重い体をずるずる引きずる
生ぬるい風がどろりと吹き抜けて
自分の中の何かがさらわれた気がした
もう疲れたよ
寂しいんだ
どこかに寄りかかりたい
もう埋もれてしまいたいよ
山積みに ....
曲がり角ごとに鳥はいて
夜を夜をとまたたいている
青紫の窓がふたつ
甘い手管にひらかれてゆく
うすぐもり
なりひびき
皆なにかを
抱きしめるかたち
昇るもの ....
この街の何処かで
ステロイドの人形が
冷えた歌を奏でる時
私はきっと
あの、行きつけのカフェで
モカカプチーノを
ゆったりと
啜っている
帰宅途中の少女が
出かかっ ....
眺めているものは全部、真実で
つくろっているものは全部、嘘なんだってよ
おまえを殺して、おれも死ぬ。
おれを殺して、おまえも死ぬ。
わけわからない言葉ばかりを並べては、
それが詩だなんて思い ....
夏の塊、一粒、二粒、
三粒目には汗になる。
赤も青も退かせよう
(空の靴の鳴り ....
嘘は夜につくといいよ
あの人がそう言った
特に夜が深ければ深いほど
真実が闇の中に入り
人間も影に身を潜めて
やがて「嘘」が「本当」になるんだって
今夜はまぶし ....
あなたに貰ったぬいぐるみを
胸に抱き寄せ 瞳を閉じると
あの日 あの時の あなたの笑顔
よみがえってくる
{ルビ幸福=しあわせ}だと感じた あの頃
....
ボルヘスさんはアルゼンチンの詩人さんだ
彼はいつの頃からか
世界中のあらゆる本が集まる巨大な図書館で
年若い妻と共に暮らしている
盲目の身のボルヘスさんのために
妻は毎日本を読み聞かせる
....
魚は水の中を泳ぐ
魚は水の中に生きる
ぼくは道を歩く
ぼくは道の中に生きる
魚は勢いのある水の流れに逆らって
自分の使命に命をかけて
向かってゆく
ぼくは強く吹いてくる風に逆らって
自 ....
考えながら眠りこける 考えてたこと忘れてる
農薬まみれのリンゴを洗わずに囓る
走り出したら止まりません 止めたいときは覚悟して
愛の言葉も銃声も ときには役立たず
いつも最新の情報は ....
貴方は優しくささやく
貴方の思いは岩をも砕く
傍にいて欲しくて
泣いた。
かわら煎餅を食べた
元気が出た。
貴方のお母さんの作ってくれた
おにぎりの味は忘れられない
重き荷を背 ....
西に沈みかけた
まぁるい太陽を見あげながら
少しだけ 遠回りする 帰り道
並んで歩く彼の
その手にかすかに触れた時
胸の鼓動が高鳴った
でも
どこまで行っても繋ぐことはない
こ ....
は ひ ち
ら ら ら
り り り
ふ ほ ....
嘴オレンジ
口先シンジ
クチしのぎ
嘴オレンジ
原色の誘惑
何かを得ることは 同時に
何かを失うことなのか
何かを失うことは 同時に
何かを得ることなのか
本当にそうなのか
命を無くすことで はじめて
自由を得ることはできるのか
....
はじまりはベイビーピンク
永遠にうちふるえる純白と
瞬間に貫かれた赤い激情が
やわらかに
しなやかに
大地に落とした花の色
透明な視線幾重にも重なり萌える緑育てる光ありとあらゆる色 ....
このかた ふわり
ふわり
ほかっておいてもいいのにね
あのかた しゃらら
しゃら ら ら
ささやいてゆくので
ふわり
彼は準盲目のピアニストである
普段は鍼灸按摩を専業としている
ピアノだけではまだ飯を食っていけないからである
彼は指先の感覚が鋭く マッサージ屋で人気の一人である
夜遅くまで働いた後 ....
無理をするなと
無茶をするなと
あれほど言ったというのに
見えるんだ
お前の中
ペンギンが
後頭部をさすってる
ああ この
生まれてくるもの
が
帰りたかった場所
だったのか。
日々が、やはらかく、
差し込んでいる
隣に笑顔が、ある
ここで 揺られて
羊水を思い出す
胎内に鼓動
....
日常生活のうえにおいて
必要不可欠なんてものは少なく
長針と短針さえあれば
とりあえず生きていけるはずさ
ところがどうだい
今の僕のこの有り様は
感度のいい小ぶりの乳房と
メールアドレス ....
雨がポトポト
落ちてきた
葉っぱは
そっと
受け止めた
雨は
コロコロ揺れながら
葉っぱの上で ひと休み
雨が
雨のまま
雨の姿で居れるのは
雨が
雨のまま ....
童子よ
その昔
お前がまだ胎児になる前
私は一つの過ちを犯した
童子よ
重たくなるお腹に
私は言いようもない義務感と矛盾で
一体何が入っているのか分からなくなるとき ....
「ゆうれい列車」
ホームで下を向いていたので
うっかり
ゆうれい列車に乗り込んでしまった
しまった
向かい合った二列のゆうれいたちが
脚をそろえて腰掛けている
脚は途中か ....
愛は、育つものだから。
愛は、育てるものだから。
愛は、溢れるものだから。
愛は、消えるものだから。
愛は、生まれ落ちるものだから。
愛は、枯渇するものだから。
....
生まれた瞬間から、私たちは繰り返す
産声を、いつまでも繰り返す
吸って、吐いて、また吸って
ずうっと昔 毒であったそれを
呼吸を止めてみると、拍動がよく聞こえる
リズムを取れ、と、それは ....
いつも行く公園で
ちょうど首を傾げた時に
北斗七星が一番きれいに見えるところに座って
近所から漏れる夫婦喧嘩の声を聞く
夜の中を
二人の声は
礼儀を知らぬ新入りのタクシー運 ....
晴れた空
僕は誓う
あなたを愛します
曇り空
僕は誓う
あなたを愛します
雨の空
僕は誓う
あなたを愛します
どんな空の日であれ
わざわざ誓わなくても
もうこの運命に ....
まだ手を
解かないでおくれ
もう少し優しくなれそうだから
生きるための温もりを
静かに分け合うよ
だからまだ
離さないでおくれ
まだまだ好きになれそうだから
信じられるのは ....
世界とは万華鏡に映った地獄である。
それが風に吹かれてくるりと回っている。
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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