パチモン
偽物
バッタモン
贋物
紛い物
廉価版
本物?
冷たい雨が、
降っている。
夏も終わりの九月末日、転がる地表に
黄昏色の
冷たい風が、吹いている。
けして救われない悲しみを
救われなさゆえに、
意味ないと
....
息が詰まりそうになる
やらなければならないことが
次から次へと降って湧いて
淡々と粛々と処理をこなす
気持ちがどこかへ行っている
熱意はとうに消失している
それでも処理をこなし続ける
決 ....
その人は多分
とても苛烈で自虐で諧謔的で
(彼岸花の群生が赤かったからこんなことを書く)
だからどうというわけではないし
だからどうというわけでもなく
たぶんきっと
....
『この春に』
私十九のこの春に命を捨てに参ります
積丹半島神威岬念仏トンネルくぐって行きます
私の好きなあの人は関係無いと行ったけど
耳の聞こえぬその事であの人の親が反対しています
都会じ ....
私は皆が羨ましいのです
生きている事
自己の存在を正当に思える事が
二十歳までの自殺は
やたら御涙頂戴的な悲劇の象徴にも関わらず
二十歳を過ぎると
やけに御笑いな敗北の象徴にな ....
それは目を覚ますために
或いは目を閉じるために
厳しく優しく
時の中で口に含むもの
ほろ苦さは人生と似ていて
コーヒーの後味みたいに
黒い影を引きずり
頬が丸くなる甘さは
....
秋は仏頂面のヒゲ男を察知してイヌやネコも傍らに近づいては来ない
積み石で寝仕度を整えているのは巣を閉じた青蛇の一団だろう
まあるくそれでいて刈り取られた雑草の刺々しさがのこる畦道
....
哀しい象の群れ
午前中夢を見た
恋を踏み潰せ
心の中のアッフリカ
九月のしずかなあかるさは
透明な翳りを含んで
その中に点々と
露草の青 浮かんで
波紋するさよならを
心に溜めて
やわらかく孤立しながら
佇む意識の彼方に
ほそい岬
それは空へ帰 ....
私はカフェが好き
スイーツが大好き
週末の土曜日の午後
私はいつもここにいる
店内は清潔感があって
広々としてくつろげる
注文はアフタヌーンティーセット
渋皮 ....
二〇一七年十一月一日 「年間アンケート」
現代詩手帖の編集部に、年間アンケートの回答をいまメールに添付して送った。2016年の11月から2017年の10月までに読んだ詩集で感銘を受けた詩集 ....
久しぶりに六本木で
僕は展望台の景色を見ていたのだ
もう でも 何回目だろう
今日もこの景色の中で
夢を 目で見つめながら
夜の闇の向こう側から
鳥の鳴き声が響く
鳥目ではなにも見えないだろうに
まだ眠りについていないのかと
胸騒ぎを覚える
羽を休めていればいいものを
月も星も輝かないこの夜は
刺激を与えてし ....
明日が怖いとよく思ったものだ。
なぜあんなに怖かったのか
何がそんなに怖かったのか思い出せない
今日私はそこまで明日は怖くない
時は過ぎることを知っているからだ。
我慢はその時だけしておけば ....
きみの笑っている顔がこわくて、距離をとる足
どりは軽く、まるですでに知っていることがあ
った、みたいだ、つまらない日に非人が働くと
聞いて、天使の居場所は真下から少しだけずれ
ていた、ここで丁 ....
他者が駐車しているから
自転車をそこに
おいていたらしい
用事をすまし
自転車置き場に戻ってみると
鋭利な何かで
「サドルをバッサリ切られた」
と突然ぼそぼそとウチのが
白い頬 ....
午前中地獄
午後、座学
放課後、自習
後、心療内科
この年で看護師になろうとした自分呪う
心療内科の予約券、胸ポケットに入れて耐え抜こう
東京五輪に足りなかったもの
東京五輪が終わった。あくまで個人的な感想だが、どこか記憶に残らない大会だった。いや、記憶を探さないと自然に出てこないと表現した方が適切だろうか。率直に言って、もっ ....
子供たちが三輪車で走り回る公園に 精子が乾燥して凝結した模様の透けるピンクのコンドームが落ちている
長閑な公園の中央に なにかの脱け殻のように
ピンクのワンピースを着た ....
*★*――――*★*
『ばがでが』
田舎じゃ入って二年の
高校生が 子を孕み
どうする事も出来ずに
協会病院へ行ったと
子供堕ろして平気の平左
不審に思って病院が問い合わせて
....
愛の言葉を探しながら
一晩かけて手紙を書いて
十四日の朝お菓子屋さんで
高そうに見えるチョコ買って
手紙を添えて綺麗に包んで
そっと鞄の中に入れ
授業中も上の空
早く放課後と待ち ....
『らんらんらん』
巷は裸の写真で満ち溢れ
写真の女は媚びを売る
世の男共をヤル気にさせて
揚げ句の果てにはSM雑誌
映画館でもぼかしだらけの桃色映画
映画や写真に飽きた者
....
美しいのは
ぼろぼろだから
逃げて
隠れて
捕まって
ひたすら殴られ
また逃げて
見つからない私の心は
空にでも海にでも
隠れてしまったから
いつしか
南も北もな ....
{引用=うたごえ・一}
空気の花びらが散って
時折ほこりが舞うように
手をふって消える光の棘
{引用=うたごえ・二}
その肉体は一本の弦だ
わななきながらさまよって
わたしの ....
砂利道に零れ落ちた戯言は瞬く間に無に還り、舌癌の男の歌声がドラム缶に飲み込まれる、機能食品の後味だけが喉笛の入口でオシログラフの針を揺らす、ボトルネックプレイのブルース、環状線の高架の脚で錆びのよ ....
命って、大事だよね。
生きるって、嬉しいことだよね。
死にたいとは、思わないよね、ふつう(泣)。
なんか、
3歳の子どもがさぁ、
親に虐待されて、死んでしまったっ ....
近所の叔母さんから
ワイフに二回の着信があったので
直接家に出かけた
ところが叔母さんは
かけておらん!ときっぱり言う
ワイフの携帯には確かに二回の着信があるのだが
かけておらん!ときっぱ ....
あなたはジャスミン香料の原液を嗅いだことがあるか
かぐわしき清楚な花、ジャスミン
花言葉は
You are cheerful and graceful(あなたは朗らかで気品がある)
花 ....
電車に乗って
今日は秋葉原へ行く
今は もう 電気屋の無い
かつての通りにある
興奮を 見つけに
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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