からっぽの冷蔵庫
ぼくはおなかを鳴らしてる
奥のほうに バームクーヘンがあったので
今日は これを食べることにしようかな
そっと袋から取り出して
果物ナイフで綺麗に三等分して
皿の上で ....
商店街の呉服屋には
座敷わらしが出るんだ
『呉服屋の座敷わらし』
何年も前
近所の商店街は
七夕が近づくと
ささやかながら華やいでいた
電燈の高い所に
白と桃色 ....
(クスリをください)
銀のアルミの包みを破き
白い錠剤のそれを飲む
それは良く眠れるためのクスリ
他にも
不安にならないためのクスリや
落ち着くためのクスリや
発作を押さ ....
今日も故郷は 晴れているか
母が植えた紅い芽は
今でもそこに しかとあるのか
三月に君が僕と同じ道を辿り
東京に出てくることを嬉しく思う
今年も四月には
桜が舞い 僕達は遠く離れた ....
ひとひらの思い出のカケラ
走馬灯のように右脳を走る
凍えてぬくもり求めて歩いた我が青春
過ちをするなとは言わないけど
繰り返さないこと
それこそ大事
絶え間なく続く命の鼓動
....
― うち・・・うち・・・
誰に恨まれてもかまへんで・・・
一生あんたについていくんどす!
と言われたことは
少なくとも十二回はある気がするが
そういやオレは九州から出 ....
早坂サイクルで6千円で購入した中古自転車に乗って俺は
職業安定所へ向かった。なぜ職業安定所という言葉を
使うかというと、職安の安は安定の安だ。今はハロー
ワークという愛称になっているがハローなん ....
哀しみを抱き締めるみたいにして
君はありったけの力で私を包む
私は熱に浮かされた
白痴みたいに言葉を紡ぐ
「愛してる」
生きるって哀しいね
でもとても素敵だね
なんで泪が ....
そのみこなし、柔らかな幾何
そのあしあと、極短時間の化石
猫は固体でも液体でも気体でもなく
都会につきさす、猫の武装!
極彩色や鈍色
生き延びた影にただ延びた陰
絵画の ....
金色の海で
私は上手く笑えていただろうか
『金色の海で』
郵便受けに
見なれない封筒が入っていた
差出人は
失踪した親友からだった
彼は
一年前に妻子を亡くし
....
壁の取っ手にかかった鍵は
{ルビ紐=ひも}がほどけてするりと落ちた
それを拾って結んだぼくは
壁の取っ手に再びかけた
( 紐をつまんで手にした鍵は
( いつも人の心の鍵穴に
....
ぼくらはいつも
見ていたんだね
同じ窓から
午後の青空
透ける葉脈
震える小枝
それらにも似た、未来
ぼくらはいつも
感じていた
同じ風を、違う感受性で
教室にいる ....
つらくて悲しむ日
苦しくて泣く日
たくさん たくさんある
だけどその分
うれしくて笑う日
楽しくて心弾む日が
きっと来るって信じてるんだ
あなたはどうですか?
少し 信じてみません ....
小さな橋に降りる雪
白さが覆うこの道の
自分がつけた足跡に
露わな土がこそばゆい
会う石像に積もる雪
白さが被るこの方の
頭に載せたその綿に
微笑む顔があどけない
広い野原に渡 ....
一本の意志で繋いだカイト
風を受けて泳ぐ
追う風も、向かう風も
すべて流して泳ぐ
抗わず泳ぐ
一本の意志で繋いだカイト
黒雲の下なお徃くならいずれ ....
世界中のぬけ毛を集めたら
いったいいくつのコートが出来るかな
そんな仕事をしているのは
世界にたった一人の毛取りおばば
毛取りおばばは寒がりだから
地球に毛の生えた生き物が現れてから
....
机の引き出しの奥に
わずかばかりの
どこにでもある土の入った袋
これがふるさと
都会のコンクリートの中の
ほんの少しのふるさと
自分が生まれ育った土
袋を開けると
ふるさとの匂 ....
いつもの学校 深い夜染みた校庭にて
人影はふたつ
月影はひとつ
答えに問うは羽根の無いほう
問いに答うは羽根の在るほう
そう
片方には在るんだ
片方には無いんだ
そ ....
わけのわからぬ管がいっぱい
ついたあなた
また生き延びてしまったな
そんなこと言って
笑うあなた
現代社会の中に生きて
機械使うこと許されません
しちゃいけないこと
....
蟻の触角をプチリと抜いた
前足
真中
後ろ足
一本ずつ丁寧に
壊さないように
壊していく
壊れていく
あぁ、まただ
また足元から上ってくる
おまえは助けたいの
と聞いてみ ....
そんなこわいかおしてみないでくださいよ
初めて会って話すあなたに
あたしのなにがわかるんですか
と
キレそうになりつつも・
あなたの趣味はなんですか
文章を書くこと ....
夕暮れの風が優しいので
少しだけ手袋を外してみた
小さな枯葉が僕の手にのった
電車に乗ると人ごみが恐ろしく
そっと息を止めてみた
苦しくて苦しくて仕方が無かった
駅からの帰り道に雨 ....
あんたが どう 言った所で 世界は 一億の 感情的な医師によって 作られている
強いて言うなら no name
そう 飛ぶ はねる
もし 俺が 巻貝であれば
no name
であった ....
珪石、打ち鳴らし、
火花が砕けた。
日々には
何も影響しないし
縫い付けない。
去年の冬に読んだ、
ある外資系投資家の
凡庸な装飾と比喩、
エチオピア・ハラーという珈琲が
おいしいく ....
後を返ると一人
寂しい時は音楽を聞く
君の友人の一人
悲しい時は料理をする
セロ引きのゴーシュでも
演奏会には弱い
ピアノの音
波の音
僕を信じて下さい。
愛の人について来て ....
嫦娥トロフォンティーヌ虚舞
ステラ星翳
藍為らぬ窗灯の一季
拘束為れぬ黄輝なる
嘴々に
闇筥の宿り焔
火華萠炎為る
桃彩のライトサーチ
四千年の幻螢漆闇に
靈の夕べ
....
きっちりきっぱり引けている。
ペッコリ腰が引けている。
類人猿がさ。
お前腰引けてんなあーっていうくらい。
ガッチリ綺麗に引けている。
メジャーリーガーがさ。
こいつ ....
銀杏の葉が
真夜中のイリュミネイション
誰もいない夜
風が銀杏の樹を抱く夜に
流れ星を見上げていたら
それは空から舞い落ちた
数限りなく降り注ぐ
優しい言葉の欠片のよ ....
夕方になって
牛乳がないことに気づく
幸いスーパーは
わが家のまん前で
24時間ずっと
誰かが買い物をしている
まだ辛うじて生きているもの
死んで間もないもの
ずっと前に死んだ ....
灰色の夜明けに
屋上から飛ばした紙飛行機にのって
会いに行けたらいいのに
道には沢山の紙飛行機が墜落して
車にひかれてつぶれてる
4946 4947 4948 4949 4950 4951 4952 4953 4954 4955 4956 4957 4958 4959 4960 4961 4962 4963 4964 4965 4966 4967 4968 4969 4970 4971 4972 4973 4974 4975 4976 4977 4978 4979 4980 4981 4982 4983 4984 4985 4986
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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