遠い貴方へ手紙を書きます
そこに貴方がいないことは
とうに出た答えであると知っていても
貴方の名前を記す時の
指の動きを褒めてくれたことを
私は生涯忘れません
下げつらんで ....
風も無い夜に フワッと揺れるカーテン
静けさの中に 感じる貴方の気配
ねぇ教えて 今貴方の居る場所
ねぇ教えて 今貴方はしあわせ
遺された思い出は綺麗なまま私を縛り付ける
あの世に通じる ....
バスの窓が煤けて、町を映し続けている 六十キロ
断続して、町の輪郭として、区切られているビルは、断続して
ビルとビルの隙間の半分には、雑誌と暗闇と雨水がともり
上半分には、ただそこに ....
古い瞳を投げ捨てて、明日を生きようとする者と
古い瞳を投げ捨てて、昨日を辱めようとする者が
等しく今日を仰ぎ見る
過去も未来もない瞬きの直後に
少女が指先で辿る、忘れてしまった綴り ....
ざくっ ざくっ
と泥田に鍬を入れながら
陽平さんは鼻歌を口ずさみます
佐知子さんもその横で
一緒に歌います
収穫期二人は
毎日ここへやってきて
泥と格闘します
水を抜き
灰色に ....
牛乳瓶は蓋を開けたまま
空を見つめてる
その丸い口で
空を飲み込もうとでも思ってるのだろうか
白い雲を自分からこぼれた牛乳だと
勘違いをしているのだろうか
狭いガラス瓶の中に閉じ込められた ....
カーテン越しに映った朝の青空に
起きて起きてと催促されて
今起きますよ のどが渇いた
風はどこです 小川は澄んでる
今起きますよ おなかが減った
太陽さんさん 緑におはよう
僕はと ....
せとものが 乾いていく
洗った水を流す
手のとどかない
光源からのぬくもり
雇われたわけでもなく
息を 野に延ばす
図の中にいる血脈
末端を一巡り鼓動
いつか影を潰し
完 ....
あなたと二人で話す時
そこに難しい言葉はいらない
まずその前に私は難しい言葉を知らない
大学まで出してくれた
親には申し訳ないけれど
私は未だに世間知らずで
誰かが話すような難しい話題に
....
始まりがあり
終わりがあるのは
あたりまえ
でもそのあたりまえのことに
少しだけ疲れてしまった
静かな夜の静寂が
重苦しく身体を巡ってく
窓を半 ....
くだらない話ほど盛り上がるのは
きっと君のレスポンスのよさが
私にとって心地いいからなんだろうね
ありもしない世界を作って
さも見てきたかの様に
言葉に言葉を被せて
言いよどんだら ....
地球から1光年離れたなら
一年前の地球が見えるのだろうか
見えるなら
500万光年離れて
人間がどこで道を間違ったのか
見てみたいんだ
そしてついでに ....
逆上がり すき 。 でも 嫌い 。友だちが いじめるから 嫌い 。 でも 今日は たなばたなので 給食にヨーグルトと パイナップルが 出るので がんばった 。逆上がり 嫌い 。
くるくる 廻る 。
ギコギコ 廻る 。
じょうずに 廻る 。
廻らなくても かんがえる 。かんがえたさきには かんがえた みらいが 埃っている 。みらいを 夢みて ぐるりと 廻る 。 ....
指先はあたたかい
たぶん、その、ほどけていく瞬間まで
写真の空は記憶よりも鮮やかで
古い団地の隙間から
見上げるのはたくさんの
呼吸のない、窓
手のひらに
折りたたんだ空
に、記載 ....
ぼやけた日常の階段を昇る
朝日が眩しい
夕陽に涙が滲む
留まることを知らない月日に
忘れ物は山となる
積み重なる年月の重み
そうあってほしいと願う心は
時に裏切ら ....
東京で暮らすために
新宿に降り立った日のことを思い出す
長旅、といってもたった半日だ
タンクトップをねじるくらいで
音楽をつめこんだ鞄を
肩に食い込ませ
その日を酒を探して歩いた
福 ....
機械仕掛けの都会の街並み
高層ビルの間を風が抜けて行く
人々は目的もなく彷徨う
そんな運命(定め)なのでしょうか?
緩やかに時間は下降線を描き
破滅の時を刻みつつ在る
....
盲目の愛
それに憧れをもつ人は多い
二人いつまでも色褪せることのない永遠の契り
ロマンチックなのかもしれない
愛の理想だと思う人もいるのかもしれない
でも
私は嫌い
私は恐ろ ....
いっぽんの木は森にまぎれ
ひとつの屍は累代の死にまぎれ
かすれない文字が積み重なることばにまぎれ
わすれることをゆるしながら
不意打ちのように
わすれたということを思い出させる
――― ....
何処でもない場所は
何処にもない場所ではなくて
そこには一輪の花が咲いています
それはとても美しく咲いていて
なかなか近づくこともできなくて
あるとき鳥が一羽やってきて言いました ....
道はいくつも分かれている
正解もあれば不正解もある
長い人生の旅の中では
正解ばかりは選べない。
もし進む道を間違えてしまっても
引き返す事は不可能じゃない
間違え ....
橋の上で絵を描く男
道行く人を描く
美しい人が立ち止まる
私の絵を描いて御覧なさい
きっと売れる絵が描けるでしょう
美しい顔をした女は
絵描きの前で最良の笑みを浮かべる
....
満開の桜の下
ピンクに染まる 自分が悲しい
ブルーシートの上
正座する 自分が悲しい
ピンクとブルーの間で
はしゃぐ 自分が悲しい
やがては 散るであろう
薄ピンクの花びらに
はかな ....
おいてきぼりの堀を歩いて
寂しいよって
泣いたら
誰か来てくれるかな
弱いものには
やさしい気持ちになれるよ
攻撃しては
こないから
強さって
剣を振り回すことじゃないって
わたし ....
あなたのリップサービスに
始めはうんざりしてた
突然変わったまあるい瞳
簡単にスキと紡ぐ唇
関係の名前が変わって遠くなったあなた
近くなったと、思ったのに
でも、違 ....
人は理を述べるために長文を使う
だが人は長文を嫌い、全てを見てもわかるのはほんの一部
人の想いが、三行で納められたらどんなに楽か…
幸せを手に入れるために走り続けろ
後ろを振り向かずただひたすらに走れ
そして幸せがあったかどうか、追いついた者に尋ねてみるんだ
バス降りて
坂道越えた病院の
その先にある
夢見た学校
全国から
つどいし仲間は
一人暮らし
少し羨まし
少し尊敬
ビキニ着て
セクハラまがいの
あ ....
マヒンドラとマヒンドラは
おなじ日、おなじ時間
おなじ名前の病院で
この世に生を受けた
唯一違ったのは
マヒンドラが産まれたのは
北部の国立ガネーシャ病院で
マヒンドラが産まれたのは南部 ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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