きれいになったちきゅうには、
どこにもここにもゴミはなくて、
隅々まで塵ひとり、
生きてなくて、
とってもみんなはきれい、
きれい。
毎朝毎晩、
うん ....
私は暗い地面の中にいた
じめじめとして音もなく何も感じない
自分という人間の存在すら分からない
生きているのか死んでいるのか
そんな簡単な事すら実感できずにいる
闇の ....
もうすぐ
九百九十九年になります
その頃には
ひまわりも咲いているでしょう
絶望から生き残った
藁のような人びとが
ゆらゆらとゆれているでしょう
咲いてしまうことに
罪はなくて
咲い ....
大人になりたくて、お酒を飲みました。
美味しくありませんでした。
大人になりたくて、男の子とキスしました。
口の中が、気持ち悪くなりました。
大人になりたくて、タバコを ....
ひどく僕の指先が透明になる気がした
記憶の中の君は後ろ姿ばかりで
どんな表情だったかも思い出せない
ぼくは少しぬるくなったコーヒーを飲みながら
君がいつ帰ってくるのか、こっそ ....
黒縁の眼鏡をかけた教授の講義が一段落すると
スクリーン上に映し出されたままの
夏の星座がゆっくりと回転し始める
古びた校舎の窓側を覆う暗幕は
その歳月 ....
私が負けそうな時
あなたは私に沢山の言葉をくれる
誰よりも...
同じ空の下で私を思ってくれる
たった一人の人
それがとても愛しくて
情けなくて
申し ....
素潜りで
{ルビ鮑=あわび}を密漁する
丹後半島の
夜明け
海で生まれた太陽と
山に入る月の夢、
肩がこる
髭の男が少年や
座礁した五月
白身のま ....
目を逸らさずに、君の隣に立つ。
苦笑いせずに、君の名を呼ぶ。
そんな日が、いつか、いつか来るだろうか?
嘘吐きと、君に言われるのが怖い。
強く約束できない、自分も怖い。
予測で ....
夏祭り 寄り添うふたりで 誓い合う 永遠、、、
そんなこと 夢に描いてた 憧れを 胸に抱いてた
瞼に焼き付いた 君の笑顔は セピア色に見え ....
1997
ひらいているのか
ひらいてないのか
ラムネの瓶から転がりだした目で
すべての皮膚が内側からはちきれて
剥かれた/剥いた
滲む赤い体で
そのひとつの透明な血袋が
なににも触れな ....
寄り合わせた糸をほどき
片方を持つ人を失いました
笑い顔で
「またね」と
追うこともせず
見送った
もうすぐ
そっちの世界であいましょう
....
眠い
体はボロボロ
疲れ果てる
毎日遊ばない
仕事が次から次へと
入ってくる
餃子スープ
いらんかね?
夢と希望と七星テントウ
勝手にやって来て
勝手に去って行く
人に愛 ....
自分の中にある
忘れてしまっていた
言葉のアルバムを
ふと開いてみる
何でもなかったことを
こんな言葉で表したのかと
苦笑いしながらも
あのときの自分には
その言葉が似合っていた
....
あなたが不安だと嬉しい
あたしより不幸な人を探して
生きるあたし
そんなの、死んでる
.
噴水の仕組みがわからないから
それはもうじっと見ているしかできなかった
一定の水が噴水の中にはあって
それがどこかで汲み上げられて
吹き上げられている
そして落ちて回る
それくらいはわかる ....
弱気なハートブレイカー
しっかりしておくれ
(影すら愛しい、と言ったのは君だろう)
.
ちょうど そのあたり
アンドロメダ星雲が巡らす 圧
頭蓋の上で
鈍く 光り 渦巻く
髪の毛の 微細な一本一本が逆立ち
体が 透けて 軽くなり
小鳥のようにさえずりながら 空を切る
....
トンボ玉 八つ
転がって描く
虹色の軌跡
もろくて
たくましい
トンボ玉 八つ
ふ と
交わる明日模様
終わらない
明日へ
今 ....
触れようとすると
指は変わる
光
漏れ聴く 光
見ているものは
既に違う
光
遅い 光
雨のはじまりを鳴く鳥に
枝はまぶしく満ちてゆく
羽と幹と音のはざ ....
ふいに夕立ち、
道を行く人々
急ぎ帰るなり引き返すなり
笑っている。
うなる空
大粒の水玉
白い歯で
目を細め笑い合う自転車の学生
それでもパンツをかばう女学生
缶蹴 ....
終電前の
人もまばらなラーメン屋
少し狭いテーブルの向こうに
きゅっ と閉じた唇が
うれしそうな音をたて
幾すじもの麺をすいこむにつれ
僕のこころもすいこまれそう
....
せつなさ
という名の花が
いま咲いている ので
時間という
風の中で
さびしい さびしい と
泣いている ので
あなた
水をくれるぐらいなら ....
毎日同じ時間 ともに過ごしてきたけど
離ればなれに なっちゃうんだね
いつまでも みんなと 騒いでいたいけど
そういうわけに いかないね
....
皮を脱ぐと、
彼女の触手は濡れている。
「…見ないで。」
そう俯く彼女の目は、
もう既に触眼で、
照明を落とした部屋の中、
仄蒼く、
ふたつ灯っている。
....
忘れようとする
それは心のエコロジー
節約ばっかしても
不意に蘇える
忘れたよ と笑った君
でもホラ、泣いた
何年たったって
どれだけ過ぎたって
枯れ ....
あったまに きたんだ
台所に立つ君を観て
たんたんたんたん
包丁と俎の奏でるリズムが
初めて 僕を大きくしようとする
今の自分を
姿見で観てみるといい
君がいけないんだ
たった今 浴び ....
何時間たっただろう
真夜中にふと目覚めては
姿の見えない 沈黙と会話する
自分の居場所
あるはずなのに それを探そうとはしない
孤独が運命なら
受け入れよう
鍵を飲み込むと
おれは白痴のように笑った
口腔に指を突っ込まれ
それでもなお笑いつづけた
おれはおまえの おまえはおれの神だから
互いに迷わず石を投げ合う
*
おまえは両 ....
死にたい
それは呪文
ただただ生きたいという意味をもつ
.
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