朝起きるとボスだった
眉間に深い皺が刻まれていたが
特に不満があるわけではなかった
煙草をつまんで深々と吸い込む
ブラインドはない
のでカーテンから覗く
何ということのない休日の朝が広 ....
せまくたっていい
台所が小さくても
押入れがなくても
ただ
日当たりさえよければ
階段をのぼって
街を見晴らし
あなたとふたり
夕焼けを見られたら
それで
なんにも持ってい ....
触れたところから崩れていく
もろいビスケットの空
投げた言葉も跳ね返らない
石畳を、転がるように
冬を塗りつぶしながら
配達夫が窓をこじあけていく
のびあがっては、きりきりに締め上げる ....
おとぎ話を聞かせてあげる
桃から産まれたわけでも
竹から産まれたわけでもない
ヒトから産まれたヒトの子供が
いつかは天使になるつもり
・
それはね
誰かの後ろに守られたとき
そのヒトの ....
目覚めると。針のように細い雨が
全てを彩るように 濡らしていて
僕の頬が 濡れているのは
きっと この雨のせいだ。と 自惚れてみる
再生を告げる雨は 停滞する僕に そっと そっと降 ....
客観的でいたい
詩とか努力とか
人生のすべてにおいて
でも
客観的って何か
自分でもよくわかっていない
詩を書いていたい
望めるなら一生
寝食を忘れ性欲すら忘れ
没頭した ....
あのころ、私と彼女は高校生だった
彼女はとてもかわいかった
ちょっと低めの身長も、いつも笑っているのも、みんなかわいい
友達が「小学生から成長してないんじゃな ....
生まれて初めて
献血をした
400mlだ。
歯磨き粉が切れていたので、
先に献血した人がもらってきた
歯磨き粉が
欲しいなと思っただけではない。
愛は
与えること
そう学んだと思 ....
何故 そんなに 笑っているの 人知れず ひとり誇らしげに 懍としてるの 何故 そんなに 生 ....
激しい音を秘めたまま、きみは大人になるのかと
僕はいつも問いかけてきた。
一体何を、きみに贈ればよいのだろう。
僕がきみに残せるものは…かすれたこの言葉だけだ。
大人気ない、大 ....
雨の夜に雨宿り
海の底にいた頃を思い出すと
今でも胸がぎゅっとする
引き潮の晩
こっそりと寝床を抜け出して
海岸線で眺める淡い月
明くる晩も明くる晩も
私段々と海から遠ざかっ ....
けんかなんて言葉は大袈裟で
ちみっとしたいざこざ
ぷい、とわたしがそっぽむいたら
すぅ、とあなたはひいたでしょう
そうされて初めてわかる
事の重大さ
ごめんなさい
気付かなく ....
あなたと私の距離は
うすべに椿
あなたが振り向くと
私が立ち止まる
そんな静かでもどかしい関係
あなたの穏やかな黒い瞳に私が映る
迷子のように泣きそうな顔をして
私は私をじっと見ている
....
夢の中でも 君を好きな 僕がいた
薄曇の昼下がり
住宅街の静けさは重苦しい
声をからして叫んでも
余計に淋しくなるからやめておこう
無表情に時を告げる時計
窓の外には音もなく揺れる小枝
こんな日でも世界は動 ....
負け犬が河原でうなだれている
負け犬かどうかは定かではないが
その背中のくたびれようは
まさしく負け犬のそれだった
その次の日
あの負け犬が宝くじを当てて
大喜びをして ....
僕らは空を飛べないんだって
小4くらいの時から知ってたよ
ウルトラマンになりたいって言ったのは
普通の子どもを演じるため
最後には全て忘れてしまうなら
それが明日でも大差無いは ....
そこで目が覚めた
闇に溶けた室内で、ありもしない天井をただじっと見つめる
何も覚えていない
そのかわり、汗に濡れそぼった自分と酷い喉の渇きを感じる
どこからが現実で ....
見上げた空は清々しいとは程遠く
目の前には道もなく崖が続いている
こんな心の中にも色々な言葉が渦巻き
足元は何もかもが混ざり合っているのが
透けて見える
選んだのは自分それでも引き止 ....
実は昨日で18になって
実感がないまま今日に なったわけですが
変ですね
二年前 死んでしまったあなたは
まだ 22のまま
なのに私はもう18
おいついちゃうよ
....
気に入りの
花模様の傘の
模様の部分が
随分と手垢で黒ずみ
若くない自分は
その傘を持って
真剣な顔をして
駅へ急ぐ
自慢の大股歩き
いまだに
何処にも到達せずに
いろんな誰 ....
海に穴が空いていた
ぽっかりとしたその穴は
なぜか魅力的だった
吸い込まれるように入っていくと
太陽がごうごうといびきをかいて寝ていた
邪魔にならないように脇を通り抜けて
どんどん下がって ....
針のあなに
糸をとおす
磨硝子からにじむ
光のあわい
しずけさ
のおくのほうから声がする
……わはわをたまわる)
柔軟にしなう
わたしの呼吸をなぞるのは
失われた かなしみ
....
君を抱き締めて眠りたい
僕は君のいない空洞を抱えて横になってる
なんだか本当に君を抱いているようでとっても気持ちがいい
君の膨よかな胸元が深い空洞を埋める
君 ....
降る様な星が君の後ろで輝いている
平原を君と手を繋いで走りながら
世界中の女の子達のことも忘れて君のことも眼中に入らず一瞬見入ってしまった
星々が瞬きをしないのなら僕が瞬きをしよう
....
漁り火が漁船の真ん中で燃えている
ほうらもうすぐ魚達が集まってくる頃だ
投網は十分前に投げておいた
暖かい光に師走の魚達は引き寄せられてくることだろう
腕組みをして魚を待っているおじ ....
ムンムンだ もう
狭い山道に俺はいま 立っている
工房からの帰り
ひとりひとり
ぶつかりそうに
すれ違いながら
笑って
ほほえんで
あいさつする
俺も同じよう ....
今、意識して忘れようとしている。
目をそむけ、何もかも知らないように振舞う。
忘却という時の贈りものが
破れ、爛れた傷口を、甘く苦い感傷に変えるのを待っている。
けれど、ささいなこ ....
その肌に触れ
そっと寄り添い
体温を感じ
深い眠りにつきたい
トラブル続きの僕を支えてくれたのは
一度縁をきったはずの友人だった
初詣にトラブル事に巻き込まれません様にと
願を掛け何度か神社に足を運んだ
神様と宗教は信じていな ....
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