闇に落っこちたので
わたしは強く目を閉じました
瞼が痛くなるほど強く
そうしたら目の奥の方に
赤黒い光が浮かんできたので
わたしは手探りで
そちらに向かって歩きまし ....
暮れかかる
陽の手は伸びて
居ならぶ雲を
染めあげる
夜の扉をひらくため
灯された
あかりのように
瞬き、
という行為の
間に間に見える
人と人を結ぶ
曖昧な影
「優しさ」 ....
あの夜の別れ際
君がくれた戸惑いながらの投げキッスで
私は君に恋をした
「夜のあなたはいっそう美しい」
なんて言葉までくれたから
近くにいいた同僚に冷やかされても平気な君は
弱虫のようで弱 ....
あなたはためすように
月を詠むのです
椿の花が落ちる夜に
闇から色を分かてるのか
ためすように
あなたは月を詠むのです
くれなゐは
いつぞの契り
くれなゐは
今わにみ ....
きなこ餅
きなこ
なっとう豆の納豆
おもちのあんこ
うぐいす餅の卵
まごまごして
迷子になった
お餅屋さんの孫に
お菓子をねだられて
負ぶっていったら
お菓子屋さ ....
そこに
ひめられたもの を
ちから
と よぶ
だいちの ち
わたしの ち
ちえの ち
ち に ひめられたもの
ち から
うまれでるもの
....
甘い雨雲に
昨日の罪を流してもらいたい
淡い夕雲に
今日の罪を溶かしてしまいたい
白い夏雲に
明日の罰を映して欲しい
「祈りたいことがあるなら」
罪が罰では償われないようにし ....
眠れない日が続いて 吐き気が止まらない
夜になれば
君は歓喜の声をあげているのか
オンナを性欲処理の道具でしかないと思ってるオトコの上
何度も口の中を噛んだ
き ....
濡れている
そして ひょろながい
足のうえの
女の からだを
ひもといている
水が流れる
水車が回る
水が回る
僕は僕の血液で回る
風が吹く
風車が回る
風が回る
僕は僕の呼吸で回る
陽が昇る
地球が回る
陽が回る
僕は僕の意志で回る
星が輝 ....
黒い雨に包まれる
しかたない
濡れるからしかたない
濡れたからどうしようもない
諦め半分
適当半分
遠すぎる月遊び
黒い雨を投げる
届かない
知っている
切ってみる
....
地図の上の路上に思いを馳せる
イメージの向こう側 飛んでみせてみる
目の前の花畑 が、なんの花か僕は知らない
その花に止まる虫 が何ムシか僕は知らない
見た事もない ことは知る ....
とらわれた視線は激しく渦巻き
こわばった猫背の腹ばうかげを追う
かたよった視力で煤けたトルソはゆがみ
まがりくねった路傍のほこらにひとみをうつす
....
それでも止めないのは
あの一言のおかげだと思っている
『最期の写真家』
気付いたのは
老夫婦の写真を撮った時だった
仲の良い夫婦で
金婚式の記念にと
シャッターを ....
誰がために。
声を殺して泣いてる姿が
とっても切なくて
僕は大きな声で泣いたんだ。
・・・いつしか声は共鳴して
「ありがとう・・・。」と
た ....
昼下がり
雲がぼやぼや流れている
ハラピンが道を歩いてきた
ぼーとしながらふらふらしている
俺を見ると
ダッシュでやってきた
汗でふにゃふにゃした原稿用紙を押し付けてきた
読 ....
小さい頃
雪っていうのは神様が落とした
宝石だと信じていた
人が亡くなって
魂が神様のところに逝く
また人間として生まれ変わるとき
人間だったときの記憶は
宝 ....
おかもと君は
わたしの初めての人に
なってもいいと思ってたのに
夢ばかり語って
てんこーして行ってしまった
手紙を書くよと言ったきり
年賀状もこなかった
おかもと君の夢は
とほうも ....
言葉を言うのはいつもあたしの役目だったね。
「さよなら」すら発することのない、君はとてもずるい人だった。
約束は守ることではなく、することに意味があるもの。
そう、だから「ずっと一緒にいよう ....
私は石ころである
時には道端を転がり
時には水面を駆け抜け
時には水に沈み
時には・・・
私は石ころである
時には窓を突き破り
時には人様の顔面にぶち当たり
時には車に激突 ....
電車が動き出す
もうすぐ地下を抜け
地上にでる
在るはずも無い風景
白い曇り日
多摩あたりに向かう
神社や商店街
見慣れた居酒屋
風の匂い
空気の湿度
ガタン
風景が一つ ....
お空の上にある二つの光
彼らが出会う瞬間が好き
太陽さん忙しかったでしょ
ご苦労さん
そうなんですよ、お月さん
今日は本当に大変で
今から休憩に行ってきます
そう言って二人が ....
痛む胸の真ん中で
紅い小鳥が叫ぶので
今夜もうるさくて眠れやしない
不規則なリズムで
小躍りしている
僕は起き上がって
小鳥を宥める
あと少しだけ時間をくれ
....
一つの愛に終止符を打った君よ
愛の破局を迎え 失恋をした君よ
自分を責めないでおくれ 苦しめないでおくれ
君に背を向けた男は 他の女の子宮を虎視眈眈と狂っていることを知るがよい
....
目隠し鬼さん
手の鳴る方へ
おばかさん
後ろの正面は誰
あの子が欲しい
十五夜お月様
ぺったんぺったん
ウサギを殺せ
(うんざり)
あの子はいらない
....
泣きたくないから
現実なんか見ないよ
泣きたくないから
歌なんて聴かないよ
泣きたくないから
家具は捨てます
泣きたくないから
街には出ないよ
泣きたくないから
泣きたくないから
....
・
夕暮れの遠くに霞む
四台のクレーン車は
輪を描くように向かい合って
なんだか
太古の昔に滅んだ恐竜の
弔いをしているように見える
・
朝に洗濯物を干す母親は
太陽に両腕を広げ ....
世界が僕を巻き込むような大きな嘘を掲げたならば
僕はきっと見るんだろうな 悲しい話のその続きを
空しい日々が覆いかぶさり 偽善的な言葉を吐いて
それでも僕は生きるんだろうな 悲しい話のその続 ....
ほんのりと白い
すべすべでつるつるの
つきあかり!
幾つもの
何千何万のいのちが引きつけられた。
廻るよ ほうら、
ゆっくりと
....
テレビの中では
若手のお笑い芸人どもが
必死になって目立とうとして
大げさなリアクションを
次から次へと連発している
生放送なんだし
いっそのこと
そこで死んだりなんかしたら
もの ....
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