どこにも行かないで
そばにいてみつめて
月も凍えるこんな夜は
誰もが人恋しさに震えながら
星の{ルビ運命=さだめ}に想いを寄せるの
流星がスパークしながら
落ちて行くわ涙のように
....
猫のいる家は{ルビ密=ひそ}かな契約の匂いがする
猫を飼うときには年季を言い渡すきまり
人の家に長く居すぎると
{ルビ猫又=ねこまた}になってしまうのだ
こどもらが自分の部屋を持ち
夫婦だけ ....
夕暮れの冷えた風受け
肩すくめ襟かきあわす
山際に光の名残
空の色すでに濃紺
並木道力の尽きた
枯葉たち道を埋める
吐く息の白さ際立つ
針の様 澄んだ空気
冬が来た 葉をむしりとる ....
昼のまどろみ
爽やかな 午後に
香など 燻らし
読み止しの本を 手に取る
曇天の 遠い 午後
幻視のとき 訪れる
南の開け放たれた 窓 空から
南洋戦線ノ戦友帰還セル
....
喜びのうたが
空から零れてくる
おはよう、おはよう、おはよう
躍動するエネルギー
まあるく紅く凝縮すると
ほら、朝が来る
大きな蒼い空に雲
浮かび、たゆたい、 ....
陽だまりのベンチで
あなたの姿を見つけたよ
何気ない仕草のひとつひとつから
幸せのあり方を掬いだしては
これで良いのだと
ひとり頷くあなたの姿
大きな卵でも抱きかかえるように
胸の前で孤 ....
近づいてくるその時を
気付けど、なぜか 見ないふり
逃げ回るのは、心だけ
追い詰められた、その時に
実感さえ
どこかへ置き去りに
現実から
半歩先へと、移ろう心
羽などは生えて ....
君はいつだって まわっていた
くるくるくるくる まわっていた
「飽きない?」って 心の中で何度も尋ねていた
どうせ君は「まさか」と答えるだろう
何でもないふうをして 繊細なあなた
いつだ ....
あんたがなァ喜んでくれんなら
あんたがなァ気持ちええと言うてくれんなら
うちの手のひらがこすれて
皮膚がベロベロになってもえェねん
喉奥で吐きそうになっても
我慢したるわ
....
ある日松葉通りで少女を助けた.
少女はガラの悪い男に絡まれていたわけでもなく
落とし物をしたわけでもなく
道に迷って途方にくれていたわけでもなかったが
助けを求めており
僕はそれに答えた.
....
雲が空を覆う
星はかけらすら見せず
唸る風が耳元で囁いている
心を空虚が支配する
何も無いように見えるけど
目を凝らしてみれば
底にある笑顔が見える
忘れていたはずの
覚えてい ....
途切れさせないことを唯一の目的にして
わたしは
大きな夜を千切り続けます
半分をまた半分に
それをまた半分に
そうしていればいつまでもなくならないのです
君の髪 ....
全能でないが故のモザイク生活
喜びと哀しみが交互に訪れる
ここまで歩いてきた道
それは誇り
それは恥
つじつまを合わせながら
裏通りでつまずいたり
表通りで ....
私が眠っている 界の隙間で
空がどんなあくびをしているか
そんなことが知りたくて
目を覚ますと、忘れてしまう
後頭部に焼き付くような
落日のあの色を
惰眠のみやげにしようと
まぶたに ....
今晩も冷えますね
こんな夜は
ゆっくりと埋もれたいので
わたし
暖かいお湯を今沸かしているところです
お湯が沸くまでの
細切れの手持ち無沙汰の時間
少々わたしのおしゃべ ....
元居た部屋の
顔のない人物に
猫の笑顔をはめて見た
ステンドグラスが煌めいて
ほの暗い部屋にも光がさして
顔のない人物は喜んで
跳ね回り
踊り回って
暫し黙祷
祈りを真似て
十字を ....
夕暮れの
紅き流れのきらめきと、水面を渡る
風のもろ手に撫でられて、
君の黒髪は
恥ずかしそうに夕日にはだけている。
私は
遠くの日を見ている君の横顔を見ながら、
なぜだか、そっ ....
またも私はおまえを泣かせる。
気付くことなく
言葉は冷酷さを増し、
おまえの耳は、
兎のように目を赤くする。
近寄るごとに、
言葉を交わすごとに、
私はおまえを泣かせる。
君が去り行く間に、
僕は唱えていた。
名残惜しいような、寂しさと
いい男でいたい
自分の可愛さが、君に悟られぬよう。
そんな自分を知りながら、
別れのしるべを導いている。
....
月明かりの海に
ほのかに明るい雲の輪郭が
宙に浮かぶ島のように流れていく
無数の星々は灯台で
動く飛行機の灯りは
湾に停泊する船の灯りなのでしょうか
そして
それを見上げる私は
....
* とまどい *
夢の中で
わたくしは
おんなだった
目覚めても
なお
わたくしは
おんなだった
こんな朝もあるのね
* デイズ ....
ひとつ ひとつ
星が尾を引いて
宵を流れていく
夢の跡を引いて
彼方へと流れていく
ひとつ ひとつ
掛けた願いが流れて
人はいつか星を無くす ....
自転車のチェーンが切れた
それでも彼は構わずペダルを踏む
漕ぎ続けたところでどうにもならないのに
やっぱり彼はペダルを踏む
ほどなく自転車は止まるだろうが
それ ....
温くなったコーヒーが 傷口から染み渡る
ホントはただの 泥水なんじゃない?
黒く濁って ドロドロで まるであたしの心みたい
カップの底なんて見えやしない
人間なんてそんなモノね ....
君が疲れきっているのは
ずっと走ってきたから
君が泣いているのは
ずっと戦ってきたから
君が落ち込んでいるのは
ずっと努力してきたから
君が笑っているのは
ずっと耐え続けてき ....
雨のけむりがからだをぬらし
その刹那の一滴一瞬
服の埃が舞い上がり
微細な雲母のわずかな浮上と
急激な沈下がおこる
ひとつひとつの粒子たちは
街灯のかがやき
店の明かりをすいとり
....
鮮やかな色に道路は染まり
君の淡い朱色の髪と似ていた
家と家の間を抜ける様に光は僕らを照らす
眩しくて瞳を背けた
その間に君は僕の視界から消えた
小さな悪戯が僕を困らす
....
悦びの子。汝はいとすこやかに悦びのこえをあげる。かみのあいしたまいしわが子。君はまなじりをあげて前へ前へと進む。いとうつくしき神の子。なんじに倖せが真白き倖せがもたらされますように。
前に 誰かと話したことがあった
好きな人の好きな人が親友だったら
親友の好きな人が好きな人だったら
わたしは好きな人を好きであることを辞めると思うよ
まさかそんな 漫画みたいな話
....
たとえば
永遠にわたしの思いが伝わらなくとも
あたしはあなたを愛しつづけます
わたしの愛が苦痛ならば
わたしはあなたのために命を投げ出せます
....
4967 4968 4969 4970 4971 4972 4973 4974 4975 4976 4977 4978 4979 4980 4981 4982 4983 4984 4985 4986 4987 4988 4989 4990 4991 4992 4993 4994 4995 4996 4997 4998 4999 5000 5001 5002 5003 5004 5005 5006 5007
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