今のわたしの生活にはぴんとこないの
あなたの言葉は
考える暇がないの
いそがしくて
目の前にあることで精一杯なの
愉快に私を笑わせて
考えることなんてこれ以上要らないのよ
今の ....
うばすてやまについて考えている
祖母をそこへ連れてゆきたい
訳ではない
昼下がり
冷えた湯呑みが二つ
並んでいる
祖母が歩くと
割烹着のポッケットから
何かがこすれ合う音がする
....
風ひとつ
赤い首輪の放浪者
立ち止まって後ろを振り返るのは
淋しさを断ち切るため
お行きよ お行きよ
赤い首輪の旅人よ
風は追い風 君の味方さ
淋しくなんかはないはず
お行きよ ....
中華まんニ割引って、一瞬読み違えるよね。
わざとだけど。
「ぶっかけフェア」も凄まじくイヤラシイ言葉に見えるよね。
これは素だったけど。
空飛ぶ駱駝に乗って行くよ
紅茶の味がわからないよ
髪の毛が伸びてゆくよ
空の星が見えないよ
鼻が詰まってるよ
膣へ帰りたいよ
頭が膨らむよ
眼が萎むよ
今行くよ
嘘 ....
夜の明ける頃
苺ジャムの小瓶を積んだ船が
幅広の海へと出港する
その間にも
私たちには忘れていく言葉があり
その言葉を思い出すために
また忘れられていくものがある
産まれてきたし ....
小さな女の子が俺に
だじゃもん ちょうだいっていう
だじゃもん ほしいっていう
だじゃもん ねえ だじゃもん
だじゃもん ちょうだい
だじゃもん ほしい
そういわれ ....
昼下がり
ちょうど
町までのバスが出た頃
青 空
その青空に
ペンギンは
洗濯物をひろげる
真っ白な
雪のように真っ白な
洗 ....
風は太陽を紡ぎ
優しい音で糸を張り
張り詰めた糸は
暖かな香で弾けて
{ルビ奏=かな}でる曲は優しく
そして暖かく響く
まるで生命の力を
{ルビ謳=うた}うように { ....
一 琴引浜
さくら貝は、はかないという言葉がお好き
はかないという枕詞がつくものには
とりあえず歌ってみる
それらはかつては量産されたものだが
貝は、そんな厄介なものは持ち合 ....
僕は虹が大好きです。
どのくらい好きといって、
僕のランドセルが
6時間分の授業の準備でいっぱいになって、
アルトリコーダーがささってるくらい、
そのくらい好きです。
少しわかりづらいけど ....
名前もない{ルビ詩=うた}を書いています
それは誰かに向けたものではない
だから、何の為に書いているかも分からない
それは花と{ルビ同=おんな}じかな?
何の為に咲くかなんて分から ....
呼吸をしていない。
私は
あなたの姿が見えないときに
きっと
重たく思われることも
煙たく思われることも
すべて承知のうえで
....
{引用=おまえはあれが空の梯子だと言う}
あけがた
透明な寺院をさまよいながら歩いていると
喜びのひとつが小鳥になって歌ってくれました
かの鳥が木の実をついばむ記憶のなかで
短いいのちが ....
瞬間冷凍したらどれくらいまで美味しく頂けるか、と考えてみたものの。
一体いつなら解凍レンジすんだろうか、なんて疑問さえ。
浮かんでは、ぽつりポツリ指先で丸め直した膜を{ルビ破=わ}っている。
た ....
たわいのない秋に
影が一つ
佇む様に
彩りを描く
笑い声のような風が
ジーンズの脇を抜け
靴と靴の間を
からからと走る
....
淋しさが何処から生まれるのか
そのような話題が上ったとき
それらはすべて
河から生まれ
いずれも河童の仕業なのだ
そう言ったのは
この国の伝承を探究する男で
昔神田の書 ....
松の湯
跳ねる湯船も恐ろしく
あれは白鯨モビーディック
いかつい背中の倶梨伽羅紋紋
あまりにも鮮やか過ぎて
タオルで隠さぬ前を横目に見れば
なぜか思わず猿山の猿気分
ラッキョの皮 ....
叫びそうになるのを ぐっと堪えて
あなたの存在を思い出す時
思わず声が漏れそうになる
ぎゅっと目をつぶっても
想いは治まることを知らず
写真のあなたを見ただけで
脈さえも強 ....
「逢」 「別」
空から降ってきた 空から降ってきた
雨と言わず 雨と言わず
雪と言わず ....
遠く聞こえる虫の音は
遥か離れたふるさとを
頭の中の片隅に
思い浮かべる曲となる
遠く聞こえる虫の音は
深い眠りへ{ルビ誘=いざな}うも
頭の中の片隅に
響き続ける曲となる
遠 ....
今日言えなかった言葉をベットの中で消化する
キミの好きなところと嫌いなところ
ひとつずつ挙げてみるよ
今は会う事が出来ないけれど
もう少ししたらきっと
キミの温もりを再びこの身体で触れられる ....
おしまいは
呆気ないね
今しがたまで注いでいた目線を
手元のカップに移して
囁くようにあなたが嘆いた
続けてのため息は
ほんのり紅茶の匂いで
外には
すぐそこに夜がある
北西 ....
空の君
風の向う
夢の中
とおく
背肌をすべる
うわついた言葉
嘘は左から
右へと逃げて行く
空の君
風の彼方
浅い夢
水に流すは あなたのいたみ
流して晴れぬは わたしのおもい
春なら雛に のせましょか
夏なら精霊に のせましょか
秋なら紅 ....
子供たちはうとうとと、
昼寝の狭間のこころよさ。
隣では
浴衣をつくると、ミシンの音。
遠くでは
どこかの子供の笑い声。
風が黙って走り去る。
まわりから、忘れられたよう ....
抱えた哀しみまでそっくり瓜二つなんて
神様は本当に酷なことをする
心のやわらかい場所で繋がる君と僕の
その温度の共有こそがすべてだったというのに
目を離した隙に君は遠くへいって ....
全てから自由
全てから喜び
全てに感謝
全てにお礼
全てに御免なさい。
全てに許して下さい。
全てにありがとう。
全てに涙する。
全ての人に笑顔
全ての人に合掌
全ての人に ....
夜中の3時
ふと目覚めたあなたが言葉にならぬ言葉を私に向かって発する
私もまた
不完全な声の断片をあなたに還す
同意を求めるかのようなあなたの「ねえ」の
「N」と「E」のあいだにかろ ....
女にふられたので、
正確にいうと、これから女にふられるので、
稚内へ行って死のうと思った。
なんで稚内かというと、
日本地図を広げてみると、
いちばん遠いところがワッカナイだったからだ。
....
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