白く光る田舎の道を
カンカン鳴り響く踏切越え
海に向かって歩いていた
薫る潮騒、うねる波
何処までも続く浜辺に座し
わたし独りのたましいが
水平線を覗き込む
遠く船が落ちていき ....
○「4月」
明日から4月が始まる
新しい出会いが待ってる
いつまでも桜に酔っている暇はない
しゃんとして明日から起きよう
*「転勤 借りてきた猫も二、三日」
*「転勤 昇進したのに手取りは ....
その日
僕の存在は失われていた
川は何もなかったかのように流れ
まわりの人々は息をし、笑い
変哲もないことを話していた
できるものなら僕は
思考さえ失われた
本能だけの野鳥になりたか ....
地球が終わりの日
外ではモンシロチョウが飛んでいた
私の中ではすべてが終わり
平穏な終焉が訪れようとしていたのだ
何時如何なる場面でも脆く落下しそうな形態で
モンシロチョウは飛んでいた
....
SNS上の詩人たちを
熊手でがーっとさらう
角度をかえて
熊手でがーっとさらう
大阪に集める
すてきなイベント?
ん?私は用意してないよ
ただ寂しいから呼んだだけ
詩の話をするの? ....
その泣き声に驚いて、振り返ると
君はその夜も眠りながら泣いていた
生きることが辛い正しさが
瞳のはしから耐えきれず
冷たい透明な水になって
ひとすじツーって流れてしまったんだ ....
マンションの窓から
駅前通りの
信号機が見える
たった一人
自分だけが見ている
世界で
それが何だか
とても不安にさせる
────午前2時43分
やっと1台
小型トラッ ....
あなたの心音を探す
なにもない
街角を歩く
地面に耳をつける
昼間拾ったパンを食べて
夜はベンチで眠る
起こされた気がして
目を開けると
伝書鳩が私の腹を均してる
寝床にする ....
緩やかな風が吹くようだ
穏やかな陽射しが降るようだ
わたしは微かに震えている
遠い記憶の化石のように
何も此処から始まらない
永遠に時間は止まっている
宙空に太陽が輝いて
優しい無関 ....
ゴミ収集車が走り去るにおいを青空に運び去る春風 ボウ 遠のく作業員たちの掛け声
電線の雀たちが放つビーム
桜が咲いたね
ハロー ユース
/
遊びたりない わけない
風に育てられた髪 ....
悪いことがあっても
悪いことも
こころの糧にすればいい
物は考えようです
闇に光るこの魂
「気楽に行こうよ」
と自分に言い
青空の下で
見上げると
光る風
....
春風は
千年前も吹いていた
桜を散らしてビル風は吹く
悲しみを
じっとして聴き耐えている
時間よもっと速く流れて
ゆうれいの
フリをしている月を見て
指さし ....
蒸す日だった
私たちは山林の中の枯葉の上で
一服をしている
同僚の、ほぼ禿げた頭部が汗に光り
涼風が渡っていく
目の前の葉では
太さ一ミリに満たない、尺取虫が
長い首を伸ばし ....
僕たちの時代
ソメイヨシノは
満開になつて
散つてゆくよ
雪より尖った
花びらが
僕たちの心に
積もつてゆくよ
大丈夫だよ
大丈夫だよ
亜種悪種の
サクラが散るよ
大丈夫だよ
....
川原に浮かんでいるのは
ほたる
闇の空気を纏い
黒い重みに浮かぶ
森の深遠のそばで
悲しみの傍らで
現実の重みから脱皮して
ほたる ほたるよ
粘る闇が重い空気と連結して
夜をもてあ ....
生きてるだけで死にたくなる時もあるでしょう
そんな人もいるでしょう
生きてるだけで人を傷つけている時もあるでしょう
そんな人もいるでしょう
自分の顔に吐き気を催すこともあるでしょう
....
カップの縁に口をつけ
液体を飲むフリをする
あの子は消えた
砕けた十字架が転がってる
脈拍と体温を下げて
周囲をスキャンする
生体反応はない
けれど
フルーツスタンドの軒先に老人が ....
「私の寺は、中国山地の山中にあり寺のまわりを熊がうろうろするような所にあります。ダムができるときに、住民がたくさんいなくなりました。私の小学校の同級生は十名足らずでした。ところが統合されたスクールバス ....
ついに君には会えなかったよ。
君は、暇つぶしだったのかもしれないけど、
いい夢見せてくれたね。
僕は、君と抱き合えるだけで良かったよ。
気付いた ....
ところでどんな声が神に届くかしってるかい。
どんな人が天国に入れるか。
きみは本当に一生懸命あの時、生きてたね。
あのとき、君は言ったね。
一生懸命生きてる人って少ないって。
....
もの言わぬ時に埋もれ、目の端に微かな痒み、割れた指先の鼓動…生は歪みによって饒舌になる、忌々しい話だと思いながら苦笑を繰り返す、蚯蚓のように床の上でのたうちながら、いつか、道端で死んだ友達を思い出 ....
不安が尽きない
けれど この不安があるから
気を付けようと思う
その時はその時だ
いずれ果実は実る
{引用=※五行歌とは、「五行で書く」ことだけがルールの、新しい詩歌です。}
光の螺旋が、天使の渦になってゆく春の音階で、白い洗濯物を汚すお仕事です、と、あなた方は、わたしの腕などするり、と抜けると、二階へと続く階段を、ぱたぱたと何往復もする、日がな一日飽きもせず、光る足跡をつ ....
海を寄せつけない断崖絶壁の島
そこに眠る未来確定知性
完璧なスタンドアロン
そこで
明けない夜と開かれた朝が混ざり合おうとしてる
私たちは命に閉じ込められてる
「振り返らずに聞いて ....
私が愛したあの人は、今頃、無数の精子を浴び堕胎を繰り返してるただのメスのように生きてるのだろうね。
女ってそんなものなのかな。
彼女の、軽い懺悔帳の一ページに僕は乗ったに過ぎないの ....
背中がいたくて眠れない
昼間は睡くて
真夜中は本を読んでる
朝にはドキドキしてる
まるで音楽みたいで嬉しい
心臓が無茶苦茶に音楽をやってる
シャッグスがぼくを動かしてる
ぼくの中心で ....
静かさへ 帰っていく
静かさの深淵へと
降り続ける雨に濡れ
次第に方位を失いながら
次第に意識は目醒めながら
あなたを見つけることはない
あなたに達することはない
あらゆる比喩の後ろ ....
ぼくは宇宙の一過性のノイズに過ぎないが
きみも深海生物の末裔に過ぎないではないか
とりあえず会話は成立するが
ちっぽけな男が地球を見降ろしている
この世界の現状に最後まで抵抗する民衆であり ....
ロリコンの僕はモハメッドのラジオを聴く
モハメッドは神託をもとに新しい世界を提示する
でも新しい世界には僕は居ない
絶対零度のユートピアに自生するメタセコイア
水深3000メートルの暗 ....
雨が降りそうだからこうもりを持っていけ
出がけにそんな言葉をくれた人はもういない
傘のことをこうもりと呼ぶ人はもういない
雨に打たれることを案じる人はもういない
雨に打たれたことのある人は ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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