脳裏に浮かぶどの言葉も
君に捧げるには陳腐すぎる
川上の方から流れてくる
灰色に濁った川でさえ
海に至る長い過程の中で
澄んだ我が身を取り戻すだろうけど
暖冬に吹く柔らかな風が
....
1
うすい意識のなかで、
記憶の繊毛を流れる、
赤く染まる湾曲した河が、
身篭った豊満な魚の群を頬張り、
大らかな流れは、血栓をおこす。
かたわらの言葉を持たない喪服の街は、 ....
綺麗に輝く虹色をしたタマゴは
その全ての可能性をもったまま凍結した
どんな動物が産んだものなのか
どんな生物が産まれてくるのか
何もわからないままだった
そうでありながらも
タマゴはタマゴ ....
永遠がずっと同じって意味なら
私はそれを望まないわ
だって今日よりも明日の私を
もっともっと好きになって欲しいもの
だからあなたの永遠
私が預かってお ....
丘の上の{ルビ叢=くさむら}に身を{ルビ埋=うず}め
仰向けに寝そべると
空は、一面の海
宙を舞う 風 に波立つ
幾重もの{ルビ小波=さざなみ}を西へ辿れば
今日も変わらぬ陽は ....
いくつ部屋に散らばった欠片を
集めて抱きしめれば
キミと同じ感情を共有できる、
今日の喜びを昨日の悲しみを
どれだけ集めれば
キミと寂しさを判り合える、
いつか違う鼓動 ....
今 陽だまりの中で 浮かぶ陽炎のように
ゆらゆらと 心騒ぐけど
ときめきと 心配の中で 浮かぶ夜の街頭のように
人を愛した時の 淡いきらめきと
踊る光の 妖精たち
明日への 希望と ....
アルコールの力を借りて
こじ開けようとした世界がある
無理にこじ開けようとしたんだ
その度に嘔吐して
のた打ち回る
もう少し
もう少しだったのに
強力な抑制効果で
頭痛がしてくる
....
きみが 大の字に
野に
うつくしく
ひらいて ぼくを
招いている
あの人も去ってこの人も去って
行く道の知れぬこの先を
一人歩いてゆかねばならぬというのなら
悲しみにも嫉妬にも涙することはないのだろうか
ただ孤独ゆえの涙は透明で美しいといっても
そ ....
いたいんです
くるしいんです
すきなの、
青い空を夢見て 目を閉ざし
僕は ずっと待っていたんだ
春が僕のもとへ やってくるのを
春が来て あたたかな陽と優しい風が辺りに満ちたら
その時 僕は目覚め 大きく花開こうと思って ....
体の隅々を解体され分析され
カルテをつけられ病名をつけられ
悲痛な面持ちの周りに宣言をされる
私は生きているから
痛くも無い病名に
迫り来る恐怖に
少し心が不穏にはなっても
....
学校のパソコン授業の最中に
こっそりおきにいりのところに行ってしまうような
そんなスリルあることを
愛していた。
それはたとえば
あなたと手をつなぐこと、
あなたが泡になっ ....
長い間降り続いた雨が上がった
だから何だってわけじゃないけど
傘を差したまま歩くよりは
遥かに進みやすいはず
だけど急ぐと疲れるから
道端の花と語り合いながら
カタツムリの ....
いつの間にか夜が短くなった
それに合わせるように私はとても無口になった
いつもの裏通りには
見当違いな質問ばかりが飛び交い
静電気を帯びた優しさが充満している
声を紡ぐ旋律が見つから ....
汚れのない響き 細かく震える音
その弓で 僕の魂も奏でて欲しい
唇に そっと指をのせてみたい
僕のタクトで 思い切り鳴かしてみたい
ベートーベンも ワーグナーも きっと君に惚れて ....
御成門の交差点の向こうで
東京タワーは
暖かな孤独を灯している
硬い道の上を
ゆっくりと進みながら僕は
目の前に無いもののことばかりを
考えている
なかなか目覚められない
夢の ....
書きなぐった原稿
溢れたごみ箱から漁りだし
我が人生を振り返る
私は
なんてたくましく
なんて非情なのだろうと
頭をがむしゃらに振り回す
語るのは文字
語りかけるのは ....
ある夜
それはカリカリに焼けたトーストを頭に乗せていた夜のこと
私の足の周りには
とてもざわざわ緑の海
私の頭の遠くには
とても大きなお月さまが光ってた
たまたまパンを見つけた ....
ジョニーがジョニーになった日は
風の強い日だったという
ジョニー
本名は青木勲
親父さんは右翼でアル中だった
よく夜中に日の丸をふってわめきちらしていたという
お袋さんは幼馴染の女 ....
人生は甘くないと言う事実を
嫌っていう程噛み締めて
後悔の海に溺れていく
人間辞めたくなっちゃったから
鉄腕アトム張りのロボットになろう
超合金とまでいかなくても
シルバーメタリッ ....
冬の町に灯がともり
羽を休める
男たちは どこからか集まり
酒に身を許す
女たちは 寄り添い
夢を奏でるように
触れあうことさえ
視線を重ねることさえ
....
君からの清らかな愛情を
私 ハレンチな気持ちでしか返せない
君がもう少し 元気になって
君がもう少し 毎日を楽しく過ごせて
君がもう少し
近くに いてくれたら・・・
そんな欲張りな願いを 思ってしまった
自分に 思わず苦笑する
そんな願 ....
炎とは、燃えさかる火だと、書いてある。
たくさん酸素をあたえれば、きっと立派な炎だね。
あんなにおそろしいものも、最初はこんなにちいさいの。
火だけじゃないね。みんな ....
男はその歌を四十年間聴き続けた
なのにまともに歌えない
外国語の入っている歌だったからだ
けどサビならまともに歌える
今となってはそのサビの部分は彼の人生の教訓そのものになってしま ....
僅かな隙間からそれを見た
午前二時半
生物が凍死する時間
除雪機が轟音を上げて車道を抉っている
この時間帯は毎日のようにやって来る
透明に近いブルーが部屋を満たしている
....
僕達は夢の中を生きている
死んだ時夢から覚めるんだ
本当の僕達は夢の外で生きている
そこでこの夢の世界よりももっと文明が発達した世界に住んでいる
卵形のマシンに乗って空を飛び回るん ....
「もっと好きになりたい」好きになってもいいですかと
子供のような体温で背中にしがみつかれ 私は
だめです だめです と
気配で背中越しに伝えようと
きつく目をつむり 微動だにせず寝たふりを ....
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