ふと日常の糸がプツンと切れた
何もしたくない
頭の中と心の中では
この言葉しかなかった
そろそろ出勤しなくてはならない時間だが
立ち上がるのも面倒だ
決めた
今日一日は怠惰な生活を送 ....
犬を飼う
名前を呼べば駆け寄ってくる
わたしの膝を枕にする
エサを貰おうと必死にお手をする
私の影が見えなくなると甘ったるい
声で鳴く
犬を飼う
犬を飼う感覚
爪先がそっと
水鏡を優しく犯して
小さな波紋たちが
ちゃぷちゃぷと揺れている
指の腹でなぞった
かたつむりの足跡は
今はもう
乾いてしまった
抜けるような空は
白と ....
さっきあなたが 流した水を
飲めないで
未来のあなたは死んでいく
.
肌の表面から熱を奪ってしまう
チリチリと焦げ付くような視線が恋しい
ストーカーは勘弁だけど
犯罪一歩手前の絡み付く視線は、どこ?
釣った魚に餌はやらないのが信条の男ばかりで
....
君か生きててくれりゃそれでいいって
しょうもない悟り開いたのはさ
君が生きててくれる以上
望めることがないからさ
その上君ときたら
今も死んでいってるんだってね
....
おっぱいにちょっとだけ毛がはえてて
かみそりをあててみる
ちぎれそうで、
思想、がたりないから
ぼんやり眺めていた朝
クッションをぶんぶん振る
にぎる
もしかしたら、わたし
も ....
夏なのに重ね着して
どうしてって
肩紐がみっつずつある日
ひとつずつほどけていくのがへん
いっぺんにたくし上げて
胸の上で きゅう となった君のうすかわ
そういえばふたりで歩いてい ....
ちいさな木の葉が浮かんでる
水の流れは冷たくて 透き通るように澄んでる
白い手が泳ぐように招いた
わらうように白いきれいな歯並びがのぞいた
その一瞬で まるで おとぎばなしのように恋した
....
神様が僕を殺したがってるよ
だってほら、喉の奥から込み上げる耐え難き精液の匂い
神様が僕を殺したがってるよ
だってほら、喉の奥から込み上げる耐え難き血液の匂い
不安なんだ 不 ....
海の隙間から寝間着の紳士が上陸する
レディファーストを欠かさない紳士は
すでに同伴の淑女を裸にして太陽にさらしている
用意周到に船で密輸された薬品のことを知っているので
紳士は安心して夜を待つ ....
今日、久しぶりに夕焼けを見た。
赤からオレンジへ、オレンジから青へ、青からグレーへ…
言葉では言い尽くせない色の数々に
ただ圧倒された。
久しぶりに見た夕焼けは
なんだか切ない。
毎日 ....
はじけ飛ぶネジ
ひん曲がる側板
進化の順番が刷りかえられた
幻視者たちはそぞろ歩きで逃げ出すしかない
思考中止
重力0
宙を舞うピンボール
素人には単なる
鉄の塊
ただうるさいだけ
....
1
今朝から眼鏡の手入れをしている
透き通ったリンゴが
近づいては離れていった
明日から得た切符は
どことなく頼りなく
手元で伏せる
汽車に乗る
時間が乗客
会話が聞こえ ....
今日、いつもあるべき所に
自転車がなくなっていた。
いったいうちはどうやって家に帰れというのか
誰かとしゃべりたくなったのか
携帯で妹に電話してそのことを伝えたら
「あほか、そんなん盗 ....
{引用=ゆーゆゆ ゆゆゆゆ ゆー ゆゆゆ ……
旋律を歌ってみても ひとりぼっちだ}
沖から岸へ 塗りつぶすように寄せる涙の成分は
平泳ぎなどでおだやかに泳 ....
ピクニックを食べよう
みんな嬉しそう、楽しそう
パクリ
ママの作るお弁当は
ハムとたまごのサンドウィッチ
それを食べるあの子の
唇はまるでなめくじ
ピクニックを食べ ....
羽目板一枚下の地獄
木の葉
非情な無限
切り立つ半円
静寂
隔てられた世界
澄んだ音色
愛しき(かなしき)怪物
誘われる
因襲の檻
人の心
縒り合わされた絆
....
今からずっと未来に
ある子どもとおばあさんが会話していました
「ねえ、おばあちゃん、何かお話してよ」
「う〜ん、じゃあ、昔話を聞かせてあげましょう」
「むかしばなしってな〜に?」
「お前 ....
ヘンリー 私の膝の上でお眠り
窓辺に当たる雨の音を聞きながら
時々は 可愛い耳をぴくんとさせて
解った振りをしてくれれば いい
ひとり言を 話すから
....
誰を呼ぶ
ベルベットの夜に
闇に浮かぶ
蒼い影
疲れ果てた身体に
染み入る
日毎大きくなる
その清浄な 音色
窓枠に立ち
両腕を平行に
潮の香りと風を抱く
私の腕 ....
陽射しを包み込んで
柔らかい手をした
風が
頬を撫でる
気持のよいそよ風
抱きしめてあげたい
その温もりを感じて
応えてあげたい
その優しさに感謝して
風は黙って ....
すでに家でくつろいでいます
TVで天空の城ラピュタを観ています
シータが空中に浮いているシーンを観ていたら
あなたに話した
ふしぎな記憶を思い出しました
スカイダイビ ....
うじゃうじゃ うまれてくるので
ネズミさんは ふあんになる
いったい じぶんとは なんなのかと
たびにでた やつは ネコにやられたのか
それっきり かえってこない
銀色に輝く
紋白蝶の魔法の粉
きらきら
どれほど集めれば
自由に羽搏けるといふのでせうか
あをいそら
一枚二枚
母の髪を梳くやうに
幼い私
蝶の翅をもぎ取る ....
吐き出したのは
溜め息と
嫌悪感
抑えきれない息苦しさに
もがき苦しみながら
空を見上げてみれば
....
窓ガラスに映る
鏡合わせの
パラレル・ワールドは
ありふれた物語を綴る
三流の映画を気取って
にやりと
笑みを、浮かべている
雨が降っている
(陽が照っている)
....
いまはいえない
そんな気持ちを
ノートの端に綴ったら
うまく言えないけれどどうしようもなくて、
ここに書くけど多分渡せない
謝りたいけど許せないから
もうやるせないって
ない ....
愛情は凍り、そして、砕けた
それは、砂塵となって、ゆっくりと舞い、踊る
破壊され尽くした劇場、舞台、静寂の支配する世界
沈黙のオペラの幕があがる
そう、オペラは
その結果に従って ....
ここは鶏小屋
将来
卵を産むのか
産まないのか
産む気がないのか
産めないのか
雌鳥の小屋
好物は人の不幸話と
次元関係なしに
魅力的な雄鳥
こけー ....
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