冷めかかったコーヒーが半分だけ残っているカップを取る手が
僕の向かいの席に偉そうに座るのが
お昼にかかってくる電話やメールの主が
今玄関を開けたのが
ニュースにいちいち文句をつ ....
エレベーターの中は
どこまでもお花畑でした
見たことのあるような花ばかりだったけれど
すべての名前を言い当てることは出来ませんでした
ああこんなところまで来てしまったのだなあ
と感じて
中 ....
あなたに似ている
と。言われたくありませんでした
わたしはわたしに過ぎず
あなたのクローンではないのだから
あなたがいなければ
生を授かることはありませんでした
それだけは否定でき ....
たぐり寄せた糸を
めちゃくちゃに結んで
ほどけなくしたつもりだったけど
あまりにもあっけなかったね
ハサミでぷつんと切られてしまった
縁があったらまた逢いましょう
空虚だ
君は
....
ある学校の授業で
問題が出されました
イヌ クマ ヘビ ヒツジ ウサギ
この中で仲間外れはどれ
先生も生徒も
別に答えは何でもよかった
答えの理由を楽しむ
そんな問題でクラスは盛 ....
信号の点滅を見るたびに
心のどこかで
何かが点滅している
すぐ後ろに危険が立っているのか
目の前にチャンスが来てくれたのか
私にはわからない
この点滅が消えないこと ....
2007/04/13
ギリギリギリ
ギリギリ切り
ギリリ
ギリリと抉じる
コジル
花かんざしが
ギリリと鍵を抉じ開けて
入口と裏口の間に佇ん ....
西へ東へ
南へ北へ
飛んで回る
笑顔を絶やさずに
皆に喜んでもらい
人が寄ってくる
頼られ、断れず
腰が痛い
仕事から帰り
床に横になる
アップルティーを入れる
平井堅を ....
2007/07/13
ビッグバーン
ビックバンビクバンビクバン
大きな身体に強い心をぶち込んで
どーんと寄り切る土俵際
大きなバイクがやってきた
御影石 ....
けれども じっさいは
わたしは 旅人でない
おなじところを 行ったり来たり
しているだけの けれども
じっさいは ふかい旅人である
小さく私を写しながら
落ちていく
心に突き刺す
醜いと言うのでしょうか
夢にまで降った
降水確率は心の不安定
周りを遮り
私と言う存在を乱反射させる
綺麗には見えない
雨の悪戯
街角でコンクリートの上の血溜りを見て
貧血を起こした少女がいた
目だけやたらに光らせながら
ポリバケツをあさるやせた子猫がいた
自分を責め続けることに逃げる俺を
本気で心配する他人がいた
....
午前4時のハレンチな姿態。
ハネムーンベイビー、重力のままに落下する。
あなたが唾を吐く、Strangerの横顔と、
ぼくが石を投げつける、Pavementの悪い予感。
広大なひろがりの空虚の ....
人を殺したことがあるかい?
いつも背負っているわけではない
日常の中では忘れかけている
それでも忘れちゃいけない
道徳的な話なんかじゃなく
決して黙って殺されているわけじゃなく
時 ....
うふふ、と笑う女、
と、わはは、と笑う男、
の横を通る、音漏れの激しいヘッドフォンで、爆音のハードロックを聴く男、
を睨みながら、忙しい忙しい、と言い訳する初老の男、
に目もくれず、公園で、き ....
とりが
わたしをねむり
わたしが
とりをねむる
しんや
ばすか
とらっくか
おおきなくるま
のようなものが
いえのまえを
はしっていった
とりや
わたしが
めをさましたりゆう ....
ガラスの向こうで眠る
ぬいぐるみみたいな子猫ちゃん
自分のものにならないとわかると
途端に欲しくてたまらなくなります
好きよ
スキスキ
ギュッってして
チュッってして
あと他に ....
いつもねじ曲がった言葉ばかりで
言いたいことの
カケラすら
伝えられなくて
またあなたを
傷つけてしまったよね
『本当にごめん』の
一言を言うために
何度も受話器をとるけれど
そ ....
昨今は上手に生きてます
花の咲かし方も覚えたし
友達もたくさんできました
君の傍にいる時間も増えました
気になることといえば
ずっと瞼裏に黄昏が広がってることなんですが
その下に見知ら ....
現世での暮らしはいかがでしたか?
私は案内人のリベラと申します
天国までたどり着いた貴方に
確認したい事項がございます
チケットはお持ちでしょうか?
貴方はやり手の事業家と ....
カラフルな田園をぬけ
ヤマは
絵モヨウのヨウなスギノキの
ヨウなミドリいろが
ヤマは
ウミよりも深く
ムラサキいろへ
取り込ンでく
沈ンでく
ヤマヤマは
ソレゾレすこしづつ濃さ ....
欲したものを失うたびに
右まわり 左まわり
信じたものを見失うたびに
目がまわり ぐるりとまわり
ゆれるシーツで重ねたウソも
わかっているコトバばかりで殺してくれ
おか ....
朝の光が まぶしすぎて きらめいてて 眼が痛い
夢の続きを 見られなくて あくびひとつ
時計の針が 進んでない 止まっている 電池切れ
時の流れを 感じぬまま 顔を洗う
忙しい暮らしに ....
特別な時が終わり
あなたは宴を胸にしまった
遠のくのではなくはじめから遠く
その遠さの上を行き来していた
うたや笑顔や踊りが過ぎ
原や道や水たまりが
火と響きを片目にしまった
....
あっ、春が飛んだ
今、飛んだ
すぅと、まっすぐに
春が飛んだ
とてもうれしそうだ
おや、あっちでは
春が跳ねている
清らな音で跳ねている
春のリズムで
なんだか楽しそうだ
....
あなたが
この頃やさしいのは
何か企みがあるのかと
首を傾げていましたが
いま、この橋にたたずんで
ようやく気がつきました
もう
春なのですね
欄干にもたれて
あなたの
い ....
2007/04/12
21世紀にもなって
バカでかいハーレーに
オンボロのハーレーに
偉そうに乗るなんて
なにか違和感を抱きます
環八に
オンボロのハー ....
人間になったときに
長いしっぽは捨てたはずだったが
ゆうべまた失くしたので
蜥蜴になろうと決心した
体が楽になったのは
まっすぐで生きられるからだろう
背中が陽に染 ....
産まれて来たからには
そりゃあもう生きるしかないのよ
理由なんて特にないけれど
それでも死にたいなんて
レモンの酸っぱさ知ってからでも
遅くないと
....
何の為に生きるのか その理由が知りたくて
僕は昔君に聞いたんだ
君の横顔は美しくて
僕はあぁこの横顔が見たいから生きているんだな と思った
でも君が老いていくのは嫌だった
僕はま ....
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