落第してゆく大人たちを
進級してゆく子どもたちが
通り過ぎてゆく
落第する大人たちは
進級することは過去にしかないと
思いながら
冷えた体で下を向いて歩いてゆく
丸まった背中が小さく ....
夕刻よ もっと光をください
冬の息づかいが とても つめたい
雲のミルフィーユ レースの裾に
遠い日のさくらのような
幻想の海が広がっている
雲の山 空の海ね
幼い頬のかけらが 溶かさ ....
もし
きみ が ぼく を
ガラスの水晶のように
見てるなら
少しでも指にふれたら
汚れてしまいそうな
壊れてしまいそうな
世にもきれいなものとして
見てるなら
....
だれも知らない
森を
ただひとり
泥濘を
重い足取りで
水に似た空気を
からだ一杯に
吸い込んで
役立たずの
想像力を
ぶら提げて
モーツァルトにも
創れない音楽を
肌に含ん ....
しんだらいいのに なんて
そんなに簡単に口にしないで
何気ない一言なのかもしれないけれど
現実には起こりえないと思っているかもしれないけれど
それは実はわたしたちのすぐそばに潜んでいて
すこ ....
尖った心よりも
丸み帯びた
心のほうが
優しくなれる
ずいぶん遠くまで歩いて
きみのクツはまるで
最初と違うカタチのようにみえる
たくさん土の上を転がって
きみの服はすっかり
元の色を失ったようにみえる
何度も傘が破れて ....
どんなに世の中が豊かになって
ごちそうが食べられるようになっても
お母さんが作ってくれるお茶漬けが一番うまい
漬物を肴にお茶漬けを食べる
そのうまさは格別なんだ
漬物を出 ....
どんどん
どんどん
流れてく
私の意志とは
関係なく
そ知らぬ顔で
それは
憎むべきものなのか
それとも
「今」を失くしてくれる
優しさなのか
私は思う
優しさは
残 ....
一人の時間
遠い雲の向こうを見て、ただ黄昏ていた
あれに僕の声は聞こえない
あれにだけしか言えない言葉がある
けど、今は怖くて、胸が締め付けられそうで
とて ....
貴方の隣で目が覚めたら
人になっていればいい
すらり手足の美しい
流れるような黒髪の
ぱっちりお目めの
コケティッシュレディ
愛してくれるんでしょう??
その ....
貴方の隣で目が覚めたら
猫になっていればいい
長いしっぽがすてき
ぴんとした耳で
さらさらの毛並みの
野性的な黒猫
飼ってくれるんでしょう??
愛で手なづけて ....
オレがマンホールから飛び出した朝
世界は平行四辺形だった
次に現れたのがビッグバンの犠牲者みたいな
あきれたニキビ面の看護婦で
オレの高貴にして好奇なる富士額にキスしたから
夜露死苦 ....
ピンクの木馬に乗ったのよ
とがってて
おしりがとっても痛いけど
とびきりピンクが
好きなわけでもないけれど
ピンクの木馬に乗ったのよ
不思議の国の入り口で
王様の目をし ....
素敵な夢を見たの
あなたが私の隣に座ってね
もっと私の近くに何度も座りなおしてね
左腕に、すりすりってしてくるの
そうしながら恥ずかしそうに
世間話をしているのよ
....
太陽が消えちゃった夜
しんと静まり返った部屋
放り出された読みかけの本
無理やり履いていたブーツ
足はまめだらけ 真っ赤
ねぇ 逃げなくちゃ
貴方の香り まだ残って ....
強い奴が好きだ
弱い奴は嫌いだ
強い者は大岩だ
動じず揺るがず転がらない
弱い奴は砂場の砂利だ
風に吹かれてどいつもこいつも見分けがつかない
強い奴は大樹だ
ねじ ....
金木犀の香りが漂い
星は落ちてきそうに輝いてる
風が吹き俺達の頬を撫でる
愛撫するように
耳元でお前に囁く
決して遊びなんかじゃないぜ
絶え間なく続いていく命のリレー ....
誰もわかってくれないと
思っているのは
誰にでもわかっていることで
誰もがわかっていると
思っていることは
誰もがわかっていない
それでもどこかが
つながっているようで
そのつなが ....
お気に入りのスニーカーと
私たちのDNA
それらは、歩くようにできている
足裏から伝わる感触に、踊るようにできている
森の腐葉土、落ち葉
そして草原の土だったそれは
いつかアスファルト ....
人が死ぬ時
その人には
何が見えているだろう
もしかしたら
もう
何も見えないかもしれない
世界の時間
が
ゆっくりになって
身体が
ゆっくりと
....
今日より、明日、明後日
舟が古びようと
櫂で水しぶきを描かずにいられない
来週より、来月、来年
からだの影が深まろうと
羅針盤の先を指差さずにいられない
蜃気楼を揺らして
永遠に届かない ....
二人の夜の楽しみは来た。
時の川は海に流れ出で、
ただ広く深き、その青さに驚き
黙り込む。
空には力足りぬ、かよわき星達が
今ぞと
日を分かちて輝き出す。
....
陽を見て満ちるは誰が思い。
その重きに耐えかね
今、赤く染まり、傾きぬ。 ....
星をみて、
もの思う乙女らの瞳に映るは、誰の影。
....
空が誰かのものであって欲しいと思う
できれば、あなたの
すすき すすき かぜのわだち のこして
あなたがいない世界に
意味がないのではなく
あなたが見捨てたこの世界に
あなたは ....
秋
全てが色づく季節
黄色の銀杏
真赤な紅葉
茶色の樹
紫が重なる夕暮れの空
目に優しいカラフルな季節
どこを見ても色があって
ふと、切なくなる
....
くちゃ、
おかあさんがかえってこないので、おやつにだされたゼリーをふんだ。
だいどころのゆかがつめたいのに、おかあさんはくつしたをくれない。
となりのうちのおばあさんが、さっきとんで ....
おまえが
おまえの母の指を握りながら
泣いていたので
どうしたのか聞くと
おまえは
母の左手の薬指の
銀色の指環を
指ごと握りながら
これが欲しいと
言って
....
オート三輪は
とくにダイハツのオート三輪は
蝉の顔をしてますよね
というわけで
ヌケガラも
オート三輪選詩集の
タイトル候補になったのだけど
魂のないヌケガラ
ガラガラと廃墟の中で崩れ ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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