あはれ女の妖かしは
されど現の恋か知らん
まるで豚の子を産んだ
素知らぬ顔の母の様
嗚呼待てど暮らせど来ない人
足が地へとへばり付く
そこから地下へと根が生えて
私の血が水 ....
{ルビ私=わたくし}は一日の終わりに
あるいは毎食後に
または休日の安らぎに、人待ち時に
いつかどこかで、あなたに出会うだろう
砂糖も入れていいよ
ミルクだってお手の物さ
閉じ込められ ....
あなたは計量スプーンの使い方は知っている?
ただ ただ これですくえばいいだけではないのよ
液体と固体とでは 使い方が違ってくるのよ
たとえば{ルビ味醂=みりん}のような液体のときは
....
なんでかねェ
止められへんもんてあるんやねェ
唖っという間のことで
なんや悲しむ暇もありゃせんわ
痛かったやろねていうても
苦しかったやろねっていうても
後の祭りっちゅうのはこ ....
誤解していた
満たされたはずの 海が
遠くひいていくような
それは
あなたの意味が乾いていく
雑踏の中で
あるいは
読みかけの本
ぱたんと 閉じて
私の中にある
....
目の前に並べられた
あたしと彼の渋い色のマグに
焼酎がなみなみと注がれていて
お酒のあまり強くないあたしは
今日の酒宴の成り行きを
密かに覚悟をする
飲めないくせに ....
どんなに思っても、それは私の内だけ。
だから、察しないでください。
どうか、気付かないで下さい。
おねがいです。
私が心を決めるまで、知らぬ振りを。
おねがいです。
....
蜂蜜のような青さで、と誰かが言ったので何となく納得した。最近は何となく納得することが多い。空は蜂蜜のような青さでとろりとろりと甘いもの好きな子供たちを誘うのだそうだ。それから耳。耳たぶが際限なく広がっ ....
こんな自分にも意地があるから
誰から見ても
意味がないことをしていたとしても
それが自分であると信じる限り
誰から見られても
その意地だけは伝えたい
狭い自分がそこにある
小さい自分 ....
散文的であるかも知れない
晴れ間を見つける
こころはいつも
古くはならない
あたらしくもならない
それが空なら
繰り返すものごとに
少しだけ優しくなれそうな
そんな気が ....
窓の外は、夜
それゆえ汽車は吐息のように
曇り曇って
揺れに
揺れ
そこからなにが見えますか
わかりやすいものは
なぜだか頼りなくおもえて
背伸びをしてみた ....
スターライト
誰かが何かを信じて蹴ったボールが
気の遠くなるような確率でほかの誰かに受け継がれ
ゴールにつながるその瞬間
遠く離れた場所でモニタ越しに沸き立つ人たち
スターライト
生ま ....
ランドセルから鉄屑をまき散らし
小学生たちが歩いていく
賞味期限が切れて
生温くなった答案用紙を
噛み砕きながら
テレビで見るホームレスも
ここにはいない
家がなければ居てはいけない
....
今朝、手をつなぎながら 工場へと歩いていく
男女の姿を見た。顔はよく見なかった。
地下室工房へと向かう二人の足音は、
眠れぬ夜がまだつづいていることを報せた。
しかし、ぼくは眠った。何世紀 ....
氷花咲いて 冷たく
紫色の唇噛んで
凍える手に息を吹きかける
冬の寒さ今は遠く遡る過去
ねむの木そっと
紫の綿毛咲かせ
触れる指先震える葉
夏の暑さ少し緩んで ....
ひたひたに濡れたティッシュの国
エレベーターガールは手芸店に通い赤いセーターを編んだ
こわれた肉を
肩にのせて
塊のfish 俺は古い順から並べる
髪が燃える匂い
俺の ....
一人部屋
並んだワインのボトルを眺めては
まだ来ぬ春にため息をつき
一人寂しく
冷たい寝床につく
冬だというのに
雨が降っている
朝 春のような佇まいに
白い木瓜が満開だ
咲き始めた紅梅の向こうに
なにもかにも霞んで見える
水を下さい いや 水を買ってください
水売り ....
聖なる牛を追って河原に遊ぶ
権力の恣意的な横暴に満ちた企みだ
牛は水辺に顔を背けていやいやをする
なんたって水は不気味だし
入るには深そうだ
それに何が居るか分かりはしない
....
真実と幻想で 信じるのはどっち?
愛情と友情で 無視できないのは?
アクセス拒否して メアド消したって
思い出だけは 消去できない
ウソツキを許せるのは どこらへんまで?
それが関係 ....
あなたの隣で
あなたが想うヒトの事を想ってみた
あなたは彼女の
どこに惹かれたんだろうか
思いつくところがたくさんあって
また少し悲しくなった
手を伸ばせば
....
僕は
毎日に意味を見出そうと
目を凝らし続けていた
今僕がやっている事に
何の意味があるのか
それによって
どんな喜びを手に入れることが出来るのか
だけどそう ....
100億円でタイムマシンを売ってやる
偉そうに未来人が語りかけてきた
もちろん丁重にお断りした
生きた恐竜を見てみたいし、
地球の誕生を見てみたいけど
人生をやり直そうとは思わない
....
信じられないほど狭い夢の世界。
僕らの呼吸はほんの気休め。
カーテン越しに常世のレプリカ。
いつまでたっても未熟なまま。
何も望みなんてないし、下手な助けもいらない。
誰が ....
稀に見る空
俯き思考な私も見上げる時がある
雨が降る前の雲
空が現実を濡らす
隣を通る人は無関心
私にも空にも…
隠れた景色に私は浮かばない
いつも私は独りを詠う
「忘れられた ....
退屈を履いて河原を歩いていたら
跳びハゼのような小魚にであった
淡水だからヨシノボリかもしれない
深い溜息をついて老人が河面を眺めている
もう余命幾ばくもないのに
溜息をつく余裕があるな ....
私あなたに
告げてみた
「おやすみなさい」って
私そろそろ寝なきゃいけない
身体も疲れてしまったの
あなたと話して
笑って
泣いて
楽しかったけど
私すこし休まなきゃ
いつ起きるか ....
ストレスを溜めないように
と言われたから、磨り減らない靴がほしいと言ってみた
そんなものは無いと言われたから、磨り減らない心がほしいと言ってみた
そんなものは無いといわれたから、処方箋だけもらっ ....
夕暮れの残照に透きとおる
樹々の枝葉のように拡がった
私の末梢
手のひらの静脈
幾度となく
訪問する季節を測り
文字にして書き写し
そしてこの夜の連なりへ
伸ばされた白い片腕から
一 ....
閉ざした匣に詰めた
たくさんの不幸せ
心の隅に転がって 呼んでる
呼んでる
「パンドラ」
其の衝動
全ての災厄の底の底 そこに希望があるの?
呼び声のする ....
4887 4888 4889 4890 4891 4892 4893 4894 4895 4896 4897 4898 4899 4900 4901 4902 4903 4904 4905 4906 4907 4908 4909 4910 4911 4912 4913 4914 4915 4916 4917 4918 4919 4920 4921 4922 4923 4924 4925 4926 4927
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