蛇行する街路。指が辿る白砂、海を象る。塩化ビニルのパイプから流れ出る、清かな水。
指を介して移殖される経典。放浪者。苔生す隘路に咲く白花。
完了したら眠るだけの無垢。抽象だ暗喩だに満ちた ....
ショパンの旋律に震えつつ
掌を変拍子で打ち鳴らそう
湖で一番美しい白鳥なんかになるまい
烏たることに自足しよう
ぶざまに群れ
餌を漁り太り気味となり
ふてぶてしく騒ごう
そこから立ち ....
静かな
白い波打ち際の日
僕の息が風
少年は貝殻を探す
波と
鼓動が聞こえる
入道雲
笑いかけた日が
空を駆け抜ける
茜色の落ち葉を
歩道に叩きつけた日も
僕の息は枯葉を ....
1.しりとり
とり
とりのかげ
翳りの棘 (いりーだ
とかげの森
〈森
〈森の陰の森
2.とかげと森
きみは
森で石に抱きついている
とかげの心 ....
雨の中を
迷子の少年が傘を差さずに立っていた
誰かがそばにあったタオルを
子どもに渡してあげた
人のタオルを勝手に使わないで!
持ち主の声がその場に響く
頭を拭き終えていない少年 ....
君が おやすみ。と言ってから
僕が おはよう。と言うまで
こんなにも長い
時間を
僕はもてあましたまま
深い深い 暗闇に沈む
そしてまた ぼやけた時間の中で
追い ....
ボクは人間が嫌いです。人間は犬を苛めるからです。犬は人間を苛めません。人間は犬をぶちます。犬をぶって怒ります。犬はぶたれると怖くって、体を固くして小さくなります。だからボクは人間が嫌いです。
人 ....
何事もなかった
そんな天気
昨夜あんなにも悲しくて
泣き叫んでいたのに
変わったことといえば
痛いほどに腫れている目
それくらい
雨でも降っていれば
もう少 ....
そうして 又 やって来た
そうだ 今日という 現状の
悪行を 必ず 果たしたという
確立が 天秤に かけられ
多くの 雛人形の 影 が
見て取れる
俺達である という 現状は
生死に ....
ぽろりと零した言葉に
私は支配された
カモシレナイ
イイエ タブンソウナノヨ
アア ソウナンダワ
自暴自棄と嘲笑され
私の吐き出した言葉達は
この体を縛り付 ....
とりがいる
「Pain
「ぴア
弧を描き
弧をねがう
ひわひよひわ 啼き声を発しながら
希薄な大気には失語の気配
〈だがひとは、 太古 このとりの足跡を見て 文字を学んだのだ ....
君にあげたいものが
ひとつ、ふたつ、と増えていく
ピアスだとか携帯のストラップだとか財布だとか
(だけどお金がない)
時間だとか体力だとか技術だとか
(だけど方法がない)
....
火の向こうに
もうひとつの火があり
さらに向こうの火に重なり
ひとつのようにじっとしている
一本の木が
雨を呼びつづけている
丘は近づき
わずかに崩れる
....
開く度に人の貌だった
思いがけぬ このよの{ルビ摂理=ことわり}
華やかな秘密
どこの{ルビ世界=黄泉}への 扉なのか
人界の
花弁の上に閉開する ちょうつがいの{ルビ生物=いきもの}
羽 ....
あら どなた だったかしら
ずっと まっていたのに
ばか
いますぐ とんでいって
ひっぱたいて やるから
他人の気持ちの分からぬヤツに
詩を書く資格はない
とスタンドから野次が飛ぶ
自分のことさえ分からぬヤツに
詩を読む資格はない
と背中から声がする
何千何万 バットを振って
汗を流 ....
君と僕は
他人同士さ
顔も名前も知らない
他人同士さ
生まれ変わっても
また一緒になろうって
生まれ変わる前に
誓っていたのさ
ねぇねぇスズメさん、僕の体はいったい何色?
あら、カメレオン君、いたのね。気が付かなかったわ
今は木の枝にいるから、茶色ね
ねぇねぇネコくん、僕の ....
僕の黒いノートの表紙に
ときどき
窓が出来ていることがある
その向こうで
君のかなしみが
淡い落下をいつまでもつづけている
(背景はいつも夏の
{ルビ誰彼時=たそがれどき}か
{ル ....
あなたの望むかたちに
そぐわない私の心は
たとえばタイルのように
こまかく割ってしまおう
そう、ガウディっていうカタルーニャの人も
言っていたように
そのままではただの四角かもしれない ....
生まれたときから傍で横たわってた溺れたての見知らぬ人が
見えなくなった今日という日
あの人が選んだのは私でなくて日常と私を繋ぐ糸であり線だったと
悟りつつある今という瞬間
さよなら糸さ ....
晩秋の青空に
黄金色の銀杏が舞う
どこまでも澄みきって
引き込まれそうな深淵
この時期
ぼくらは
いつも
ふたりで
深淵を見つめながら
露天風呂していた
のほほん
の ....
羞恥心の要んらん肉布団の重心で逆子のふりして対角線上で待つ週末、
「超弩暇」
思索が狂牛病になったら、深い空中を泳ぐフリーズドライの肝を吸う。絶紅潮なストローで。
アッー!過酸化水槽沈んで未 ....
見えては いなかった...
かっこうの 産声が 森を 編み
絹糸を 伸ばして 進み ながら あおいで いた
どうしようもなく あかるい 双眸の 記憶の 波が
茫漠とした ....
なんとなく身体が重い
洗濯機を回したはいいが
この雨で干すことができやしない
眠りの公園を
何度も行き来した後に
熱いブラックコーヒーを口に運び
ままならぬ夕方の ....
ここにあるのは、ヒミツばかり
どうして、こんなふうに なってしまったんだろう。
ヒトを信じるのが こわくなって
....
っあ
っあっあ
影が動いた
ちょっと大きくなった
なんか大きくなったなぁ
なんか足が重いなぁ
っあ
っあっあ
足が影になってるなぁ
....
落第してゆく大人たちを
進級してゆく子どもたちが
通り過ぎてゆく
落第する大人たちは
進級することは過去にしかないと
思いながら
冷えた体で下を向いて歩いてゆく
丸まった背中が小さく ....
夕刻よ もっと光をください
冬の息づかいが とても つめたい
雲のミルフィーユ レースの裾に
遠い日のさくらのような
幻想の海が広がっている
雲の山 空の海ね
幼い頬のかけらが 溶かさ ....
もし
きみ が ぼく を
ガラスの水晶のように
見てるなら
少しでも指にふれたら
汚れてしまいそうな
壊れてしまいそうな
世にもきれいなものとして
見てるなら
....
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