きみの名前をおぼえた日から
ぼくはふたつを呼んでいる
やさしさは偽らないからね
溢れても
まみれても
ささやかなすべてを
見失わないように
疑うことは
....
生きている世界に
足跡を遺して月の影の扉をあける
小さな扉は静かに傾ぎ
永遠の世界に繋がる
旅人は僕
月の虹に立つのは君
押入れの中に詰め込まれた
古い衣類はしわしわになったまま
寒い夜にはそのまま冷えて
家で母と一緒に年を越す
滅多に開けられることのないふすま
取り出されることのない衣類
毎日開けられる ....
ある日曜日
いつものように遅めの朝食をとりながら
新聞を眺めていたら
君が日本代表に招集されていた
確かに最近の君のパフォーマンスには
目を見張るものがあったけれど
(贔屓目になんか見 ....
ざわめきを聴いていた
誰か、いいえ
それよりもっと
わかりやすいものたちと
孤独を分け合って
ざわめいていた
聴いていた
つばさを諦めることで
繰り返されてゆく、
....
田舎道で話しかけられました。
「ピープル!」って言われた。
私しかいなかったから 私のことだろうと思います。
相手は トビでした。
羽をなくした鳥は
もう二度と
飛ぶことは出来ない
でも歩くことなら出来るわ
だから助けはしない
遠くから
見守ることにしたの
地上何万メートルで地球を覗いても
肉眼でも捉えることも出来ない小さな存在
地上何百メートルでうごめいているのを
やっと捉えられるようになるようなどこにでもいる存在
人間
....
いつかの夏の日
むせ返るような夏の真昼間
陽炎の向こうに僕の姿を見た
照り返すアスファルトで
危うく揺れるそれの
消えそうな姿に僕は答えを求めた
答えは返ってきたんだ
届きもしな ....
なんのかんの言ったって
春はすぐそこなんだから
モジャモジャ気分じゃ
しょーがないでしょう?
いつも暗いツラして
卑屈なカッコして
ちょっとヤバめに
キマってるフリして
オシャ ....
いつかあなたは僕の絵を
「痩せた狐の落とし子ね」
笑って僕に言いました
弱って僕は、虹のあなたに
「よくも、よくも」と笑ってました
いつかあなたは僕の絵を
「止まった時計のようだわ ....
三つの蝋燭が
互いを溶かしてかがやいている
まぶしさを覆うまぶしさが割れ
雪に重なり降りおりている
ふせた手帳から漏れ出す音
窓に凍り
窓を作る
花は花に会うため ....
東京特許許可局
俺はおまえを許可しない
おまえのような早口言葉は到底容認することができない
おまえだけじゃない
赤巻紙青巻紙黄巻紙や新春シャンソンショーにも伝えておけ
ふざけるなって
おま ....
指先で辿るだけのものにも
どこかに意味はあったのだ
そう気付かせてくれる君たちの声は
どこまでも、仄かに明るい
埃を被ったままの本の
隙間を捲る指の順番から
繋がっていくものがある
体温 ....
沖からの風は
ずっと前に止んで
マリンブルーのジュースの
べたつきだけ残った
たった一口
飲ませて貰った
激烈な甘さも
くちびるに染みいる
かすかなぬるさも
飲み込んでし ....
地の底の歌を聴き
暗がりの言葉をまさぐり
ざわめく井戸端をなぎたおし
しどけなく横たわる
絹のストールをひき裂き
ヒリヒリといら立つ
昨日を脱ぎすて
ゆがんだ ....
春一番に誘われるように
滑る軽やかなステップで
やってくるのはスプリングガール
自分の使命を知らない少女は
ただただ無邪気なすまし顔で
柔い春風そのもののように
ひ ....
雨降りの日はなぜか不機嫌で
できればそばに寄りたくない僕の水玉ガール
ちょっとカッコイイ先輩には笑顔振りまいて
その分僕に当たるのはよしておくれよ
不機嫌な理由を尋ねたら
ますます不 ....
本当に好きだったはずなのに
なぜか涙が流れないよ
心は傷ついているのに
影に隠れて分からなかった
君の心分からないまま
サヨナラを告げたね
君の事愛していたのに
終わってしまった恋
....
熱奪う風が吹き付ける道
乾いた街がカサカサと音をたてて
灰色になっていく
コートの中にまで入ってくる冷気が
自分の中の惨めな部分だけを表にひっぱりだそうとする
口を閉じて
自分を抱 ....
早朝の冷たい空気
朱色がかった曇
眠そうに飛び回る雀
まだ半分夢の中の自分
まくがはったミルクを飲みながら
ぼんやりと見ていた風景
まだまだ朝は寒い
でも こ ....
文化祭の後、我が演劇部員たちは
月を呼んだ。その長い台詞を忘れずに
思い出せるだろうか?一字一句間違えずに、
たとえうろ覚えでも読み上げれるように
積み重ねたそれが分るように生きれているか。 ....
私は毎日目に触れる、到る処へ
花を飾ります
あなたには赤い花を
あの子には青い花を
生まれることのなかった者には
黄色い花を送ります
私は世界に一人になりました
....
私は、嘘を吐きません。
吐くのが面倒なのです。
けれど、今までのコトバ。
全てを、撤回しましょう。
撤収しましょう。
私は、恋をしました。
私は、嫌いな人が居ました ....
ある日
自分の知らないものを
知るために
旅に出ようと
試みた少年は
持って行くものを
選ぶのに三日かかった
三日後
大きなリュックと
大好きな本を片手に
少年は一人
....
寒い風が吹いてます
冬が
戻ってきたのです
冬が急いで戻ってきたのです
走ってきたのです
自転車に乗って
新幹線を追い抜くように
猛スピードで
戻ってきたのです
北風が吹いて
寒い ....
もしも喜びが 木に咲くなら
摘んで花束にすると クリスティナは
かいているけど ぼくなら喜びが 実るまで待つ
そしてそれが 葡萄の房のようなものなら
ひとつぶずつ みんなとわけあう
何もないものほど
豊かなものを創り出せるものなのかも知れない
満たされたものからは
大きな増加があったとしても
全体に比べれば小さく
わずかな増加は見えないのかも知れない
何もないもの ....
朝の空気に 背筋を伸ばして
あなたが好きな あのお茶を 高く太陽に
掲げて 乾杯
今日も どうか あたしとあなたと 愛する人たちにとって
素晴らしき日で ありますように
涙を流すことが ....
君という雨に打たれて
私のあらゆる界面で
透明な細胞たちが
つぎつぎと覚醒してゆく
夏の朝
影に縁取られた街路
やわらかな緑の丘
乾いたプラットフォーム
きらめきに溢れた ....
4817 4818 4819 4820 4821 4822 4823 4824 4825 4826 4827 4828 4829 4830 4831 4832 4833 4834 4835 4836 4837 4838 4839 4840 4841 4842 4843 4844 4845 4846 4847 4848 4849 4850 4851 4852 4853 4854 4855 4856 4857
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