一、
欲するのは桃色の乳房であり
熟れた林檎の頬ぺたでもあり
二、
卵殻のなか足の指で貪る夢という名の水菓子
三、
拒むために無知を選んだ
意識した愛情も無意識の悪意も
....
目が覚めて
階段を下りたら
まだ雨戸の開いていない
暗い部屋の食卓に
お{ルビ節=せち}料理の重箱が置かれていた
「 寿 」と書かれた紙に入った{ルビ箸=はし}が並ぶ中
ひ ....
アスファルトの道路になりたい
たくさんの人の足や手に踏まれ
動物の糞尿に汚され
言葉を読むことも書くこともせず
さよならも言わない
それで何が許されるわけでもないけれど
なだらかにカーブし ....
照る岩に
砕かれてゆく波のうつくしさ
それはもはや
言葉には乗ってゆかない
冷たい、
というわけではなくて
いつからか
鋭いものが岬だとおもっていた
まるくても
まるくな ....
寂しくなって
歌う場所がなくても
森が舞台になってくれているよ
そっと行ってごらん
悲しくなって
歌詞が思いつかなくても
鳥が平和の歌をさえずっているよ
そっと聴いてごらん
孤 ....
{引用=僕がチャーくんに出会った頃は
魚が飛んでいました
鳥が泳いでいました
月が溺れていました
太陽は寝ていました
僕の世界は笑うことを知りました
}
初詣に行く前に
チャーくん ....
「今、決めた。 君、明日 銃殺ね」
不感症の空の夢
肩にオウムをのせた男がそう告げて終わる夢
ざらり
咽喉が渇いて
冷たい白い空を見る
夜のあいだに生まれたばかりのかまきり ....
男は病気にかかっていた。
しかし、とっても幸せだ。
なによりも心が満たされている。
だって、家に帰ると大好きな人が待っていた。
だから仕事も辛いと思わないし、体も苦しいと思わ ....
除夜の鐘が鳴るたび夜は更け
私の手元には読みかけの本
なにも変わらずただ
静かな世界に時だけが音を刻む
目を瞑ると蘇るのは
外の木々と爽やかな風
傍に居るのが自然だった貴方の笑顔
....
花粉少女は飛んでいく
一人の女を取り合うが故
多数の男の遺伝子乗せて
花粉少女は飛んでいく
二本の腕と二本の脚
一本の彼女が持たない巨大なもので
未完成な昆虫たちは
五 ....
むかしむかし
{引用=(少し長く眠りたいんだ)}
めでたしめでたしにはなりません
『姫君と王子』
その日の姫君は
黒いシックな
ショートドレスに
本 ....
胃の中で日に日に育っていく
バオバブの木が
喉を突き破り
枝葉を広げて
灰色の空を深い緑色で包む日は
そう遠くないと
信じている、きみは
多分、
いつか年老いてしまっても
誰かを ....
街はゆっくり朱にそまる
ポケットに手を突っ込んだまま
身体を縮めて
僕は焼けていく空を見る
白い息は宙を舞う
涙が零れて
それは嗚咽になった
僕はもうどこ ....
フライングで駆け出したあの 太陽を
追いかけてみようかと 君は言った
暗闇の中
何も見えないのに 走れるわけないじゃないかと
嘲笑って僕は
その場に座り込む ....
黄昏の席から
いつも見ていたプール
その底に沈んだ石を
誰にも内緒で拾いたくて
夜中に学校に行った
天気予報は雨
錆の味がする梯子を
黒豹になって昇る
銅鑼の満月灯り
忍び足
....
故郷の駅
雨が降り出した
電車を降りた客たちは 空を見つめ
駆け出す人 傘をひろげる人
迎えを待つ人など 秋の夕暮れだった
五〇年昔の阪急神戸西灘駅
少年は改札口で母を待っていた
....
最後の日、最初の日
間の少しの瞬間に
私は眠る
何にも属さない真空の時間に
私は密かに
眠っている
最後の日
私は何を思ったか
張り詰められた息苦しい
そんな時 ....
今年のファーストキスは、
誰のモノになるのかな。
手を繋ぐ人は居ないから、
そのまま、そっと抱き寄せることないし。
淋しく、空を見上げても。
どうしようもないんだね。
誰にあげ ....
彼は
あたしが寝た頃にいつも電話をしてくる
きっと
人が一番寂しくなるような時間に
事故からまだ半年
彼はよく将来のことを話す
そして吐き捨てるように過去を話す
あたしに脅しかけるよ ....
今日夢を見た
内容は思い出せないけど
でも、あったかい夢
君の笑顔を
見れた気がした
ねぇ、もう一度
夢見ていいかな
勘違いしてもいいかな
君は僕がすき
....
おばあちゃんが倒れた
おじいちゃんが死んだ年だった
一年に二人も愛しいヒトを亡くしたくなかった
おばあちゃんは助かった
お見舞いに行った
見たこともない親戚が沢山いた
病院の匂いは嫌いだ
....
「寒い」
と言って俺の袖を引っ張る君の手を握り返す
「あ、別にそういう意味じゃないの」
振り解かれる手
お前は平気でそう言う事を言う奴なのだ
きのうはおおみそかでした
そしてきょうはおしょうがつになりました
このわずかいちにちのちがいで
テレビはおおはしゃぎしています
あなたはどうおもい ....
ぼうっと空が染まりだす
月明かりに変わり太陽の予兆
石段に腰掛ける年老いた人
賑わいの境内
泣き出す兄弟
少し先には白いテントがある
もうすぐだからね
そう言うとぐずりながらも
うなず ....
年の瀬に電話をかけた
君の声が聞きたくて
何気ない会話
何気ない時間
それじゃと言う
電話の向こう
次に話すは誰の声
今年は亥年だから
スローガンは猪突猛進
なんちゃって(笑)
だけど正直
特別な目標を立てようとは思わないよ
いつも頑張っているからね
強いて言えば
ずっと君と一緒にいたいな
な ....
朝
今年という
新しい光が大地を照らす
白い土から黒い土へ
今までの土に
さらに新たな土へと変わる
大地
今年という
新しい風が空へと舞い上がる
平らな丘から深い森へ
今までの ....
明けましておめでとうございます
詩を通してのメッセージですが
今年も宜しくお願いします
この詩を読んでくださった方々
読んでない方々にも
今年は皆さんにとって ....
私は痛みを持つ
貴方の言葉はショックだった
彼女の痛みは僕の痛み
彼女の怒りは私の悲しみ
生きるのは大変
全て私がいけないのだ
苦難は耐えがたい
だって好きなんだもん
行き止ま ....
寡黙に積み上げては自分でまた崩す
終わらない宙の遊び
誰も相手のいない独りの世界
肉体の内側で確か創り上げた硝子の街
そこで永遠に暮らしたくて
また人差し指で弾いて積み上げ直す
手錠で ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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