畳の部屋に座る祖母が
親父と叔母を目の前に座らせ
「もしも私が世を去った後も
互いに仲良くしなさい 」
と静かに語っていた頃
仕事帰りで疲れたぼくは
霧雨の降 ....
ええさんに
てがみをかきました
うつくしいじで
てがみをかきました
きゅうじょうは
なんじょうになるのですかと
かきました
じゅうじょうですか
に ....
きみの魚にふれたくて
えら呼吸を切望したら
肺が痛んだ
朝への開口を防ぐように
その
呼吸のひとつ
くちびるを
置いていく
きみの鳥をとびたくて
背中にそらを作ったら
煙に ....
人は屋根をつくった
雨から家族を守らなければならない
自らの肉体を守らなければならない
濡れてはならない
濡らしてはならない
壁も柱もつくることを忘れ
屋根だけがどこまでも広がっていった
....
あぁ
看護婦さん
今日は縁日ですね
僕に五円玉を下さい
今日も神社に行くんです
今夜もまたベッドの下から
僕が引っ越した部屋に最初からいた彼女と
今日も一緒に夜中の神社に行ってお参りする ....
農夫だった祖父は
ある日
自分の土地に
油田があることを見つけ
大金持ちになった
父は働く必要がなくなり
暇さえあれば
世界を飛び回り
グローバル
という言葉が口癖になった
世 ....
君が僕に別れを告げてから
君ソックリのロボットを作ったんだ
君と違って言うことを利くし
我が儘も言わない
だけどね 君ソックリの声が痛いよ
だけどね 君ソックリの笑顔が痛いよ
....
愛されたあの日
愛したあの日
月が満ち
海の中
海の泡となった。
そして星となった。
本気で愛していた。
くしゃみをした。
泣いた泣き明かした。
星座をたどって
元来た場所 ....
新しいビルは、めっちゃ静かです。無音 真空 空間です。トワイライトゾーンです。
アフターエフェクト、掛かりまくってます。処理が重いです。思い出、ぽろぽろです。
動画作成コーナーは、お子さん出産コー ....
表現作品は
遠征した結果の戦場なのだから
葛藤を宙に浮かしたまま ぶっ殺しておけ
表現作品が
作者にとっての安らかな居場所になってはいけない
そうは思わないか おのれ ぶっ殺しておけ
....
星の雲と砂
夜の水かさ
わたしが生まれた理由より
さらに遠くへ
離れゆくもの
サーカス 移動動物園
肉から物から聞こえはじめる
わたしではないわたしのかたち
ぬかるみの ....
ざわめいている
てと
てあしと
あしと
ならんでいる
そして
すこし
おしかえし
ている
ひとは
よなかに
やさしく
しんどうする
ざわめきを
すみずみまでつた ....
ねえ、
昨日の夜は何してた?
私は眠れなくて星を見ていたわ
あの星は、あなただと決めて
一番明るくて、まっすぐ私を見ていた
あなたの星はキラキラしてて
すっごくキレイで
私は悲し ....
今日は入浴剤のかわりに
思い出を溶かしてみることにした
みるみるうちに水が染まっていくが
どうもうまく混ざらない
思い出にも種類があったらしい
やわらかなパステルカラーとかたいモノクロ
....
ふと
見上げると
ゲル状になった空気と
鉛になりそうな空と
にらめっこになった
僕は向こうの
ビールの看板を見たいのだけれど
そういう訳には
いかないらしい
....
今日も夜が明けた
絶望するものにも
希望するものにも
平等に朝は来る
私は
朝焼けの中を
疾駆しよう
一匹の蒼き狼となって
狼の眼には
希望も 絶望もない
あるのは
....
■訓令 第一〇〇一〇号
黒キモノモ白キモノモ午前九時ニ集ヘ
生キモノハ正午ニハ帰ッテモヨシ
然シテ夕刻ニハ孰レニセヨ灰ニナラン
第一印象。
「あああああ!。
やっぱりあの時思った通りのヤツだった!。
あんたってさいてー。
もうあんたと口きかない。
あっちいってよ。
....
自転車を乗り捨てて、駆け上がった歩道橋の上。
流れる車を下に見ながら、一人 跳ねて踊った。
土砂降りの雨で、制服は ぐしゃぐしゃ。
泥にまみれても、気分は最高だった。
灰色の空を見上げ ....
僕は孤立している部屋でノルウェイの森を読み その主題歌を聴いている
本の世界に吸い込まれていくような歌だ
よくここまで忠実に表現できるなと思う
僕は死んだ
この暗闇の中で生きていかな ....
ねむる深い呼吸は
まあるく私の体をくるんで
ひかる
あおい
ちきゅう
地球に降り立った天使は
神様に間違われ
みんなにちやほやされて
子どもたちの教科書に載ったりもして
毎日毎日良い気分
ある日真っ黒なカラスに乗って
悪魔がやってきた
....
窓を無心に磨く雨音で
鉱石のように凝り固まった背中
手元に空白のノート
ペンは柔らかく握られたまま
冷めてしまった珈琲が
あなたの唇を忘れていた
とても低い声で唄い出せば
思い出すような ....
だだっ広い海を目の前にしていながら
気付く事なく
知る事も出来ず
眼もくれずに只ひたすら
浜辺に座り込み
瞳を落として
立ち上がり歩くのも忘れて
ちっぽけな両の手で精一杯
足元の砂 ....
空の青
海の碧
交われずに
波寄せる
肉に溺れ
欲に耽り
僕は
街に居るのです
からくり
操り
首吊り
引き攣り
お祭り騒ぎ
蒸し返し
繰り返し
か ....
接線のように地球にかかる
真っ直ぐ虹
バランスを取りながら
悪魔と天使が綱渡り
悪魔の渡った後の虹は
真っ黒色に染まり出す
天使の渡った後の虹は
偽善者色に染まり出す ....
どうでもいいんでしょ?
・・・愛してくれてると知ってたから
「違うよ」と言って欲しかった
疑ってる気持ちなんか
これっぽっちも無かった
信じられなくて言っ ....
こんなに好きで、
こんなに好きで、
こんなに好きで・・・
あんなに愛し合ったのに
あんな事くらいで今までの信頼が崩れるわけないよ。
そんな軽い気持ちで好きだっ ....
{引用=風の脚が遠ざかってゆく
あさいわだちは
春の周りをくすぶっていて
いろとりどりのかざみどりが
ゆるゆると迂回しては
家を さがす
信号が青に変わり
ひとなみは と ....
「最後のネジ」
僕のネジがとれかけている。
このネジがとれてしまったら
僕は動けなくなっ ....
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