捨てられた公園の
捨てられたベンチに座っている
捨てられたひと
捨てられた思い出の
捨てられた世界に生きている
捨てられたひと
かくれんぼの時
最後の最後までみつからなくて
つ ....
塗りつぶされたような無が
地平線まで続く平坦な荒地を
軽やかに飛んでゆく
この
とても静かで安らぎに満ちた風景
墓石に腰掛けながら
盲いた老人が呟いた呪いのことばは
もはやだれ一 ....
右のポケットに
湿ったままのハンカチ
トイレのドライヤーで乾かして
にわかに水蒸気は生まれていくが
それは霧でもなく雲でもない
つまり、僕のポケットには
虹は入っていないという事
エ ....
テレビの画面いっぱいに
モザイクがかかっている
娘は笑って見ているから
面白いアニメか何かなのだろう
低俗なものはきちんと排除され
僕らは安心を手に入れる
新聞の記事にもモザイクはかけられ ....
? ミックスジュース
頭の中 空っぽにして自転車こぐだけで
体を包む風がたくさんのメッセージを運んでくれる
人も木も車も道路も信号さえも輝いて見える
そんな素敵な詩のレシピで
ぼ ....
今夜
あの曲がり角の向こうには
たくさん星が落ちていた
親切な人が手を引くから
もつれそうになる足を
必死に動かして
自転車や空き缶
硬いゴミが浮かぶ
汚れた川の隣
破れたフェンスの ....
何回叩いても反応が無いドアの前で
一本だけ煙草吸う
全部が灰になる前に出てこなかったら
帰ろうと思う
疲れちまった
そんなに多くの季節を越えた訳でも無いけど
この階段も幾度となく昇り降 ....
少し遠くの楽園から
手招きしている人がいる
とうめいの雪が
小さく呟きながら
わたしに降りそそいでくるのが
とても心地よくて
夏の雪
月の白さに隠れて
楽園を照らす
わた ....
ここに
銀色のエンジンがあればそれと
あと太陽の動きのような一時間半があれば
ぐるりを周りきれるほどのちいさな島
四方からの潮風にさらされ続けていて
そこで何本もの縄を編んではほ ....
背中を向けて寝転ぶ姿をしばらくの間眺めて
静かな寝息が聞こえた頃にそっと布団を抜け出す
しっかりした鼻緒の下駄をひっかけて
ヴェランダで煙草に火をつけると
よく知らない街の風が煙を遠くまでさら ....
うちにはいた!!
まんごろうのまごがいた!!
途切れ途切れの意識の中
君が微笑んで
弱虫な僕にこう言うんだ
「ここにいるよ」
わかるかい?
その一言で安心して
僕は眠りにつけたんだ
古いアルバムの中
....
毎日毎日たくさんたくさん詩を書いてきたのだから
自分は百通りくらいの書き方が
出来るようになっているだろうと思っていたら
それは数字というより色に似て
水色から藍色までのグラデーションでしかな ....
苦しみを抜け
異次元への出口を見つける
そこは喜びに溢れ
過去を忘れる。
甘い声
手を握り
歯を食いしばり
腹に力を入れる
新しい事には
チャレンジする
失敗してもいい
....
いつものように
いつものとおり
ガンジスの砂粒ほどの
転生を重ねつつ
今生も また 仏の軍勢につき
いつものとおり
常勝の勝ち戦で
悪を催滅しさるので
関係各位にお知ら ....
指をのばせば触れる
何も無く 触れる
何も無さにではなく
ただ 無いことに触れる
ちぎられたのでもなく
盗まれたのでもなく
花は指と手のひらに咲き
茎をかつぐ背を見つ ....
世界にこっそりと
覗き穴を開けて
穴の向こうを覗いてみる
光も闇も
何も無くて
だけど僕は見た
(確かに世界を)
昔可愛がっていた
ポチが走り回る
それを
おじいちゃんが微 ....
色とりどりの
やわらかな悲しみが
落ちてきて、
なすすべもなく
それは高々と積み上げられてゆく
今にも、
空にとどきそうな
赤や青
黄色や紫、緑色の悲哀
....
巴里の色を僕はしらない
おばあちゃんは
それは淡い青い色だと言った
夜が乾いていく
するとセーヌ川がたちまち
空に吸いこまれていくのだそうだ
巴里の音を僕はしらない
おばあちゃんは
....
昨日は、
日がな一日寝そべっていた。
ただ寝そべっているのも、
何なので。
読みかけの本を数冊。
枕に、
寝そべった。
うつらうつらとしていると、
やが ....
あの空の中に
昔見た雲が浮かんでいた
子どもの頃に
みんなと一緒に見た雲
一人一人が雲を見て
いろいろな形を言いあった
それはそれぞれの夢だった
飛行機や船
イチゴとかカブトムシ
み ....
擦り切れている背表紙を
後生大事に持ち歩く
付箋に躓くことを繰り返してしまった
左手には一束のシャレード
紐解いている間に
夏の森は
微笑や涙やトキメキを頬張って
色彩を奏ではじめて ....
聳え立つコンクリートの塊
夕陽を遮る建物が
太陽の光を反射している
植えられた木々たちの傍
腐ってしまった水の中で
ぼうふらが湧いている
澱んだ空気だけが流れることなく
その ....
イヤホンをして「ドラマチックレコード」を聴いた時だけあの頃に戻れる
深淵の森へ 僕と君は歩いていく
果てのない 親密な闇が濃密さを増す 無限の時間が安心させる 君の八重歯が光る
僕は途端 ....
カオスにどっぷりと浸かって
空から限りなく降り続ける
塵のような哀しみを胸のうちで
受け止めるだけのこんな夜は
ただ、不明瞭で不確かな
寂しい印象だけが
自分の中で大きくなっていくだけ ....
かなしさが流れてうつくしくて、あまいような
そんな感覚ばかりを欲したわけではないのだけれど
しょうこりも無いととがめられそうな、なにかを掴んでしまいたかった
、(あなたの持って ....
ちゃぽんと音がするので
ふり向くと
道端にいわしが跳ねていた
どうしてこんな所で跳ねているのか
と問うて見たら
どうもこうも無い
そんな事を聞くなぞ人間も野蛮になったものだ
....
クジラが静かに僕の横を通り過ぎて
僕はその尾ひれの渦に巻き込まれた
気がつくと上も下も分からなくなっていた
だから明かりのあるほうに行った
どうやら少し水圧が高かったのだろう
世界は少しもぼ ....
眠りにつく声は
静かに
揺れて
さぁお休みと言うより
何を言うより
暖かい音
眠りをください
あの頃見た
透明な眠りを
音の中に消えた
足音と血の流れる音
眠 ....
刈り取られた
花々は暮れようにも
暮れられず
風が吹くのを待ちながら
やがて、
朝になります
いつか風、のように
広げた両腕は冷たい、思い出となりますが
その内、に抱えた ....
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