昼飯が終わって席に帰ると
閉じたパソコンの上に電卓があった
そんなところに置いたつもりはなかったが
なんだか光って見えたので僕は手にとってみたのだ
いつも使い慣れた電卓は実は僕のものではない
 ....
忘れられた風景のように

記憶の一部がそこにある

取り残されてぽつんと

消去されていく哀しみ



神が人に与えてくれた哀れみ

忘却

苦しみ ....
告知、{ルビ其=そ}れは、まさに告知であった
寡黙な感情を破り
寂寞の暗闇の中で
出刃包丁を手にしたのだ
右腕を、切り落とすために
告知
(わたしはもう絵描きをやめる・・・   ....
薄暗い喫茶店の一番奥の席で待ってるから
美味しい珈琲を注文して待ってるから
いつものセブンスターを吸って待ってるから
どれだけ遅れてきてもいいから
金色のマルボロを掴んで
お話をしようよ
 ....
十代の頃に大事にしていた気持ちが
今となってはどうでもよくなってる
走査線の向こう側に記憶を切り売りして
煙草の煙に笑ってる

目の前で誰かがこの手で殺されていく
みんな見てみぬ気にしてる ....
階段を駆け上がる
少年の姿

朝の陽が
ビルに白い息を掛ける
いつもより薄い青空は
いつもより
高いところにある
透明の空間に残響する
鉄の階段を駆け上がる
少年の色

僕の影 ....
 声を漏らさぬよう

唇を噛み締めたら 甘かった

 なにせあたしの血は 苺シロップでできているし



あなたなんかに 舐めさせてあげない

 ほっておけばすぐ すっぱくなる ....
命は、優しすぎる涙だ。
一粒、肌に触れると、
途端に僕はばらばらになってしまう。


命は、透きとおる歌だ。
僕の身体に沁み渡り、
細胞のひとつひとつがうるおいだす。


命は、無 ....
お前に会う為に帰ってきたんだぜ
等と月並みな事を言っても君は喜ばないでしょう
新宿の歌舞伎町にあるお店で
適当なご飯や酒をいじりまわしながら
そんな事を言っても君は喜ばないでしょう
煙草を何 ....
屋根裏を侵蝕する、
あの水のように、
満ちてくる。
想い出す。

息ができない。

肺の奥まで、
想い溺れている。
言えなかった、
ひとこと。

 ....
遠ざかる。
交わった足下の影は、
ゆっくりと離れ、
別れてゆく。

やがて、
影は消え。
水溜まりだけが、
きみを残している。

わすれない。

 ....
くもり硝子に指を滑らせる。
流れ落ちる水滴が、
鏡に映るきみの涙と、
重なって見えた。

さよなら。












  ....
あおいおそらにぽぅっとしたり

おおきなつきにぽぅっとしたり

おいしいものにぽぅっとしたり

秋はなんだかわくわくしちゃう

そしてあなたにぽぅっとしたり
屋根裏から、
聴こえてくるあの音は、
きみが還ってくる、
その足音なのか。

紅茶を淹れて、
待っている。

きっときみは、
冷え切っているだろうから ....
おんなにとっての
それは囚われ
深遠の亀裂より鉄鎖を垂らし
おんなは生きる
獣は獣
下履きから覗かせる鉄鎖を
見も知らぬ男に掴まれたとしたら
それが悲恋物語の序章
秋の日の静寂に我が身 ....
一、
どうしますか、
白衣を纏った医師は無機質な言葉を落とした
無数のチューブで繋がれた身体
ベットの傍らで静かに音をたてる機械類
瞼を重く閉ざしたままのキミは
手を握っても握り返してきて ....
僕がただ黙々と積み重ねてきたものというのは
実は誰かの残した足跡でしかなくて
それをあたかも自分のものであるかのように
錯覚して無くさぬよう両手で抱え込んだりして
過ぎ行く人が笑っていたのは  ....
太陽が輝くように 人間もまた輝く
だがそれを汚す事もできる。

やり方は実にシンプル
自分にとって

気分の晴れること
都合の良いこと
仲間同士で分かち合えること
ストレスを発散する ....
夜遅く 
街灯の淡い光に照らされ 
家へと続く道に伸びる 
老夫婦の影 

互いの腕を組み 
びっこをひいて 
揺れている 

( 街路樹の枝に結ばれた、赤い風船 ) 

老夫婦 ....
皮膚(かわ)を剥がれた兵隊は
本当は安心していたのかもしれない

あの凍土を溶かすかのような悲鳴は
快感の叫びであっただろう

降り積もる雪が
じわじわと真っ赤に染まる中
 ....
なにかがうごきだすとき
すいっち
のおとがきこえると
ほっとした
とてもとおくで
かすかに
かちっ
おとがして
そうするとあとは
まえにすすむだけでよかった
そのつみかさねが
い ....
泣きたいわけじゃない
と言いながら
一冊の詩集を手にしている君よりも

くしゃくしゃになって
鼻をすすりながら蕎麦をすする君のほうが
よっぽど

よっぽど


何もかも捨てた ....
ひとりぼっちの
ぼくは
そっと
かなしみを覚えます。
キーボードをカタカタと叩いて
あいのうたをつくります。
きみだけにこっそり孤独を
伝えます。


ひとりぼっちでない
ぼくは ....
一人でいる寒い夜は
温かいミルクを飲みます

スプーンで雫を落とすと
ミルククラウンができるのですが
それがあまりに一瞬のことなので
私には何も見えません

あなたがそこに
いれくれ ....
 戦いが終わった朝は

 すべてが夢だったのかのような

 とても爽やかな快晴で

 空には雲ひとつなかった

 朝焼けにけむる雨にぬれた

 アスファルトの上を車で飛ばしていたら ....
森の小さな滝は
冬とともに
時が止まる
滝は白い線となり
静かに眠る

森の小さな川は
冬とともに
音が止まる
川は白い玉となり
ゆっくりと休む

森の小さな湖は
冬とともに ....
ガラスの割れる音に気が付き起きる毎日

命綱なしで挑む世界の破壊神

黒い沼に一粒おちた血の涙は

瞬く間に血の光景を広げていく

二酸化炭素濃度100%

夢の中見えて ....
瞳孔とは違う覗き穴が
白目にも穿たれていて
きみはその黒い色素で
完奏まで
音を合わせる

カーテンコールも聞く
新聞に書かれていることと、
新聞には書かれていないこと、
それを貼り合わせて、
書いている。












      ....
よく喋る温かい君の肌は遠くの転換点に於いて何処を通過していくのか
酔い覚めの軽い足取りから目を覚ますといつの間にか越えてしまっていて、楽しむことも出来ない肌触りを懐かしむ、歩道橋の上、今にも落ちそう ....
自由詩
タイトル 投稿者 Point 日付
電卓は黒田康之406/11/12 13:05
「 移り逝く季節に 」椎名2*06/11/12 12:47
「告知 〜午前二時の手帖〜」 ー山下石榴 ・服部 剛ーはっとりごう...4*06/11/12 12:22
創書日和「白」[group]虹村 凌3*06/11/12 12:19
60億人分の湿った脳細胞の囁き1*06/11/12 11:52
階段の滲む朝結城 森士5*06/11/12 11:13
あたしを食べるつもりで、あたしを食べて。[group]もも うさぎ16*06/11/12 10:33
いのち(命)[group]輪橋 秀綺7*06/11/12 9:56
虹村 凌2*06/11/12 9:31
「 想還。 」PULL.4*06/11/12 9:11
「 影還。 」7*06/11/12 8:38
「 水還。 」5*06/11/12 8:35
*ぽぅ*かおる10*06/11/12 7:47
「 音還。 」PULL.10*06/11/12 7:45
断崖(黒薔薇の微笑 其の一)[group]恋月 ぴの23*06/11/12 7:05
ベットの上の人形AKiHiC...606/11/12 4:51
esイヴ006/11/12 3:16
Simple[group]電子ノ猫人206/11/12 2:58
夜道のふたり 服部 剛9*06/11/12 2:12
剥がれた兵隊なかがわひろ...4*06/11/12 2:03
すいっちアンテ7*06/11/12 1:35
別腹 2 (蕎麦)AB(なかほ...206/11/12 0:27
ぼくのうたとおもわれるうたエスエル12...506/11/11 22:54
ミルククラウン三条麗菜12*06/11/11 22:51
戦いが終わった朝ジム・プリマ...006/11/11 21:58
春を夢見てぽえむ君11*06/11/11 21:29
飛行機雲のSOSこめ1306/11/11 21:26
右眼の聴力で吉岡孝次006/11/11 21:23
「 新聞詩。 」PULL.4*06/11/11 20:31
羊の朝霜天806/11/11 19:48

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