また今日が暮れてゆく
斜陽が、ビルを輝かせて
屋上で
その眩しさに目を細めながら
一息、煙を吐き出して、考えてみた
本当の顔が
どこにあるのか忘れてしまったこと
階層化、している笑顔 ....
遠く地平線と重なる彼方に
ポツンと浮かぶ島影が見える
いつだったかもう覚えていない
遠い昔
スターターが鳴らした合図に
僕らは一斉に飛び込み 泳ぎ始めた
大人達の作る澱みから澱みへ ....
空の青にぽとり
鮮血でした
ゆっくりと赤だけの虹をわたって
足の指の少しのつめたさで
春は訪れ
きみとの
どうしようもない部分をぽくぽくと
桜を食べて埋めた
おなかからの魔法、 ....
風のなかに
釣り糸を垂らしている
それはおぼろげとなってしまった古い
記憶をせめて呼び醒ますよすがではなく
かなしい決意でも無邪気な思いつきでも
その日の飢えをしのぐための
投げやりな衝 ....
雲のように
貫けば
やさしい、あったかい
雲のように
空にあるように見えるけれど
空から見れば地上の一部です
雲のように
貫けば
やさしい、あっ ....
いっしょに
空を飛ばない?という声に
ぼくは怯えた
だけど
あの雲のうえには
どんな花が咲いてるのか
ちょっと知りたかった
そういえば
この ....
こうえんの
みずのみばのしたに
にんぎょうが
おちていた
きぎの
こずえのあいだから
いっしゅん
みえたこうけいだったが
そばでは
ちいさないきものも
いのちを
いとなんでい ....
空
想の
海の底
に釣り糸
を垂らす役者
と綾取りの上手な
科学者がコップに注ぐ夢を溢れさせ
光合成したての音楽家を燻製にして声のない詩人は
受話器の向こう ....
回る
火のついた犬のように
走りながら
回って今日一日の
憂愁を追う
今日も丹沢の山は見事に鋭角で
背後の空からくっきりと浮かび上がっている
おそらく上州前橋から見る山なみと
そう変る ....
久々に口に運んだ
チョココロネは
何年もの年月を経て
味を変えた
話を聞くと
どうやら職人さんが
変わってしまったらしい
今では
チョコを被った
クリーム入りパンに ....
ピーナッツを、描いてみた
へたくそだ もう会うこともないだろう
知ってるか 人間の排出するCO2によって
地球は温暖化している
しかもその温暖化は 海に眠るさらに莫大な量の
CO2を空気 ....
『{ルビ神譜庭園=キルケゴール・ディ・カプリチオ}』の庭院に、
ゆらりひっそり佇むは冷たき"{ルビ呪言蒐集=ツギハギ}"の金属片、
纏う気配の冷たさで己の脆さ ....
シュガーな声でスパイシーな言葉を吐き出し
その毒にやられたならチクリと解毒剤を打ってあげる。
女の子はね、
甘い甘いお砂糖と少しばかりの香辛料でできているのよ?
な ....
紙屑に
バージン・オイル
垂らして
間違いなく
マイケル・ジョーダンの
サイン
燐寸で
燃やしてる
鼻を
くんくん
させて
....
わが道を行く
自分の道
いったいどこにあるの?
人生のレール
決められたレール
それもどこにあるの?
あなたには見えるの?
私には見えないよ
栄光に向かって走る列車 ....
そのとき、検出された過剰な信号がフィルターを通過し、
離散値として処理されたデータが神経線維を走りつづける
肢体の切断、もしくは破損された細胞への速やかな対応
つまり力学的にもたらされたダメージ ....
あなたの想いが
心の中からあふれ出てきて
自分では止められない
やがて想いは
噴水となり
未だにあふれている
噴水の水が綺麗な形をつくるのは
私の妄想のせい? ....
君のその白い腕に
ふれたいよ
君のその首すじに
髪の薫りを
かぎたいよ
瞳と瞳を一つに重ね
すべての世界を
溶かしたい
*
( 車窓はいつ ....
崩れたものがあったのだとして
その日まではこうみょうに
わたしを生かしていた
みじかいはさみで
木工用ボンドで
十二色の絵の具で
ただつくる時間を愛する少年が
思いあたるのは
....
『点数』
もしもこの世に
点数が普及していたら
私は60点くらい生きてるぜ
とか
あの子はアイツが80点くらい好きだぜ
とか
今日の晩飯の期待30点だぜ
とか
....
気持ちに余裕
自分に好意
相手に許し
心に素直に
怒りにも優しく
自分は完璧ではない
相手も完璧ではない
打つかるのは自然なこと
怖れはいらない
打つかりあり
慰めあい
いつもの ....
きれいで
きれいで
けれど あまりにも
繊細で、
そう、
それはまるで
ウィスキーを含む時
唇に微かに触れる
それ、のよう
どうしても
どうしても
抑えきれず
....
乾電池は夢を見ていた
水の上をぷかぷかと
浮きながら流れてゆく夢だった
ただ水の力だけで動くことが
不思議に思った
乾電池にとって
何かを動かすには
電気しかないと思っていた
夢の中で ....
グレートーンの街
浅い水溜りをまたぐ
一瞬だけ映る
スカートの中の秘密
ひび割れている
黒いのは生まれつき
随分と汚された
それでもあなたが綺麗と言ってく ....
干乾びたあたしに雨は降らない
必要とする者には
与えられない不条理
でも知ってた?
幸福って 身の丈に合った分しか
与えられないんだって
つまりあたしは
干乾びて ....
それは
私の
目であり
鼻であり
口であり
顔であり
肉であり
血であり
骨であり
そして
私のありふれたかけらである
パンプスが響く
深夜の改札で
あたしは一人
足音を弾ませている
空も泣きそうな
こんな日には
ビニール傘があるといい
半透明なら尚更
涙を
隠してくれるから
無人 ....
鳥篭に入れられた鳥は
再び大空を飛ぶ事を夢見る
借り物の安全や平穏よりも
自由な世界に憧れる
だけどいつしかち志を失い
逃げ出すことを諦めてしまう
果てしなく広がる空を見つ ....
戦後の前衛短歌界を塚本邦雄と共にリードした
歌人・寺山修司は第三歌集『田園に死す』(白玉書房)
のなかで「短歌」に対する「長歌」の試みを行っている。
その冒頭部分を書き出してみる。
....
一人ぼっちの家
タンポポと向き合い
1人笑った。
タバコに火をつけた
手は冷たく
涙が止まらない。
カップラーメンを食べ
セーターを着た。
外は雨
話し相手はいない
歯を磨 ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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