いつもより早く起きて町に出たら 全てが違って見えた
鳥たちも起きていない まだ薄青い朝
人々の心地よい寝息すらも聴こえてくるような 柔らかな空気だ
30分後が信じられないほどの たった一人 僕だ ....
今日が終わる
体の疲れ
笑顔
朝からつけていたコンタクトが
両目でうねっている
外して
眼鏡をかけ
横になりながら少し本を読む
10ページも進まず
眼鏡を外し
横におき
電気を消 ....
ひとは切なくなりたくて
生身のひきだし持ちたくなる
それは薬にも毒にもなるけれど
愛とか恋とか呼ばれたりしている
新緑もやや落ち着いて
季節の陰を染めています
....
女のバラードを
聴きながら夜を走る
坂道をあがるOLの背中
くずれそうな光
思い出なんかつくらない
ひとはせつなくなりたくて
ひとはひとりでありたくて
ひ ....
思い出してごらん
街路樹だけがもだす
蝉のなかない通りのことを
ぼくはきみを見つけていない
きみともまだ別れてはいない
思い出してごらん
街路樹だけがもだす ....
{引用=ち}
ぼくたちの平坦な日常からは
{引用=ちち}
死が
{引用=ちちち}
あまりにも遠く切り離されているので
{引用=ちちちち}
むしろ常に死んでいるかのような
{引用=ちちち ....
暗い部屋で
音がする
シュイーン
シュイーン
と
やたら歯切れの良い音が
ドアの隙間から覗くと
クマのぬいぐるみが
マスターベーションしている
シュイーン
シュイーン
....
狭苦しい自分の部屋に
自然がなかったので
花を買ってきた
わずか数日でしおれていた
今度は植木を入れてみた
水をあげ続けて
数ヶ月も持ち応えたが
花を咲かせる前に
枯れてしまった
....
世の中との違和感に照準せよ
人々が称え 人々が愛するものに
腐臭を感じ取る己の感覚に照準せよ
受容と癒しが蔓延するこの時代に
もう一人 人知れず共感の群れに加わったところで
それ ....
きのう
蒔かれた種が
もう 発芽へ発芽へと
夏が至るまでのあいだ
止まらない
エスカレーターの列は長く
せめて みどり色を思い浮かべる
わたしとは
違う人たちに前と後を
挟まれて ....
100億のおっぱいを揉んだら今すぐに
立派になれるかな今までよりずっと
微乳が巨乳になる
貧乳が品乳になる
おっぱいの裏側で本当が言えるかな
下手な手術はすぐバレて
後ろ指さされちゃう ....
気が付けば いつも
私を独占する 貴方がいます
無意識に なぜか
貴方を探す 私がいます
素知らぬ顔で いつでも
私を拐う 貴方がいます
ひとりよがりに 時に
ひどく落ち込んだ ....
もしもし、オレだよ。
3年前、心地よい概念に吸い込まれたオレだよ。
ほら、何でも二律背反にしてしまうオレだよ。
大変なことになったんだよ。
是非、振込んでほしい。
もしもし、オレだよ。
....
新緑はリビングの奥まで染みこみ
薫風はねこぜとうなじを舐めまわす
梅雨入り前
日向と日陰がくっきりと区分された
広場では
....
四.五畳間
小さな巣穴
軟体生物になりきる
私はクラゲである
私は蛸である
なんでもいい
骨のない生き物になる
なんせ軟体生物ですから
背筋はしゃっきりでき ....
コンビニにスキー客がやってきて
ハーゲンダッツに入ってスキーをはじめた
私はそのハーゲンダッツを買い
息子と一緒にスポーツショップで
スキー用具を一式買った
スキーウエアに着替えていると
....
弟はいつの間にか
僕の背を追い越していた
身長をたずねると
三メートル五十七センチ
と言って悲しそうにうつむく
明日になれば
弟は遠いところに連れて行かれる
多分頭のてっぺんも見えないく ....
穏やかなニュースが部屋中に流れる
?英雄さんが殺害されました?
悪くない話しだ
英雄がいらなくなった訳だから
いざと言う時
頼りになるのは英雄よりもお隣さん
仲良くしとかなくち ....
一度で良いから
真珠の館に住んでみたい
というのは
我が家の小さな家蜘蛛が
梅雨時になると決まって呟く言葉だ
『真珠の館』
漂白された空から降ってくる雨粒は
....
したたる、
水のひびきのなかに、私の声があ
ります。暗いこころのままで死ん
で幽霊となった私のとうめいな喉。
ぬれながら、だえきもでないほど
にかわいてし ....
今、会いたい人がいます
否、ずっと会いたい人がいます
会えない時間が
愛、育てるのさ
と言う流行歌が
昔あったけど
これは
会えると言う確約があるから
成り立つもので
....
振り返ったら
影法師しか
あなたの名残は落ちていなかった
雷雨が滑りこむ昼下がり
四角い白い箱の中
些細なことで
笑う
二匹の赤い鈴
あの日
パスタの蝶々結びが
{ ....
窓辺で育てられた月光の花は
子どもが{ルビ手折=たお}ってしまわぬよう
朝日に昇華してゆくのです
夜になればまた蕾開く
葉が雨に濡れているのなら
月が涙を落 ....
かけ足に過ぎなかった
いまでもそれは
よくみえる
ほろにがい
夕暮れの日を
燃え尽くすには
まだ早い
わからないほどに
からまり続けて
いるからね
....
例えば僕が死んだなら
あの娘はどんな顔するだろう
例えば僕が死んだなら
あの人はどう思うだろう
例えば僕が死んだなら
あいつは喜ぶだろうか
例えば僕が死んだなら
あの娘は泣い ....
ある日、一人の姦淫殺しがいたから、おれたちの仲間だった存在の一人が、遺体になっていた。
結果、破廉恥罪で躁鬱を経験した者だと思ったので、おれはその”人間”に何か語りかけた。
ぐああーお1
ぐああ ....
じいさんの手
畑仕事に追われて
ごわごわしたごつい手
悪さして殴られると痛い
じいさんの手
病気にかかって
しわしわした柔らかな手
悪さして殴られても痛くない
じいさんの手
....
ブラのホックを留めるのはうまいぜ
外すのはもっと得意だがね
心の掛け違いばかりだがお前とは
フロントはいけない
俺にはけっして留められない
白い谷間を見かけたら
男ならば誰でもそうさ
....
コトバを上手く言おうとすると、
きっと下手になってしまう。
コトバを綺麗に言おうとすると、
きっと汚くなってしまう。
コトバを書こうとすると、
きっと途中で変わってしまう。
コ ....
雨に濡れてる紫陽花の
赤が濃くなるその花に
ほのかに光る銀の雨
一つ一つの音を聞く
そこには時が動いてる
膨らみながら進んでる
雫に溜まるその詩は
紫陽花の詩
風に吹かれる紫陽 ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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