僕の妹は背丈が大きい割りに
顔が幼いのを気にしていた
僕はそれでも十分だよと言っていたけど
妹はどうしても納得いかなかった
二人で町を歩いていると
きれいな女の人が歩いてきた ....
星空を君と見たい
月が嫌いだから月のない夜に
空が澄んでいて雲が確実に動く
魔法使いが箒に乗って空を過ぎりそうで
冬だけどこのまま眠ってしまいそうで
君が横にいることがとても幸せ ....
お前の腹が黒く染まってる
お口はきれい事
俺を利用できると思ってる
俺は怒らないと思ってなめてる
その言葉の裏にひそむトゲ
この胸にきしんで刺さる
痛い
怒るのは簡 ....
言葉は無力だ。
僕にはこれ以上
もう何も伝える術がない
無力な僕の言葉は
乾ききった空気を
震わす事も君の頬を
涙で潤す事さえもできぬまま
この冷たい部屋に漂って
心虚 ....
庭の土を耕して
人差し指で穴を掘り
ヒマワリの種を植えたのが五月
まいにち
土の湿り具合に神経を尖らせ
やがて
いくつかの芽が出ると
お気に入りの芽を一つ残して
あとは全部引っこ抜 ....
夜空の星をピンセットであつめていた
明日はあなたの大切な日だからもう寝なさい
お母さんがそう言うので
私は集めた星をポケットに入れて眠った
夢を見ていた
星にはひとつひとつ名前があり
それ ....
体温は
ひとつになるアルビレオ
今日からは
遠心力で結ばれる
意志が
それを果てるまでと誓うだろう
ある時は照らされる者の影であり
そしてお互いだけが
救える日々の
満ち ....
責められた
ぼくは何も
言えないよ
最初にであったのは
いつだったのだろう
隣りにいた気がする
気付いた瞬間の反応 ....
珈琲を挽く夢を見た
全てを失ってただ珈琲を挽く
小さな飛行機を欲しがる友人に
口を塞がれたのよ
道の上にただ座って
わたしは珈琲を挽く
珈琲を磨 ....
盗んだたばこを干し呑んだ冬枯れの日
降り積むひかりを踏みしめると泣いて
頭が乾いて冷たく割れた
おんなと名乗る人に連れられ
水垢まみれのざらつく家には
もう帰らないと告げる
曼谷の ....
好きに なりたい
上司と この同僚たち
だけど
心は もう
ブレーキがかからない
好きに なりたい
社会と この政治たち
だけど
心は もう
壊れかけた 時計さ
負けるもんか
....
一輪の花を手折った
その花は美しく咲いていた
大事に包まれたその花は
いつの間にか
鞄の中で萎れていた
自分の位置を確かめたいと思うとき
とても広い世界から始まって
少しずつ小さい場所に区切りながら
ようやくわずかな自分に辿りつく
自分の位置から世界を見たいと思うとき
わずかな自分から始ま ....
きんいろ
きんいろ
窓から顔を
つきだして
きんいろ
きんいろ
風にさらわれる
魂
アクセルと
こころはおんなじ
あのみどりまで
ふみこんで
あ、海
五月の海
....
いちたすいちは
にじゃないと答えたら
みんなに笑われた
でも
美術の先生だけは頷いてくれて
スケッチに出かけた
あの丘の上から
故郷の青空をいつまでも眺めていた
ずっと憧れていたこ ....
小さな虫は不安でした
彼は自分が自分であることに不安でした
彼は或る時、彼のおじいさんに言われたのでした
自分は自分であるしかないのだと
それ以来、彼は、自分が自分であることに不安でした
....
空はギター
すきとおる
風の音
甘い日差し
幾層も重ねて
陽炎の音
うすい残響
地平線
ふるわせる
細い弦
音もなく
切れて
とぎれて
聞こえる
波の音
月の囁き
空は ....
夕暮れ色の飛行船、
たくさん空に浮かんでいたけれど
空と一緒の色だったので
誰にも気付かれないままでした。
*
毎朝、起きたらすぐに顔を洗います。
....
私鉄の午後のホームで
年老いた夫婦が楽しそうに話をしている
けだるそうにゆれて動き出した下り電車の中から
二人の柔らかな会話を もう少しだけ見ていたいと願う
40年も50年も連れ添 ....
(その繋がりは拒絶からはじまる)
時として必要になる
人と人との間には
その、繋がりがあって
それは瞬く間に
拒絶に変わる
雨の降る真夜中 その中で
佇むわたしの背後 ....
小さな虹色の空の下で
あなたがこっちを見ている気がしたの
昔見た映画みたいに
どこか知らない遠くの町を見ながら
とっても大きな雲が流れた後で
あなたが少し笑った様な気がして
何処かで出 ....
道端に表札が突っ立っていた
YAMASITA、とだけあった
YAMASITAさんとはぐれて
困っているようだった
家までの道順を教えてあげたが
わかりにくいところもあったので
いっしょに行 ....
夜霧のなかのバイオリン弾きの
奏でる音はどこかもの悲しい
それは夜霧がそうさせるのか
それともバイオリン弾きが
そのように弾いているのか
グレタ・ガルボは
実はフランス政府の
女スパ ....
あの棒と棒との間には
僕の知らない空間が
ごうごうと
連なっている
足を踏み入れると
現れた奥行きに
視界は吹き飛ばされ
触れることのできない見取り図
触れることのできない誤謬が
響 ....
熱いコーヒーの波紋とカーテンに伴い
それに映る表情は分かりづらくなっている
その表情をすすりながら
「ん〜、マンダム」
と、何度呟いたことだろう
飽きもせず、すする度
「ん〜、 ....
かれこれ十数年前の算数の授業にて
5728ー3901+6073×94=
先生「むむ君、これを解くとどうなる?」
....
逢いたくて
逢いたくて
約束も無いのに
逢いたくて
逢いたくて
待ち合わせの場所に
独りぼっちで
逢いたくて
逢いたくて
夢の中でも カフェに入っても
どこかに君の 姿を探 ....
たまには怒りなよ
堪えてばかりいないでさ
君の声が聞きたいんだ
たまには泣いてもいいよ
痛いんだろう?
君を癒したいんだ
僕達が傷つけたんだ
僕達を憎 ....
夏になると
土の倉庫から
たくさんの野菜を運び出し
ざるの中へと入れてゆく
気をつけていないと
すぐにいっぱいになる
山の水道で洗い流し
地下の水道で冷やす
この星の夏は
宇宙の台所 ....
そう 願っていた夢が閉じた朝も
僕は眠りたい
もどかしさや疑問符達でさえも 忘れられるように
明日も君に逢えない だからそっと雲見ては
流れ消えゆく姿に 思いをはせため息ついていた
....
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