目の前を足早に通り過ぎる人々
僕なんて視界にすら入らないみたい
淋しいのは慣れっこだよね
ゆいいつ差し伸べられた手
温かくて大きくて
淋しいのは慣れっこなのに
不意 ....
お釈迦様が誘拐された
輪廻しない世界では大変な騒ぎとなった
例の3人組は刑務所を脱走する時に不幸にもバンに正面衝突されて今までの行いのせいで当然地獄行きとなったが 鬼や仏を誑かせて輪廻しない ....
幼稚園でぼくは人生ではじめての
本格的な人間関係を体験する
触れるだけで傷がついてしまいそうな
新芽みたいな人間関係は
なまきずが耐えない心の訓練
お母さんはいない
苦しくても悲しくても
....
右手には運命がある
左手には可能性がある
右手にはプラス
左手は添えて
目の奥の思考回路が単純で
間違い回路へ繋がる
左手にはマイナス
右手には説明書
神 ....
私を死刑にしてください
私を死刑にしてください
街行く人に向かって
私は大声で叫びます
みんなが私を振り向いて
みんなが黙って去っていきます
お嬢ちゃん
一人の紳士 ....
誰も
踏んづけなかった猫が
月明かりを探している
綺麗な光の下じゃないと踊る気がしないんだってさ
踏んづけられた猫は
歌にされて
とても怒っている
だから街灯の明かりが漏れ入ってくる ....
「砂流」
可憐にゆれる空の下
あまりにも
子守唄のような
....
一匹の{ルビ蝿=ハエ}は
羽を{ルビ毟=むし}られたまま
今日も曇天の街を漂う
迷い込んだ森の{ルビ裡=うち}で
湿った草の茂みに囲まれ
一輪の薔薇が咲い ....
ふと、べらぼうに草を刈りたくなった。生い茂った背の高い、エノコログサやオオイヌノフグリみたいな背の低い草ではない草を。
しかし今は夏では無いし夏休みでもないし。うちの地元はもう長いこ ....
外見よりも中身を変えろと
あなたに言われましたので
いろいろなところから借金をして
お医者様に私の体の中身を
他の人と交換してもらいました
お医者様は私とそっくり同じ中身の人を ....
約束が欲しいのです。
ひとりで居ると。
ふらふら、ふらふら。
どこかにイってしまいそうで。
誰か、約束をしてくれませんか。
どんな些細なことでも良いのです。
縛 ....
幾つもの切り刻まれた命を抱え
涙を流す彼らなら
この夜も癒してくれるのだろうか
気の遠くなる程の
永い永い地鳴りの中で
痛みと悲しみで冷え切った夜空に輝く
たった一つの星も消してしまう ....
お前の母さんだよと恐竜が言う
地下室の扉はひんやりしている
地下室の天井から縄が一本降りている
恐竜が肩を抱き、母さんに会いに行こうと言う
恐竜の皮膚はざらざらしている
....
ぼくと一緒に来てくださいって
誰かにいったら
たぶんその瞬間
相手を嫌いになるんだろうな
ぼくは
誰かとどこかに行きたいと思ったりはしないけれど
こういう台詞の中にある
マシュマロのよう ....
アダルトビデオから男優が逃げた
かわりに僕が入れられた
男優はそのままビデオショップに返却し
自由の身となったようだった
ビデオがレンタルされた
借りたのは彼女だった
僕は女優をビデオの中 ....
アイロンのかかった俺のワイシャツに
今日も人混みが押し寄せる
離れてくれないか
もう少し離れてくれないか
くっつかないでくれ
オレのシャツに
昨夜君が丁寧にかけてくれたアイロン
....
愛に彷徨いて
気の赴くままに風と共に歩きますと
佇んでおりますのは心に留めしお方
物思いに沈んでか川の流るるのを
ひたと見つめておりました
目はしっとりと濡れており
私をみとめると
....
わたしがわたしであることを許さない
何かに動かされ
罪の償いのなかで
わたしはまたその罪に焦れる
とても苛立つ
結論はわたしにかえるのに
わたしの肌は
やさしい
と言った人
気に ....
かつて昔
どんなことをするにせよ
不便な世の中では
一つのことを身につけるのに
長い努力を必要とした
そこには根気と忍耐があり
常に自分と向き合い
他人とのふれあいもあった
手放すこと ....
夜毎に降り注ぐ
ジェルのようにベトついた
粒状の哀しみは
いくら祓えども僕に纏わる
心を失くして遠くを彷徨ってみても
遠くで思う僕にまた出会う
干からびた約束には
何の重みも無い ....
息が白めば
祖母の指が夕日色の果実を突く
真ん丸い夕日はたちまち裸にされて
柑橘の香りを撒き散らす
白い皿もあるだろうに
漆の椀もあるだろうに
祖母は果実を皮にのせ ....
某は 老人ホームに住む 認知症の老女である
よく虚空を見つめて笑うが その先になにがあるかは まだ教えたくない
某には 主人が居る
他の家族は 来たことが無い
某には 主人しか居ない
....
秋に生まれたから
桜が好きだから
好きな合唱曲が
こんなタイトルだったから
優しい香りの
この花が好きだから
私たちを作り出した
宙が好きだったから
花 ....
僕はこんなにも
くだらない人間なんだ
誰かに頭をなでられたい
お前はいい子だよって言われたい
僕は一人で行進を始める
おいっちに おいっちに
ふー ふー
おいっちに ....
足す
僕の部屋に君を足す
僕の心に君を足す
和
気持ちが和む
いつまでも二人平和に暮らせますようにと願う
引く
気持ちが引いていく
....
雨音は冷やかな旋律を奏で
五線譜に無数に付いた蕾は
一瞬、水晶となり地表に還る
傘は持たないのだと
わらって言い切るきみの肩は
今頃震えていまいか
そう告げればまた
きみはわらって
....
{ルビ赤煉瓦=あかれんが}の橋を渡る
傘を差した婦人がうっすらと
遠ざかる面影映る
Cafeの窓
四角いテーブルの前には
文学館で偶然会った詩友が
詩について ....
かいだんを
果てまで上ることにした
上にのぼる程に
ところどころこわれたヶ所があって
下をのぞき込んだら
いっぱいなみだが落ちた
高さには差があるけれど
ひとはそれぞれ
頂を所有し ....
正しいことが
この世にないのは
一人を四人が
下敷きにしている形自体
正しくないから
それは 一つの信仰
アルカイックの微笑み
明るい部屋で 本は読まれ
神々の祝福と 共生が
静かな 泉から湧き上がる
一人の人間の為した事
偉業は やがて
万人の日常となる
....
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