マンジュシュリ・ミトラの死んだ朝
わたしは聖河で衣を洗った
水の底でゆらめく草が
女の黒い髪の毛に見えた
空はおぼろな光に満ちていた ....
音は高く
鳥の背にのり
光はにがく
水をつぶやき
道にこぼれる
日々の花房
砂の花 花の乳
うすくくゆる みどりの
建物は泣き
門は目をふせ
かつての幸は
....
泣いても笑ってもただただ醜いだけだった少女はやがて年を取り大人になり老人になり灰になった
彼女はただただ醜く
自分を呪い
両親を呪い
周囲を呪い世界中を呪い
(友達はいないので友達は ....
雨上がりの砂利道を
そろりそろりと踏む石の
聞こえてくる砂音に耳を傾ける
それは優しさ
道の左の林より
枝から枝へと飛ぶ鳥の
聞こえてくる羽音に耳を澄ます
それは温もり
どこか ....
いまからみんなでたのしくげきをします
お前は何をしとんねん
お前は何をしとるんか聞いているやろ
答えんかい
同期があっこまでやっとるんやぞ
お前も脱げや
ええか
主役はお客さんや ....
赤い、地下の
ハードバップ・バーで
奥行きのない顔が
黒に塗り潰されて並んでいる
冷え切った
巨大なJBLからは
バド・パウエルさえも
押さえらない
その指先の
鍵盤も視線も
....
山になった洗濯ものの回りで
君は
春のような
スキップを踏む
{引用=おうちを買わなければ、よかったね
だって、お金持ちだったんでしょ?
たた、たたん}
ちいさな袖をそろえて
重 ....
黒いカラス、黒い羽
世界の果てを見に行こう
神様は死んじゃった
つまりは神様は存在していたと言うこと
足跡を残したぬかるみは
ほどよい弾力で有る限り
アタシの痕を残しつづけ ....
カモメは海沿いの線路上を飛んでいる
超低空で
軌道をいささかも外れることなく
線路は間もなく
海を逸れて山間へ入る
線路に添うか
海に添うか
カモメにとっての岐路だ
カ ....
こころのバランス。
わたしは、月の流れのように、
ときに、その波にのまれてしまう
自分を見失うことにも 慣れているのだけれど ....
『僕は無知で』
僕は無知で何も知らない
僕は無知で常識を知らない
僕は無知で物を読むことを知らない
僕は無知で知識がない
僕は無 ....
朝は失望の青い匂い
小さなテーブルの上には
ビールの空き缶が並び
頭に鈍痛を抱えたまま
ネクタイを締めて鏡に向かう
寒々しい街路樹を駅へと辿る
前を歩くOLの後姿が
い ....
理性の時
創造の野
脳髄の遊撃は
この地に印を刻みつけ
この空に線を強く引く
理性の爆発
論理の爆風
そして この地は空は
霊的な焔に包まれてゆく
上げ潮のごとく
....
おもちゃをかたづけなさい!
またしてもかおりちゃんちで怒られた
かおりちゃんのおばちゃんはこわい
そしてかおりちゃんは秘密をささやく
「お母さまはほんとのお母さまじゃないの。ごめんね」
....
覚えたての言葉で
精一杯表現していた頃
小さな町の小さな囲いで
小さな喜びを模倣していた
道端に咲いている花は
意識して歩かなくても
簡単に見つけられた
そっと顔を近づければ
鮮明 ....
事象の地平へと
私は翼を広げて翔び立った
すぐに行き着くかに見えたが
翔べども翔べども
それは見えてこない
続くのは
大いなる地平のみ
翼は上昇気流をつかみ
さらにさらに高みへと舞 ....
穏やかな夜に静かに沈もうとする頃
心亡き者が一石を投ず
心に{ルビ小波=さざなみ}広がり
ベッドの上の枕が震える
執着する人
努力する人
無欲な人
流されるままの人
....
暗い夜道を独りきり歩く
ビルディングの四角い隙間から
零れ落ちる白い光の柱
あの中できっと誰かが呼吸をしている
そう思うとなぜか悲しくなって
紺碧の夜空はどこまでも続くのに
どうして僕 ....
夏風にゆれる草原のようなもの
夏風と混じったシャンプーの香りそのもの
睡魔の奥で見つける愛しさ
電話回線の雑音そのもの
(ハロー?もしもし ハロー?ハロー?)
今 ....
ずいぶんえらそうだ
何様だ、ユー
言われるまでも無いぜ
オレは自分で自分の肩をはずす
ブランチは午後六時で
日が変わるまでにもう三回転
カエルイーターの付けッ鼻
卒業チョップ ....
背中、くっついちゃうね。
語尾で分かる、彼女は眠りそうなんだと、
顔が見えない。
抱き合って繋がりあって、その先まで考えていたけど、
今はこれがコップの全て、せ(か(い
違う世界を見ていかな ....
宿題が終わらん
全くぜんぜんまったく
終わらん
まるでまるでまるで壁
俺当たって砕けて食われる
あまりにも終わらんから
しょうがなく俺はシャーペンに命吹き込まんといかんね
しょうがな ....
悪魔の嘆き投げキッス
伝う唇の歌に惑う
涙の味はレモン味
皮肉の背中を伝う味
優しさ色した太陽の
翳りに見つけし君の顔
天使の仮面を作るのは
職にあぶれた天使の子
....
光景という
言葉が好きだ
光る景色は
その気になれば
どこにでも見つかる
輝いている街路樹
ビルに切り取られた
青空
ターコイズブルーの
川面
優という言葉が
好きだ
優し ....
今日は夕陽がきれいから
明日はきっと晴れでしょう
朝には霧が立ちこめて
蒸気で喉をやられそうになっても
明日はきっと晴れるでしょう
そして今この場所は夜だから
きっと、 ....
室内ではコートを脱いでください。
どこで手に入れたコートか知りませんが
その、薄弱な意志を糊塗してくれるコートを
今すぐ脱いでください。
自分でない自分を自分だと言い張ることを
今のところ許 ....
わたしは 多分 あなたが好きです
多分って などといぶかしまず 今は聞いて下さい
わたしが あなたを 想うとき
それは とても 哀しくなるのです
何故なら 恋慕の情 ....
きみの首はしろくてほそくて
手折られるのを待ってる野菊の茎
だなんて
心底バカ丸出しな手紙を見つけて
真夜中にひとり
わたしはけらけらわらった
ああそうなのねそうなんだ
だからあのひとは ....
今夜の空に2つの月が浮かんでいる
どちらもまあるく太った月だ
その色もその形もまるでそっくりおんなじなのに
照らすあかりは全然違う
右の月は煌々と
くっきり僕ら ....
正しいことを言うよりも
正しいことをすることの方が
ずっと正しい
立派なことを言うよりも
立派なことをすることの方が
ずっと立派だ
正しいことをする人は
正しいことを口にしない
....
4976 4977 4978 4979 4980 4981 4982 4983 4984 4985 4986 4987 4988 4989 4990 4991 4992 4993 4994 4995 4996 4997 4998 4999 5000 5001 5002 5003 5004 5005 5006 5007 5008 5009 5010 5011 5012 5013 5014 5015 5016
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