように
秋桜揺れては
深い空に落ちてゆく
花びらが落ちた空には
ほんのり波紋のうろこ雲
今日が ....
ちょっと調子にのっていた
そこを突かれちまった
まいったね
身体と精神がまた少し
イカレちまった
お陰で
仕事を失くしたよ
本当の正義の味方というのは
割に合わないぜ
まったく
貧 ....
どうして足のうらなのに
土を踏まないのだろう
そんなに凹んで
まっしろな砂丘のように
いつかほんとうの
おまえの生まれた土地を
踏みしめるためなのだろうか
いつかほんとうの
おまえ ....
相反する心情を瘠せた天秤に揺らし
語り始めの薬指が気だるいエレジーを集めた
訪れの春 もう10年も前だったか
遅れた控えめとセンテンスは
8年前には歪めながら
飲み干す牛乳瓶の翳 ....
光が光をまとうとき
ひかりかげり かげひかり
静かに昇る
譜をめくる指
文字の見えない
明るさの紙に
ひとつをひとつに書きつけて
降りつもる音を見つめている
....
大きい声を出すと
ずぼんがゆるくなって困る
とお兄ちゃんは言う
あたりまえだ
大きい声を出しても何にもならないと
承知の上でまだ怒鳴るから
そういう羽目になるのだ
お兄ちゃんは
人 ....
破れ、はためく帆と罪の波間にとぶ 潮しぶき
低い空の大理石にも似た模様が 狂い、ちぎれ
セイレーンの叫びに群がるのは、
姿なき乳濁色の「ざわめき。
水の泡立ちに「美しく覗く 翠の岩礁
神 ....
通りゆく
たわわな枝の柿の実は
豊かな秋と心実らす
歩みゆく
連なる虫の声を聞く
奏でる秋と心響かす
鳥が舞い
遠い空へと消えてゆく
秋の広さに心飛び立つ
木の葉揺れ
....
座席のゆがみに手を乗せて、背に残る強張りをじっと見張りながら止まった駅に降りていく。階段の手摺の汚れを照らす灯りには、あの真円の月は混じっていない。夜ばかりの駅に薄く削れた空をぐずぐずと舐めながら、 ....
空に想いは寄せる
いつの日もいつの日もみつめた
あの青さだけが私の願いなのだ
{ルビ天鵞絨=ビロード}のような雲の浮かぶ
平和で満ちあふれたあの空へ私の心は向かうけれど
我が蒼穹よ 私は ....
どうやら
あの絵の具たちに
とりあえずでは
あるものの
蓋をすることが
ようやく
できたのか
足りない色
新たな色
質朴に
買い足せばいい
純朴に
もらえばいい
さらなる ....
腐った水槽の中、濁った汚水の内、枯れた深海の底。
いつもと変わらないと嘆くのはいつものことです。相
も変わらず進歩のないことで、飽きもせず不平不満を
漏らすことに終止執着。
そこに変わるための ....
難しいことは考えない
人は考えたくないから本を読む
僕は本を読まない
思春期に読んだ本は数知れないが
相手を攻撃するだけ
自分を守るためだけに本を読んでた
言葉だけは覚え ....
そういつも野にいれば
季節の移り変わりが さぞよく分かろう
などと申されるかもしれない
けれど秋は
一時の眩暈のようなもの
縷々たる乙女の絹髪の ほつれた枝毛の ....
目を閉じれば何もかも 見えなくなるはずなのに
目を閉じても瞼の奥に映っている
見たくないから 目を閉じたのに
いつまでも 変わらずそこにいる
フラッシュを見てしまった時の様に
瞬けば ....
いい匂いの おねーさん
風にゆれる 若木のような
ほほえみを ふりこぼして
うつろいよりも はやく
少年を 朱に染める
親父・母ちゃん婆ちゃんは
姉・婿・孫娘のいる富山に行き
一週間は帰らないので
家はがらんと広くなった
仕事を終えた帰り道
夜空を見上げ
雲から顔を出す十五夜お月さんと話し
....
私の痛みが君に沁み込んでいく
涙を一粒 こぼすたび
瞼をつよく こするたび
肩を震わすたび 声に涙が混じるたび
君の車からティッシュをひったくって
泣きじゃくる
涙が出始めると ....
歩きながら空を見上げて
星が見えねば ふてくされるのさ
こねくるように うまく言ったやつらが
もてはやされるらしいなら
僕も言おうか?
希望だけは持っていたいな
なんてそんな ....
未完成な僕らは
窓の向こうの世界に
迷い込んだ
紅茶を一口
飲んだ君が 微笑む
「ねぇ」
僕は彼女の
唇が好きだった
優しい音楽を奏でるような
儚い甘 ....
風呂に入って
牛乳飲んで
クーラーで涼む
室温28℃、外気19℃
一日の疲れを
床に置き
束の間の
休息だ。フー!
又明日から戦いだ
昨日のことは忘れ
懸命に生きる
生存 ....
おはようございます。
(みつとみ)は晴れた日が続かないと元気がなくなるようです。
そこで。
道ばたで(みつとみ)を見かけたら、
鉢にいれて、水をあげて、
晴れの日はテラスやベランダに置い ....
白びかり記憶の母胎に孵り
廃絶したお前の空が瞳を覗き込む
空襲に焼け落ちたような是空
一呼吸遅れた廃艦のパヴァーヌは
憂愁を吐き出し
幾つもの波風を舌に絡めた
凍りつい ....
―万引き犯をつかまえたら
それは母さんだった
ジャスコの事務室で
母さんの盗んだ乾電池二個を
なんに使うのだろうと思ったら
かなしくて
かなしくて
かなしくて
もうじゅ ....
この宇宙は
矛盾によって成り立っている
成り立っているばかりでなくて
矛盾そのものである
と、聞くと
君はどう思うだろうね
とても理不尽な何かをその胸に
突っ込まれたような気持ちにでもな ....
十月 旅人はあるく 十月の道を
森の中 暗がりに残る九月の音に
震える足を抱えながら 旅人は歩く
凍える月は蛇の背に 虫が奏でるのは独房の歌
背を打つ風は亡者の息吹 流すべき血もす ....
久しぶりに会った
あなたの その声 その仕草
私に触れるたび 1つ1つの細胞が
炎のように燃え上がる
懐かしいニオイ 私の大好きなニオイ
離れていた距離が永 ....
自分というものに
気がつき始めたこの頃は
どこか落ち着かなくて
みんなと同じことをしていても
同じではなさそうで
みんなと違うと思われたくなくて
同じことをしている自分が
自分ではない気 ....
光が流されて行く
風にあおられて
時間が溶けて行く
あなたの瞳の中に
風が太鼓をたたく
よく晴れた青い空
こんな日は何か
素敵なことが起こりそうだわ
坂道を駆け上り
海が見え ....
失くしながら覚えた言葉。足りな
いものを補いながら繋いだ寂しさ
だから、朧、月夜には下る舟の切
なさがあって、どうしようもなく
なる。あなたの夜は越えますか。
....
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