路地裏のちび猫は
突入する赤に
踏み出す肢を迷わせる
産み落とされた残り香
ずぶ濡れのステップ
行きずりのハーモニカ犬は
油のしみ込んだ木柱に
鼻先をふがふが押しあてる
かつて高く ....
境界のあやふやな 一日は
爪の間から 鱗が生えてしまう
空をつかむ その指には
退行の刻印のニキビ跡
夕暮を透かして 茜色
山の稜線が
青く 遠のく
空に雲は置か ....
きみどりの薄皮をひらいて
瑞々しい透明を露出させる
縦に切っても
横に切っても
どこまでもたまねぎだから
うれしくて
うれしくて
なきそうで
やわらかい切り口に
崩れそうになる
か ....
水の中漂う
海草の様に
ゆらゆらと
幻想な光線
泡があがり
頭がぼっと
飛んでゆく
長閑な日々
水中はいい
戦争がない
大量殺戮が
人力がない
交尾の日は、
朝からどきどきする。
今夜のことを考えると、
ほっぺがぽっと赤くなって、
胸の鼓動がすごく、
どきどきする。
熱い、
お風呂に浸かり、
....
目をあけるとまた朝が来ていて
それで少しほっとする
何もできないままに
今日はまた終わるかもしれないけれど
どちらを向いても なぜかいつも向かい風
「宿命なのさ」と笑う君
つないだ手さえ「宿命なのさ」と笑う君
向かい風にも ふたりで行こうね
ぼくは早くおとなになりたい。
でも、
パパみたいなおとなにはなりたくない。
パパはわるいおとなの子。
ぼくはよい子のおとなになりたい。
だから、
なんでも食 ....
自分の歌声に酔いしれる黄色い小鳥
あぁ俺はきっと世界一歌が上手いんだなぁと思った
黄色い羽もチャーミングだしきっとあのままペットショップにいたら雌にモテモテだったのに
でもこの歌は飼い主 ....
兎や、うさぎ
月ウサギ
飛べや、跳ねよと
浮輪雲
散りて
落ちぬは
朱色の夢
白夜の影から
しげしげと
黙々捧げる
紗羅双樹
掲げて
私は献杯か
庭の桜に
青々と
土間で ....
鋼鉄を 遙にしのぐ
美しく、強靭な 折り紙細工の船にのり
飴色のラタンの椅子に腰掛けて
今宵もまた 私の人差し指は、
暗く果てしない 緻密な航路を正確になぞる
航行中もドアの向こう側には ....
――ゼウスがパンドラに持たせた、あらゆる災いの詰まった箱(本来は壺)。彼女が地上に着いたとき好奇心から開けたところ、すべての災いが地上に飛び出したが、急いでふたをしたので希望だけが残ったという。
....
いつか そう遠くない未来に
あたしはあなたの名字を名乗るようになって
子供みたいなあたし達が 新しい命を育んで
木漏れ日の中にまどろむあなたをそっと包み込んで
そんな 底はかとなく 幸せな ....
これは正しい
これは間違っている
曖昧はゆるされない
そんな二者択一を
していくうちにある日
あなたが間違っていると
指摘されてしまった瞬間
自分が決めた価値観で
自分が裁かれてしまっ ....
小さな海で泳ぐ
大きなこびとが
小さなやかんで湧く
大きな沸騰が
小さな水道から流れる
大きな水圧が
小さな寝息で見る
大きな夢が
眠りながらこの今も
見た目に小さく
ひそやかに大 ....
愛しいあなたは
きっとお腹を空かして帰ってくるでしょうから
私は私を切ったり焼いたり煮たりして
おいしい料理を作りました
帰ってきたあなたは
皿の上に載った私を平らげて
そ ....
木に刺さったのを確認したのに
背中に刺さったブーメラン
それを合図に踊りだす
みどりジャージの先輩達
大好きな曲の替え歌を
食堂で熱唱する友人
五線譜に描かれたわず ....
子供は親の分身ではなく
意思を持った他人と思いたい
と同時に
自分の分身でもあってほしいと
少しだけ思いたい
今自分が死んでも
子供は親の分身であるから
生き続けることができるの ....
風は夢を見ている
ゆらゆらと揺れながら
青い空の夢を
気持ちよく描いている
風は夢を見ている
ふらふらと漂いながら
緑の森の夢を
心地よく遊んでいる
風は夢の中で
自分が風に ....
小学校の時の算数のテスト
「たかしくんは、80円もってぶんぼうぐさんに行きました。
50円のけしゴムを1こ かいました。
おつりはいくらでしょう?」
....
朝が来る頃には、空気は清潔に、乾燥しているのだろう
昨日の夜には、誰もいない交差点をひっそりと浮かばせていた、濡れたアスファルトも、その隙間の苔をゆっくりと、縮こまらせて、また、待っていた
朝 ....
ビルの
濡れたところと乾いたところ
海岸通りによく目立つ
あの一枚岩のビルが
晴れ間の舞台に立ち
静かな雑音と共生しはじめたばかりの今
まるで定規で測ったような岩壁のところどころが
濡れ ....
誰かを好きになって
結婚して
こどもを産んで
ごく自然ななりゆき
なんだけど
それを人間らしさと言えるのだろうか
赤ちゃんを抱いた
お母さん
しあわせそうに見えるけど
割 ....
どれだけ人を愛したら 同じ分戻るのか
見返り求め 泣いてみても 空しくて
解ってても救われず 自分を信じられず Everyday〜Everytime
いつでも単調な日々に 温もりを求めている ....
てんで
ばらばらの
掃除機の
中身
わたしのなかから
すっぽんが
どんぐりになって
あっかんべー
二酸化炭素の味のなか
でんわのベルが
りっぴっぴ
蝶の
時計は
水玉をこ ....
寂しい夜には
君の好きな曲を聴く
すると 思い出すんだ
必ず 君がそばにいて
必ず 一緒に笑い合って
必ず まだ見たことのない
地平線の先について 語り合う
....
一 アンタレス disk1
君と夜の海辺を散歩していた、
はずなのにいつのまにか
空を歩いていた
頭上に、海
でも今日はよく晴れていたから
涙の一滴も落ちなくて ....
君の言葉を聞き入れることは
容易くないことぐらい知っていた
それでも追いかけたのは
意味も無い、生きるという焦燥
きっと必要とされなくなったら
歩みをやめてしまうのね
哀しいほど耳元で響く ....
連続してやって来よるやろ。
なんか知らんけど。確実に来よるやろ。
困難の顔した幸せがな、いっぱい来よるやろ。
分からんやろ。
困難の顔しとったら避けるわな、普通。
連続してやって来よ ....
嗚呼 何てよく晴れた朝だ
雲一つ無く透き通った蒼が
彼方まで薄く広がっている
風の囁きが耳に心地よく響き
色とりどりの花が道端で笑っている
ただどんなに空が澄んでいても
どれだけ風が優 ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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